■ 其の二十八 第四十話 『嵌められたな』 ■

もうすっかり、毎回誰かが亡くなるのがデフォルトな新選組。
今回はしかし、隊内ではその悲劇はギリギリ治まっておりましたが、
はかなく消える雪とシンクロするようにお幸がなくなり、 大きな時代の流れ的には考明天皇がなくなり。。
時代の流れに、徐々に心細くなる新選組。。
ならば内側だけでも、近藤さんを大きな柱に、しっかりと揺るぎない結束を保っていかねばならないっつのに、
甲子太郎が組を離れるとついに公言、 じわじわと、その本性を表してまいります。。。


尊王の伊東一派が、天皇が亡くなった数日後に新年の宴をにぎにぎしくしちゃっていいんでしょか。  控えめとは言ってますが、お幸が亡くなって喪に服している近藤さんと比べちゃうからか、 充分賑やかに見えちゃうなぁ。
そのお祝いの席に、何故か誘われた永倉。 
にぎわう宴の場への障子をからりと開けると、そこに 笑顔で迎える甲子太郎の姿。
ていうか。。。斎藤さん?!
ちゃっかり伊東の酒の席にいる斎藤さん?
すっかり腰据えて酒飲む斎藤さん??
酒か?! 酒につられたのか?! 酒が飲みたかったのか?!
駄目じゃん近藤さん! ちゃんと餌あげてないんじゃないすか?(違)

で、 ”山崎は見た!” 
今回も変装に凝りまくってますよ、山崎。 今回の変装は、芸人でしょうか。 たらりたらりらと、おどけた踊りも完璧。 そして目はしっかりと状況チェックでございますよ。
つことで、あっという間に近藤さんにばれましてございますよ。
いつもチクるサイドの(苦笑)斎藤が、山崎にチクられてるのも、 ちょっと人斬りにうんざり気味な最近の斎藤、ギリギリのところで生きていた頃のかつての野犬のような  ”勘” が鈍ってきてる証拠とも言えるかもしれんですなぁ。
伊東一派の新年の宴に永倉どころか斎藤までお呼ばれした事に驚く一同ですが、 いや、それよりも驚いたのは、
斎藤さんは本日、剣術の指南をされるはずだったんですが、こちらも断り無く、休んでおられます。」
  けんじゅつのしなん!!!!
って、斎藤って普段ちゃんと仕事してたんだね、こりゃびっくり、いや、失礼。
そういえば市中見回りだってちゃーんとしてたっけね、一ちゃん。
だけど何故だろう、ピンとこない。 浮かばないよ、一ちゃん。   あなたが剣術の指南をしてるところが。。。
  部下が一生懸命素振りなどをしている姿を縁側でじっと見つめる斎藤先生。
  その鋭い視線に、稽古に張り詰める、ただならぬ緊張感。。
  。。。。だか耳を済ませてごらん、かすかな寝息が。。。ZZZZZ。。。
なんて、そんな想像しか出来ないんですけど、斎藤先生!

まあそれはさておき、副長もお怒りです。
「それが武士のすることか。これが士道不覚悟でなくてなんだ。 みんなまとめて切腹だ。」
みんなまとめて切腹だ!!  うわー、もう何てヤケクソな投げやりな言葉ですか、土方さん!
皆さんご一緒に。 『みんなまとめて切腹だ!!!』
やばい、凄くツボ。。。 みんなまとめて、、、(シツコイ)
けどこのいいかげんなヤケクソな言い方が逆に、 斎藤等には本気で切腹をさせるつもりなぞ、さらさらないんだろうなー、なんて 感じられたので、安心して見てしまったわけですが。

と、すっかり局長達にバレバレな宴の席では、永倉と斎藤並んで杯を傾けております。
この一杯の酒の飲み方だけで個性がばっちり現れているよねぇ。  手前の永倉はぐいっと体をそり気味にして杯を傾け、男らしく一気にゴクリ、その向こう側の 斎藤は背中を丸めたまま、口元に運んだ杯を、指先だけでゆっくり小さく傾けて口に酒を流し込むんですな。  ものぐさな、だるそうな飲み方なんだけど、それが実に色っぽい。  んでもって、個人的にはその手と、手首がかなりツボです。  口に含んだ酒も、すぐ飲み込まずに口の中で転がす感じが、 まったり1人飲みの好きな斎藤らしくて、非常にイイっす。
こういうのは、考えてこうした、、と言うよりも、やはり斎藤になりきっちゃってるからこそ 生まれてくる形なのかしらん。 ものすごく”らしく”って好きだなあ、この飲み方。

「そろそろ本心を聞かせてはもらえないか」
と、もちろん永倉も何も考えずに来たわけではありませんさ。  その言葉に隣の斎藤も、ちらりと目だけを甲子太郎に向けております。  ただ酒に吊られたわけじゃなかったのね。  きっと斎藤も、何かここで情報が拾えれば、そっと土方に報告するつもりで、 罠なら罠にはまるつもりで来たに違いない。。 、、、と、思って見ていたんだけどなぁぁ。。
「私はただ、新選組を背負って立つ、永倉先生、斎藤先生と、 膝を交えて酒を飲みたかっただけのことです。」
と、相変わらずシレっと言ってのける、余裕の甲子太郎。
「伊東さんの心尽くしの持て成しは、正直感服した。 しかし、我々はまだ ここに呼ばれた本当のわけを伺ってはいない。」
永倉が真直ぐな瞳で訴える横で、斎藤も!、、、、酒注いで貰ってます、ってオイ。
んでもって、モグモグしちゃってます。。。
だから近藤さん、ちゃんと餌を(略)
「それは追い追い。」
伊東スマイルで、とりあえず話題を流そうとする甲子太郎先生に、やっと斎藤も口を開き、
「俺達には仕事がある。」
。。仕事のこと、一応、いや、ちゃんと気にしていたんだね、斎藤。 よしよしエライぞ。
が、まさかその仕事、サボったことになっているとは思いもよらなかった事でしょう。。
「心配ご無用。 近藤さんの了解を得ていると申したではありませんか。」
と、微笑んだ後でスッと真顔になった甲子太郎先生、
「私は、新選組を離れるつもりでいます。  ついては、両先生も、我等と一緒についてきていただきたい。」
って、案外あっさりと、宴に誘った本心を明かしてしまうのね。
突然の告白に、驚き顔を上げる両先生と平助。
「せっかくここまで力をつけてきたと言うのに、今の有様はどうです。  組を守る事ばかりに気をとられて、窮窮として内ばかり見ている。  時代が大きく変わろうとしているときに、うんたらかんたら、、、略略略。。。」
。。ま、要するに この伊東甲子太郎様が新選組2を作リ直して、後で近藤土方を呼んであげますヨ、 て事です。
長々と熱く伊東先生が語っている間も、ひょいと手でツマミをつまんで口に放り込む斎藤。
そんなにお腹がペコペコリン。。。 じゃなくて、斎藤にとっては、最初からそもそも聞く耳もつ事ではないっていう、 ちょいと斜に構えて”聞いてやってる”的態度でありましょうか。  まだ余裕の斎藤ですから。。

いきなり本心を突きつけられた斎藤と永倉、そして平助。
甲子太郎先生はどうやら場を外しての、シンキングタイムのようでございますな。。
ちょっと憂いのある表情で、伏目で考え込む姿がナカナカ色っぽい斎藤ですが、、
気がつけばやっぱり柱に寄りかかっている。(笑)
落ち着くのか。 やっぱりそこが落ち着くのか斎藤。
というか。 この部屋の中で、大した時間も過ごしてないようなのに、 何度も居場所が変わる斎藤。
最初に永倉が障子を開けて入ってきた時、斎藤は背中に襖の場所にチンマリおすわり。
次に映ったときは、隣に永倉、先程の襖は恐らく右手、そんな位置でチンマリ。
で、伊東先生の本音を聞いた後のシンキングタイム、また移動して障子並びの柱にもたれてチンマリ。
どっしり落ち着いた永倉が一緒にいるだけに、余計その移動する斎藤の落ち着き無さが気になります。
慣れないお呼ばれで落ち着かないのかしらん。。。

お前はどうする、と聞かれて、自分は伊東道場の人間だから、 伊東先生についていく、と答えた平助。。
そうかあ。やっぱり行っちゃうんだなあ。
永倉は昔平助の名前も覚えてくれていなかった伊東について行くのを心配するけど、
「伊藤先生は私の勧めで京へ登る決意をされたんです。」
平助にとっては、今回自分の言葉で伊東が動いてくれた事が、誇りであり、自信なんだよね。
自分が他人に影響を及ぼしたい、何かを動かしたいと思うのは、 誰でも持つ気持ちで、もし自分の言葉で尊敬する人が動いてくれたら、 それを当然だと思わなければ思わないほど感動して、 そのことを大事に誇りに思うのは自然な事だもん。 
「ただ皆さんには皆さんの考えがあると思いますので、どうか、ご無理なさらないでください?」
いつもの優しい気遣いを見せる平助。
本当に平助って、とても細やかに相手を想う優しさがあるよね。  後で沖田に本心を愚痴ってしまう平助だけど、 前にも近藤が励まして言っていた様に、平助は平助で、彼にしかない良さがあるんだよ。  人を思う優しさがさー。
これって剣の腕より素晴らしー事だと思うんだけどなぁ。。

で、斎藤の結論。 「悪いが、俺は残る。」
いや、結論といっても、斎藤は悩むまでもなかったろうけど。  勿論、永倉も
「俺も新撰組を離れるつもりはない。 山南さんと約束したんだ。」
山南さんの影響はまだまだ続いているのですな。  死んでもずっと、新選組と共にあるんだろうなあ、山南さん。
そして寧ろ逆に伊東に新選組に残るように説得しようという永倉に、平助も 少しホッとした顔をみせるんだけどネ。。。

そこにドタドタドタドタと廊下を走る大きな足音。
こんな無作法な男は伊東一派にはおりませんっていうか左之助しかおりませんよ。
バンと障子を開けっぱなし、どかっと座る左之助。
突然の騒々しさにびっくりして、その物音の方にきゅりっと顔を向ける斎藤、 勢い後ろに流しておいた尻尾がふわんと右肩にかかったりして、 何でココに左之助が? とでも言いたげなビックリ顔で、 おクチぽかんと開いたまま、左之助を見上げる姿がベリカワイイッ。
「おいおいおいおい!!! 話は聞いたぜぇえええ!!」
とりあえずご挨拶代わりに掴んだ獲物を口に放り込む、食い物ハンター左之助、 さらにしゃきーん!!と出した
刀より大事な?マイ菜ばしにて 更なる獲物を挟んでは口に挟んでは口に。 そしてニヤけつつ、決定的一言。
「仕事そっちのけでさあ、こんな所入り浸って、、、 近藤さん、お怒りだよ?
それまで伏目でまったりポーズなんかしてた斎藤も、さすがにその一言で一瞬固まり顔色も変わり、
「ちょっと待て。 近藤さんが何故怒る?」
余りの衝撃に酔いもぶっとび、目もぱちくりしちゃって、伊東先生の話を聞いていた時の 余裕はどこへやら。 
だって近藤さんが怒るなんて? つか近藤さんを怒らせたなんて?!
斎藤が一番したくない事じゃござんせんか。。。
も、一同、 きいてないよ〜〜〜!!状態。(古)
「あれ。 話が違うなあ。 なーーーんも聞いてないってサ。」
で、今度は一同、 こいつは、、やべぇ〜〜〜〜!!デスヨ。

「だから俺が呼びにきてやったんじゃないかよぉ、いつまで断りもなく仕事を休むつもりかって、 鬼の副長もお怒りだぜ?」
いや、いきなりヤバイ立場にたたされた斎藤も気になりつつ、 忠告しに来たっつーより食い荒らしに来た左之助のスーパー食欲に目が釘付けですよ。。
「なんで俺を呼んでくれねえかなあ、おかしいじゃねえかよ、永倉、原田といったらよー、 うんぬんうんぬんうんぬん、、、、、、」
てな左之助の愚痴は軽く右から左に流し、
「嵌められたな。」
と、永倉と顔を見合わせる斎藤。
「伊東先生に聞いて来ます」慌てる平助に
「その必要はない」
と言うなり立ち上がり、部屋を出て行こうとする斎藤。
しかし斎藤、普段全く接点がないのにさ、いきなり伊東の宴にお誘いなんて、 それだけでも胡散臭いワケで、以前の”建白書”事件でのチクりプチ密偵を自らやってのけた彼のこと、 いよいよ密偵本番前の予行練習、罠ならわざと嵌められるつもりで それこそ伊東一派の裏を探るつもりでの、宴参加かと思ったのに。。。
素直ーにフツーに騙されてんじゃんっ(笑) 。。そんな斎藤が愛しいっすよ。。
お酒か。。やはり結局お酒に釣られたのか。。。一ちゃん。。。

「お気持ちは固まりましたか」
なんてノンキに聞いてますが、明らかにがらりと空気変わってますよ、伊東先生ー。 気付け!
観察眼があるようで、微妙な変化に気付かない伊東先生。 それが後々命取りになりましょうか。
やっと空気の変化に気付いて見回してみると、 何でお前がソコにいんねん? な、左之助の訳知りなニヤケ顔、永倉、平助の問うような目、 背中を向けた斎藤の、冷たい視線。 この目つきがエライまた色っぽくてゾクゾクいたします。。
事態急変を認めた甲子太郎、溜息一つ。
「先生、永倉さんや斎藤さん達のこと、近藤さんの了解を頂いてないのですか」
厳しい目つきで問う平助に
「その通りだ。 つまりは、お二人はもう新選組には戻れぬ、と言う事です。」
開き直って笑顔で言い放つ伊東を睨むように見つめる斎藤。
「もはや、我等と共に来てもらうほかない。  私が考える新選組には、両先生は欠く事が出来ぬのです。
全てはお二人に、我等の下にに来てもらいたいが故の策と、お考え下さい」
やなこった! ぷっぷくぷー!!(意味不明)
とまずは彼等に先立ちまして、叫ばせて頂きとうございます。
なんつーか自己中心的でございます、伊東先生。  今まで彼の元には、彼の言う事に心酔した人々が集まってきたのかシランけど、 どうもいつも彼の言う言葉は表向きだけ立派で、 どっしりした魂が感じられませぬよ。 
喋るのは下手でも、一言一言がずしりと重い近藤さんについてきた彼等に そんなペライ言葉は通用しないっすね。。。
つか、そんな騙まし討ちされてヒョイヒョイとついて行くと思ってるのか、 舐めてもらっちゃ困るですよ。
大体、選んだ相手が悪かった。 どちらも義理堅さは新選組イチとも言える男でございますよ。。
結果、ハメた二人の怒りをも誘うハメになりましてございます伊東先生。
怒りの永倉から、返って来た言葉は、 人を信じず自分にも自信がないという、ブッチャケ伊東批判と、同時に、 それに比べていかに近藤が素晴らしいか、、と言う事。  そこまで聞かされておきながら、出て行こうとした二人にトドメ、
「今戻れば切腹ですよ」
だなんて、永倉が今話した深い部分が全く伊東には伝わってないんだろうなあ、 男の覚悟も理解できてない、この脅し文句。
切腹が怖くて新選組にいられるかい! 
いや確かに今の新選組では、そんな脅しも脅しにならない場合も多々あるけどさ、
「ならばそれも運命」
と受け入れるほどの近藤との深い信頼関係なんですよ、って伊東先生にわかるかなあ。
しかし伊東先生も負けちゃいない。  相手の命で脅しが効かないと、今度は自分の首に刃を当てて、 自分の命を掛けた脅しの大芝居。
「今、私の神意を近藤くんに知られるわけにはいかない!! 
そこまでの秘密を打ち明けたのだ、私の気持ち、察していただきたい」
驚く平助、が、永倉達は全く冷静そのものですわ。
「おやめなさい。 そこまで我々を信じているのなら 何も心配する事はない。 我等はここで聞いた話は一切漏らさぬ。 斎藤もいいな。」
「ああ。」
。。。動揺のドの字も無く、その場を去る二人でございます。
。。。がんばった伊東先生、決めたポーズも虚しく解除。。。
まあ実際、伊東先生はポーズだけなんだもの。  血の一筋も流しておられぬもの。。。
なんと言うか、、、修羅場での人間同士のやり取りの経験の違いが出てる気がいたしますな。
とりあえずは、選んだ相手が悪かった。

 二枚目策士の伊東甲子太郎、
 斎藤、永倉を騙して誘って、新撰組離脱を狙ってるじゃなーい。
 でも、一ちゃんは、近藤先生の犬ですからーっ! 残念ーっ!!
 油小路斬りーーーーーーーーっ!!
。。ってな某お笑い風のフレーズが頭にグルグルいたしておりますよ。。。。

で、当然、近藤さんらに呼ばれておこらりちゃってる斎藤と永倉。。
騙された事や、事の成り行きは全て話しつつも、約束どおり、伊東の企みに関しては 口をつぐみ、
「それ以上は話せん。」 と、、誰に対しても義理硬い永倉。
「斎藤もか。」
いつもならイの一番に何かあったらお知らせしていた土方に聞かれると、 ちと辛い。 
けど今回ばかりは黙秘せざるを得ないって事で、 小さく、、ほんっとに!!ちい〜〜さく、コク、と頷くいてます。
もう申し訳なさ爆発。 尻尾は内側にクルリ。。 体も何気に固まっちゃってて、いやんカワイイ。
いや、もし横に永倉がいなかったら、、全てを話しそうですが(笑)
  土方に怒られる斎藤の図、、って何だか珍しいね。
「いいか、お前等のしたことはな!」
頭から湯気も出そうな怒りの土方、長そうな説教が始まろうとしたところで、
「トシもうそれ以上はいいだろう」
と近藤さんが間に入ってくれましたよ。 今回は近藤さんが光って見えるなあ。
説教は止められたものの、鬼副長としては、裁きを忘れるわけには行きませぬ。
「ただし事情はどうあれ、断り無く見回りを休んだことは償ってもらわねえとな」
み、みんなまとめて切腹かしら、ドキドキ。。。
ここで局長がすかさず土方の言葉を遮って 『謹慎処分』 を言い渡してくれました。
ああ、本当に今回は近藤さんが素敵だ。
しかし土方はどうするつもりだったんだろうなあ。  謹慎以上切腹未満での処分、、て何だろう。。
つか、彼女のいる永倉はともかく、斎藤には謹慎処分って痛くも痒くもなさそうね。 
むしろ仕事も休めて、1日中彫り物でもして、ゴロゴロして、、と、まったり休暇をエンジョイしそうです。
とりあえずは、局長がいたおかげで、温情の一件落着、良かった良かった。
土方は不満気な顔を見せたけど、きっと内心は安心してんじゃないかしらん。
これだよなあ。 鬼の副長と器のでかい近藤局長の絶妙なバランス。

それよりも。 もう今後こんなことのないように!!
近藤さんはもっと斎藤にお酒と餌を与えておいてください。
と、近藤さんに飼い主としての反省を即してみたり。

まあでもそんな土方も、謹慎中の斎藤に、分離する伊東達に潜り込んでの 密偵お仕事を申し付けるわけで、
斎藤への信頼度は変わらずなんだけどね。
「伊東達に加わってもらいたい。 あいつらは御陵衛士を名目に薩長と手を組み 幕府にたてつく気でいる。 
俺はいずれ伊東を斬るつもりだ。  御陵衛士も壊滅させる。 
そのときのために、常に伊東と行動を共にし 向こうの様子を逐一俺に伝えて欲しいんだ。」
しかしこれ、今回の事の後では、非常に難しい仕事です。 
この一件が無ければ、まだそ知らぬ顔で、伊東達の中へ取り入っていけたかもしれないけど、 騙した伊東に対して啖呵を切った永倉の横で、 無言でありつつも、思いっきり、横に同じ!! てな表情と空気を漂わせまくっていた 斎藤でしたからな。  それでいて、やっぱり伊東先生について行きます、わんわん、と、 怪しまれないように油断させ、情報を得る、、、これってかなりの高難易度。
まあ、変わり者で何を考えているかイマイチわからない謎キャラ斎藤だから、 何とかなりそうな気もしつつ。。。 
そんな難しい仕事でも、土方に頼まれれば、ただひとこと、
「承知」
と答えは一つな斎藤でございますよ。  やはり、こんな忠実で信用できる男はおりませんとも。
しかも更に +α の難しい要求が斎藤に課せられます。
「そしてその時が来たら、、平助の傍を離れず、あいつを助けてやってほしい。 あいつだけは死なせたくないんだ。。」
その時が来たら。 いくら三谷さんのテクニックでも、史実だけは変えられないわけで。
ああもう、ずるいぞ三谷さん。 こんなセリフで既に涙腺緩みそうだもの。。
斎藤を信じて託したこの思いが、このドラマの中でどう処理されて行くのか、、とか
どの面さげて(笑)斎藤が伊東一派に潜り込むのか、とか。。。
いよいよ、密偵斎藤の出番、今後の展開が楽しみであり心配でもございますよ。

今週のオマケ。
もう芹沢さんみたいな事はゴメンだと、 『「言いくるめて欲しいと思ってたら見事に言いくるめてくれた」、と、 わざと甲子太郎に丸め込まれた近藤』 
って何だか早口言葉みたいな展開に 、土方はナンダソリャてな顔して
「勝手にやってくれ」
と拗ねちゃいましたなあ。 背中を向けて頬杖ついて、その姿は副長と言うより、 幼馴染のバラガキ、トシ。
でもって、今回は局長と副長の役割が、土方はやや不本意な顔していても、 穏やかに機能していたですな。 これだよ。 これが、皆が期待している
「こんな時近藤さんがいてくれたら」
って役割なんだなあ、、、と先週はちょいと不満だったけど、今回は満足。  多分、威厳のある近藤よりも、こういうちょっと弱げな近藤のが香取近藤としては 私は好きなんだろうなあ。。
それに、 丸め込まれても、承知の上なら、それは必ずしも負けじゃないっすよ。  相手がわざと丸め込まれたって事に気付いていないような甲子太郎の方が、 実はちょっと甘くて、油断があるんだよね。
けどあれだけ”裏でニヤリ”な、ちょいと悪者系キャラクタに仕上げてありつつも、 結局完璧じゃない所に、甲子太郎の弱さと人間臭さを感じさせて 憎めない、、と思わせちゃう、三谷さん、 流石でございますよ。
なんだかんだ言いつつ、この甲子太郎、どこか道化師チックで、好きなんだよなあ。

と、今回は力尽きて本当に斎藤部分しかレポ出来なかったけど、 タイトルは 『平助の旅立ち』 ですから、
もちろん今回の主役は平助。
そして一番の盛り上がりシーンは、やっぱり平助と沖田の別れの場面だったと思うデス。
「来年のお前が羨ましい」 と、羨む沖田、だけど来年どころか、
僅かしか未来が残ってないのが平助だとは、これは皮肉すぎて何とも切ない。
でもそんな事も、歴史を後から見て知ってるから思うだけで、
やはりこの時の二人の若者の気持ちのやりとりには、気持ちを動かされるってもんです。
しかし、、、何だか、「言葉にしないとわからないのか」とか、
男と女の話みたいにも感じますが、それが日本人なんだろうなー。

新選組を出て行く時に皆からの餞別で浅葱色の新選組の羽織を貰って抱きしめる平助、
近藤さんに暖かい言葉を貰う平助。
やっぱり、、ここにいてほしかったなあ、、平助。

。。。で。
斎藤が平助と一緒に御陵衛士に行かなかったら、アレを餞別に渡していただろう、、、に、150モアイ。


                                                  二〇〇四年 十月十日放送 


        ※はっ。。。イラストの斎藤さんの着物の柄間違えたです。軽く流してやってください。とほー。


■ 其の二十九 第四十一話 『伊東先生がお待ちです。』 ■
「トシッ!!」
「かっちゃーんッッ!!」
ガシーーーーッ!!!

とのっけから熱い抱擁を交わす二人で始まる四十一話ですが。
輝く二文字、『直参』。 徳川家の家臣っ。  農民だった二人が夢を実現した瞬間でございます。
八木家に羽織を借りた頃もあったっけ。 立派になったもんです。 
沢山の血が流れたのも、無駄じゃなかったと思いたい。
正式な直参取り立てが通達された、と語る小林康雄のナレーション。
『しかしその中に軍師として近藤勇を支えてきた武田観柳斎の名前を見つけることは出来ない。』
ついでに、斎藤一の名前も見つけることも出来ない。。。
やっぱりアチラに着いていったんだなあ。
と言うわけで出番もセリフもホンノリ少なくなってございます。 って最初からだね。

いよいよ直参となった事で、
「いい機会だと思うんだ、トシ」 「もういいだろう」
と、法度を廃止しようと言う近藤さんの言葉ですが これじゃあまるっと、今までの法度の取り締まりの責任が全て土方にあるように 聞こえちゃうんですがなあ。。
「決めたんだろう、局長は。 じゃあ副長はそれに従うまでだ。」
と土方も言ってるけどもさ、もっと近藤さんはビシッと先頭に立って決めていかな。
土方の役目は存在する法度を守らせる事で、それを全うして来たに過ぎないんだからなあ。
とは言え、命を張った、法度の厳しい取り締まりをなくして、 大きくなった所帯をまとめていけるのかしらん。
って、言う所で早速、
観柳斎の昇進に異を唱える隊士が続出、ヤケになった観柳斎は昇進を辞退、、 また一方では、新選組が直参となった事に納得できない隊士が出て来たりと、あらあら次々と問題勃発。
「人ををまとめていくのというのは難しいものだな、トシ」
と早速ぼやいてますが、い、今更、、近藤さん。
だから大変だから法度があったんだって、わかってんのかなあ、近藤さん。
厳しい法度ナシで人をまとめる、その力が今こそ試されているのだから、 自分でその道を選んだのだから、、、
が、がんばれ。。。がんばってください。

”近藤の出世に利用された、二君に仕えるつもりはない!”
近藤が自分達を利用している!と反発する4人の隊士が頼ったのが観柳斎。  色んな人がいるもんです。
全ての隊士憎まれているかと思ったら こんな所で頼りにされたりして観柳斎。
この4人は河合の件を知らないのか、それほど他に頼る者がいなかったのか。
恐らく後者。。。。(苦笑)??
すっかり信用ガタ落ちだったところに頼られたら、自尊心の強い観柳斎じゃなくても 嬉しくて張り切るってもんです。
んがしかし、また彼が指示した事がぜーんぶ裏目に。 
当然、こんな新選組内でも嫌われてる胡散臭い落ちぶれ軍師を伊東が受け入れるワケもなく。
つか、伊東に顔合わせすらしてもらえず門前払いデスヨ。
観柳斎はともかく、命がけの脱退をしてまで頼ってきた4人の隊士を、 気にも止めずに追い返した伊東に、
平助、”近藤さんだったら、、”、って 思ったんじゃないかなあ。。。
けどもう、平助はあっちの人間なんだよね。 (寂)

全く相手にもされず、廊下をドシドシ足早やに去っていく観柳斎。。
そこで手のアップですよ、
この血管の浮いた手は!
この色白さは!
ていうかその手に持ったシロモノは!
ナイフは!!!
て事で、手首の曲げ具合も美しい、とそんな所も愛すべき、そりゃもちろん斎藤の手なワケですよ。  手から登場。 オダギリ手フェチーには嬉しい演出でございます。
なぜココに観柳斎が? そんな訝しげな目線を投げかける斎藤の、 ひょいと眉上げたこういう表情、とても好きなんだな。  こういう時の目はちょっと釣り目気味。
それにしても、ああ、やっぱり伊東のところに貰われて(笑)いったのねん、斎藤。
つか外飼いですか?! 
いや、居場所がなくて、つい外で時間をつぶしてしまうんだろうな、斎藤。  とは言え、 外でホリホリ彫り物してたら、中で何か情報があってもわからないんじゃ。  思わず彫り物に熱中する余り、大事な情報をゲットし損ねたりしないかと、ちと心配。
アナタの使命は密偵、お忘れなく。。
とりあえず、今回は ”なんかコッチに観柳斎がきてたよ” 情報を近藤に知らせたようですが、 それって結局ウチワの組内のゴタゴタの延長だし。。
 ウチウチの、問題尽きない新選組
で。 先週、あんだけキッパリ伊東の誘いを断っておいて、 どうやってチーム御陵(笑)に入れてもらうのかな、 と、気になっておりましたが、その辺りの扱いは軽やかにモウマンタイって事で描写ナシ?
尤も伊東としても、誘った事は近藤等には"一応"ナイショって事だっただけに、 断るのも逆に出来なかったんだろうけども。。

ところで斎藤さん、創作意欲モリモリなのは結構でございますが、 削りカスはちゃんとお片付けしてるのかなあ。。。? 
(いらすとの観柳斎との位置関係、ちょっと間違えたけどソコは広い心でひとつ)

近藤の所に手紙を置いてきてしまった事が、茨木達が新撰組に戻れなくなってしまう最大の理由だけど、 それを提案した観柳斎は、すでにその件に関しては知らん振り。。。  放置された茨木達は結局行き場をなくし、わざわざあてつけのように、 会津藩のお屋敷で自決。 うわあ、これ、誰が掃除するんだろう。。ってそうじゃなくて。
せっかく直参になったのに、 いきなり新選組内情のぐだぐだを見せつける事になってお恥ずかしい限り。。
隊士達に影響してる法度の力というか脅迫めいたモノって、相当なもんなんだね。
そりゃそうだよなあ、だってお金会わなかっただけで、 皆に好かれていて、誰も悪くないって思っていた河合さんが切腹させられちゃったんだからさ。。
近藤さんが、法度をナシにしたいなら、土方とこっそりそうしようって言ってるだけじゃ 駄目じゃん、意味ないじゃん。。
ちゃんと表に出していかないと。

自分を頼った隊士を見捨て、彼等を自決に追いやる形になってしまい、居心地悪いどころか 命の危険も感じて逃げ出して、こっそり隠れて野宿状態の観柳斎。
んが、隠れている割にその金銀ピカピカに輝く扇子、目立ちますからーっ!
メチャクチャ光反射してますからーーーっ。
河合の命と引き換えに手に入れたと言える、西洋兵学の高価で貴重な本も、 最後の手段の賄賂とばかりにうやうやしく伊東の前に差し出したものの、 既に向こうには同じ本が。
逆に本を探す手間をかけさせてくれたな、とお怒りの伊藤先生に、返す言葉も無く こそこそ撤収。
もはや無用の長物。 枕にしかならない厚めの本。。。
河合さんの命が枕に。。。トホホ。。。
命を張って観柳斎を庇った河合さんの死が、完璧に無駄になっちゃいましたよ。
不精髭で薄汚れて、体丸めていじけてゴロゴロしてる姿は惨めで自業自得とは言え、 何だかちょっと同情しちゃうのは、余りにわかりやすい滑稽さだからかなぁ。

で、不精髭といえば、竜馬もすっかり不精髭ヅラになって、 京の町を逃げ回ってます。
逃げ回りつつも、裏ではアチコチに手を回し、まだまだ前向きな竜馬だけど  『なんとかなるにゃー』 てな以前の気楽さは薄れて、それなりに切羽詰った表情を見るにつけ、 そろそろ、、てな不安が。
江口竜馬、今まで見た竜馬で一番好きだし、 近藤と若い頃から平行して見て来ているだけに、歴史的事件を見る辛さ倍増なんだなあ。
そんな竜馬と斎藤が顔合わせる場面があるとは。 ちょっとウレシイ。

隠れ住んでいた宿に戻って来た竜馬。
誰もいないはずの部屋には灯り。
警戒して息を潜めたところで後ろに気配を感じ、振り向き銃を構えると、、、
そこに斎藤でございますよ。
不敵な笑みを浮かべつつ、ちょいとピストルに目を落とすものの、 全く動じずひとこと、今週唯一のセリフです。 心して聞きましょう。
「伊東先生がお待ちです」
いや、またこの顔がイイです。 目を伏せたお顔も美しゅうございますなあ。。  何だか怪しい色気でございます、て、いらぬ色気はいつもの事で。
伊東のところに貰われていっても変わらぬこの静かな雰囲気。 
歳いくつだよ、て落ち着き具合。 
やー、いいっすねえ。
さらに障子の開け方がメチャ素敵でございますよ。
すっ、すーーっぴたっ!
ってわからんって。
途中まで、すっとゆっくり障子を引き、一気にすーっと流し、そして最後にピタッと止める。
目は竜馬を見据えたまま。
無駄ない動きで綺麗に障子全開。
特に手首の返しが美しい。
障子の向こうの僅かな灯りでやや影絵のような斎藤の姿。
いい! 美しい! なんつーか、様式美!
何の様式かわからないけど、様式美です。  言ってみれば障子開け様式美!? ってそのままじゃん。
ただの障子の開け方ひとつに、こんなに何度も繰り返し繰り返し 再生且つスローで見たのは、初めてでございますよ。
『障子の開け方。』 の教則ビデオだって、こんなに真剣に何度も見る事はないでしょう。
ていうか、そんな教則ビデオなんてないって。。
更に、この構図もステキです。
竜馬、障子、斎藤。 スッと障子を開けると、そこにチャラーン!と登場する、
既にスタンバって背筋もしゃきっと伸ばした伊東先生と平助。 そしてニコッと甲子太郎スマイル。
この素敵演出、、もしや伊東先生の指図でしょうか。

胡散臭いにゃあ、てな顔しつつも、竜馬が部屋に入ったところで、 廊下の向こうに目を光らせチェックして 障子を閉める斎藤。 殺気がないとは言われたけど、用心棒的鋭さは健在のようです。
きちんと座る伊藤先生、平助の横に、いかにも 『俺はただの用心棒ですから。』 てな顔をして、
1人横向いて背中丸めて座って、相変わらずの手弄り。
飼い主、、いや、居場所が変わっても、マイペースで変わらない斎藤
いいなあ、なんかイイっす。  けど、興味ない素振りをしているものの、勿論耳はダンボ状態。 密偵ですから!
それにしても。 伊藤先生、平助の名前もちゃんと呼んでくれてるし、 こんな大事な場面につれて来てくれたりして、
やっと平助を認めてくれたのかなぁ、 と思いきや、
「新選組や見廻り組がお命を狙っております。 暫くの間、ウチの平助をお貸しいたしましょう。」
その言葉に、思わず平助を見る斎藤。  平助も一瞬斎藤の方を見る。
。。。もしかして、伊藤先生、平助を利用してるのかなぁ。
新選組、見回り組に命を狙われていると竜馬に助言した伊東先生、、、
平助がいたら新選組が手を出ししにくいと考えての事かしらん。
それと同時に、密談とも言える場所に、どう考えてもバレバレ近藤派の斎藤を連れて来たってのも、
平助を竜馬に付けるところをわざと見せて、密かに平助を守ろうと目を光らせている斎藤 の注意をそちらに向けさせるつもりかなあ、とか。
斎藤、土方に頼まれてるからね、、平助を守ってやってくれと。
いやまあ、斎藤の腕を見込んで、何かあった場合の用心棒として連れて来ただけかもしれないけど、
。。って、そんなワケないだろうなあ、だって伊東甲子太郎だもん。
とりあえずは気になる、この組み合わせとこの展開が。
以前、岩倉にも声をかけていた伊東、その岩倉は西郷と繋がっていたし、 西郷は竜馬をそろそろウザったく思っているようだし、 この伊東の竜馬へのコンタクトでの助言、本心からなのか、実に謎でございますが。。
しかし斎藤はどうするんだろう。。。着いて行くわけにもいかないだろうし。

所で、組を出てからの平助は何だか顔つきがキリリとした気がするですよ。
組にいる時の、かわいい乙女平助が好きだったんだけど、 一番の弟分で、皆が可愛がってくれて、
ある意味ぬるい状態でいられた新選組から出て、 一皮剥けた感じ。
乙女平助好きにはちょっと寂しいけどネ。。。

と、斎藤の出番はここでお終いですが、今回の主役は観柳斎。
伊東に相手にされず、終いには薩摩の西郷に拾ってもらおうと、もう必死。
  けどもう観柳斎の考え方自体が薩摩にしてみれば古臭く、使いもんにならんのね。
逃げ回ってる割には、一度沖田に見つかった場所にまた戻ってきたりして そりゃ見つかるわ。 
もしかして見つけて欲しかったんかなあ、実は。
何故京都を離れなかったのか、と、あっさり捕まって引き戻された観柳斎に聞く 土方。
「私には、私の志というものがある。 剣の腕がモノを言う世の中で、 才覚だけで世の中を渡り歩き、
いずれは天下を動かしてみせる!  それまでは、決して国許には帰らぬと、心に決めたのだ!」
それって、土方近藤が京都に出てきた思いと同じ。。
  農民の出で、身分の差があってもいつか本物の武士となり天下を取る! って 決めて出てきたんだもんね。
やり方は結局自分本位で、空回りして挙句憎しみだけを負うことになった観柳斎だけど、
自分と同じ想いを感じて近藤さんは買っていてくれてたんだなあ。
法度はもう無効と決めた近藤、切腹は申し付けず、 1から出直して這い上がって来い!と観柳斎に名誉挽回の猶予を与えた感動的場面、 けどそれを聞いて 、物凄く反発したのは沖田。

この最近の沖田の 「斬っちゃいますか」 だの 「まとめて斬っちゃえばいいじゃないですか」 だの、
すっかり斎藤と入れ替わったような荒んだ発言の数々、その心情が理解できそで 出来ない、
微妙な気持ちで沖田を眺めておりますよ。。。

近藤に命を与えられて新生観柳斎に生まれ変わったと思ったら、こっそり夜中に出て行く姿。
こりゃ観柳斎、やっぱり信用できないヤツだ、最低だなあ、と思ってたら河合さんの墓参り。。。
うっ。。。まんまと三谷脚本に乗せられてしまった。 しかもスゴイ基本の展開に。
ちょっと悔しいけど、近藤の御慈悲に涙を流して、 「ありがとうございます!!」  とか言ってても、今ひとつ信用できない胡散臭さ、、って、ココまで疑われる観柳斎を演じた ヤッシーが流石なんだ! と、そう思っておくさー。
河合さんの墓参りをする観柳斎の姿と言葉に、斬っちゃえ斬っちゃえだった沖田も素直に撤収。
沖田って、ちゃんと言葉を交わすと結構素直でわかる子なのになあ。 
言葉にしないとわかんないのか、て平助に説教してたけど、 その言葉は自分に向けて言っていたのかもね。。
が、近藤が与えてくれた観柳斎の命も、あっさりココでお終いに。
後ろからバッサリ斬られた観柳斎の斬り傷、新選組!で今まで見た傷口の中でも 一番の「痛そう」具合。
こんだけしっかり傷口見せることってあまりなかったような。。。
白い背中にパックリ開いた赤い傷口がやけにリアルというか、痛々しくて背中むずむずするですよ。。
斬ったのは、鍬次郎。  人斬り鍬次郎、見た目子供っぽくてただのヤンチャ野郎かと思ったら、 しっかり凶暴な人斬り役だね。
一説には斎藤暗殺説なんてものもあったから、最初に彫り物してた斎藤が観柳斎を見つめてるシーン、
かなり思わせぶりだったんだけど、今の斎藤にそういう血を流す事は出来なさそうだしネ。

法度をナシにして、観柳斎に名誉復活の猶予を与えても、 結局無駄になってしまった、近藤さん。
「もうここまでにしよう」
と、ここでボソリと言ったところで、法度で育ったこの大きな組織はそうそう簡単に変えられなさそう。
むしろ法度で厳しく縛っていたものが解けた瞬間って その反動が強力そうで怖いけどなぁ。

それにしても。
大物達が水面下で動き回って、いよいよ大きな流れが来ようって時に 右往左往している新選組のメイン隊士達、
ええ?そろいもそろって、アナタ、 島田、に左之助、永倉、周平、それに源さんまで。
有能観察方の山崎を駆使してまで、京を隅から隅まで、
果たして竜馬を探しているのか、それとも、、 逃げた観柳斎を探しているのか、、、と思ったら、
探していたのは、、お幸の妹ってどゆこと?!!
しかも探した挙句に拉致監禁かい!!!
。。。。ヒマなん??
。。。。いや、大丈夫かなあ、そんな事してて。。。ほんっと。


という事で、今週の『合掌』は観柳斎。
とことん嫌なキャラでも最後に花を持たせていいヤツで死なせる辺り 三谷さんでございますな。
けど、アレですよ。本当ぶっちゃけ、死ぬ役は美味しいです。
タイトルにはなるし、一話まるっと主役みたいに扱って貰えるし、テレビ雑誌の特集は組まれるし、
上手くすれば表紙だし。。。。おいしいよなあ。。。。
オダギリの役にしては珍しく(?)余裕で最後まで生き抜く役で、 いやもちろん、嬉しいんだけど、斎藤一。
特集なしかなあ〜〜〜。。ステラとか。。。表紙無理だよねえ。。 せめて彫り物特集を(汗)
いや、いいんだ、49話まで見られれば。
だってあと8話しかないもんなあ。。。 一話一話大切に見ていかなくちゃですな。
。。。早く元の飼い主の所へ帰ってきてくんないかしら。



                                         二〇〇四年 十月十七日放送

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