■ 其の三十二 第四十四話 『だから俺はお前を気にかけている』 ■

王政復古の大号令とか、ああ、歴史の教科書にあったなあ、そんな風な言葉。
ていうか歴史は世界も日本も苦手だったなあ、 そんな私がどうしてこんなレポを。。 
って言っても、これはミーでハーな斎藤オダギリレポだから、ま、いっか。。 とか開き直りつつ、四十四話。

■ 慶応3年(1867)12月12日 京都 ■
(といきなり日付を記録してみたり。 最初からやっときゃよかったなぁ。 と今更思うが残りあと5話じゃん。)

『王政復古』 で何もかも変わってくるかもしれないって局長の御知らせに集まる組の面々。
何もかもがひっくり返る、とっても大事なお話だっつのに、 ええ、勿論!! 今日もあの人はご欠席。
どこで何してるんだか。 どこかでアレ彫ってるんでしょうか。 ‥ってそんな事しか思い浮かばないってどうよ。
ホンット、最後の最後まで、会議などには顔出さない人ですなあ。。。
総司すら、気になって病の床から抜け出して来たってのに。
そんな総司へ、いくらなんでもあの 「病人は寝てろ」 の集中砲火はひどいっすねえ(笑)。
聖徳太子じゃないんだから、そんな一気に言われても。

さて先週に引き続き、今週も香取近藤局長が貫禄万点で惚れるデス。
長州兵とばったり鉢合わせしようが、堂々とそのド真中を歩いていく姿、、カッコ良すぎ。
チョイ前までは、どうも今ひとつ存在感が物足りないと思っていたんだけど、
今は新選組の近藤勇ここにあり!てな貫禄が溢れて迫力とカリスマ性すら感じられるし。 
広沢様初めとする会津には頼られ、佐々木と言い合ってもけして言い負かしちゃうし、近藤。
新選組っつーと ”血気盛んで勢いだけで突っ走る動物的な集団” ってイメージが強いけど、 この三谷新選組の近藤は、今まで会ってきた象山先生や、龍馬や、様々な人達の想いを しっかり受け継いでるのが素晴らしいなあ。。。 
それらが近藤の中にちゃんと生きてて、やっと芽を出した、、ってちょっと遅かったかもしれないけど。
ともかく、お陰でとても広い視野を持った近藤。。 そして冷静で、器も大きいッス。
こんな風に大きな俯瞰の視点で日本を想う近藤って、今まで見たことない気がするなあ。

それにしても、容保様と近藤の会話と二人の間に流れる空気ってば 身分なんか既に飛び越えて、もはや親友にすら見えるね。  容保様の目線が、もう 『友達』 見つめる感じですもん。。

それと今回の島田と近藤の会話がイイ。
いつだったか、だんだらの羽織りが着られるだけでいいんだあ、、と言ってた、 純粋に新選組大好きな島田魁。
慶喜様が大阪にご出立するのを見送った後。
「新撰組はなくなったりしませんよね。。 おれ、ほかにいる場所がないんで。」
「私もだ。」
不安そうに訴える島田に答える近藤の相槌や言葉が妙に優しくて柔らかくて好きデス。
そういえば今回は何度も何度も、色んな人の口から 「新選組はなくなるのか?」 って言葉が 出てきて、最終回へ向けての気持ちの予行練習かしらん、と寂しくなったですよ。
チラチラ降る雪が更に寂しさ倍増させるんだなあ。。。

さてさて。
雪がちらついているのに、障子半開きの部屋の奥に、総司。 病気なのにイケマセン。。
刀に映した白い自分の顔を見つめている姿、すっかりやつれて切ないですな。
長いまつげとつぶらな瞳が余計はかなさ漂わせる藤原総司。
と、そこに足音。 がらりと障子を開けて、今週の斎藤さん登場でございます。
斎藤と総司。 こういう部屋の中での2ショってのは初めてかな。
「珍しいですね。」
そう言って総司が刀を鞘に納めている間に、斎藤はすっと部屋の中へ。
んでもって、またしても、障子の美しい閉め方に大注目っすよ。
こういうのは、ちゃんと所作指導の方がいるんだろうけど、最初から身に付いているような自然なこなしが見事。
目は総司に向けたまま、後ろ手ですぅっと障子を引き、
最後の数センチの所で もう片側の障子と「ピタッ」と合わせ閉じる。

いや、本当、滑らか且つ美しい閉め方に目が釘付けです。
自分だったら絶対これ、閉めた時にアッチ側がすかっと開くね、開いちゃうね。  日本女子としてお恥ずかしい限りです。  斎藤のこれらの所作を見るにつけ、和の嗜みなんかも少し学ぶべきかもしれないなあ、と 自らを反省してみたりするですよ。
しかし斎藤ってば、本当にこんな美しい所作の数々、一体何処で身に付けたのかしらん。
で、閉めつつセリフもあるわけですよ。
こうなると、どちらかに気をとられてしまいそうなのに、 この障子閉め→セリフの流れ、完璧です斎藤さん。


「俺達は二条城を守る事になった。」
「私も行っちゃ駄目ですか。。?」
切なげに訴える総司を真直ぐ見つめつつも、アッサリ一言、
「駄目だ。」
その余りに当然と言わんばかりの切り捨てっぷりに
「だったらイチイチ知らせないで欲しいんだけどな。」
と苦笑いでションボリする総司。 そりゃそうだ。 。。。ナンカ気まずい。
イキナリ総司を傷つけてしまった? 見舞いのはずが凹ませてどうする。 
マズイと気付いて、一瞬目を泳がしつつも、 ”悪かった”とか、そういう気が利いた言葉なぞ、心の中にはあっても咄嗟に口から出てこない、そんな 寡黙な男、斎藤。  だがしかし、今日の斎藤は手ぶらじゃないのさ。 これで誤魔化、、、いや、名誉挽回!  て事で、とりあえず 気を取り直し、懐をゴソゴソ。
まさか?! まさか尖がったアレが出て来るんじゃないかとちょっとドキドキ。。
「これ、精がつくらしいから、、、良かったら。。」
珍しくちょっと嬉しそうに渡してきたのは、くるくる丸めた油紙。 
何かと思えば、朝鮮人参さんがコンニチハー!
。。。よかった、アレじゃないんだ。 アレじゃないけど、何故か似たような謎感を感じるのは何故。
何だか裏返したら顔とか彫ってありそうな気がするんだもん。。しませんか。 そうですか?
が、油紙に横たわる、くねくねと二股分かれた見慣れない妖しい植物の根っこに、 総司の目は点でございます。。
「なんですか。。。」
が、微妙で絶妙な間の後、帰ってきた言葉は
「。。。。知らん。」
知らないのかよ! 。。。正当につっこませてもらいますとも。
斎藤、後姿で表情は見て取れないだけに、ああ、またこの後頭に張り手突っ込み入れたい衝動。  だって可愛いんだもん。
「。。。知らないもん持って来ないでくださいよ」
そんなゴモットモな沖田のツッコミに、戸惑いの表情を見せつつ
「店の者がそう言ってた。。」
思わず子供みたいないい訳めいた発言をしてみたりする斎藤、自信なさげにモゴモゴ口の中で 呟くような声がまた『か(以下略)』
はいはい、とまあソコはその辺で納得しといてくれた総司。 。。。ありがとう。
とりあえず難関突破かと思いきや、
「。。どうやって食べるんですか?」
って、また突っ込みますかーっ。 でもそれは聞いておきたい当然の疑問!!
んがしかし。 斎藤、、、固まっちゃってございます。 駄目ジャン! 
ウルウルした目で戸惑った後、、、ふっと不機嫌そうに目線そらしちゃいました。。。
総司、斎藤に細かい突っ込みはかんべんしてやってください。
そういう点においては、大雑把なおとこなんです、斎藤一。
。。って至極普通の事聞いてるだけのような気も。。。(汗)
「なんか、、、色々やってみますよ。。 ありがとうございました」
と、何とかその場をフォローする総司。 気つかわせてる。。 病人にものすご気使わせてるよ!!
これ、多分お店の人はきちんと色々説明したと思うぞ。 勿論その物体の名前も、服用方法も。
が、そんな細かい所はぶっとんで、 「とにかく体にいい!」  というところだけが脳みそに刻み込まれたであろう斎藤さん。
いや、それとも。 実は噂を耳にして、野生の勘で、掘って見つけて来たのかもしれんよ。
ココホレワンワン。。てか?
まあ、とりあえず、朝鮮人参に関するツッコミは諦め、紙包みにブツをくるくる 収めてお礼を言う総司に、小さく頷き、少しほっとした表情の斎藤。
が、そんな斎藤を襲う第二の難関!

。。。話題がない。。。。

話が途切れて何ともいえない間が二人の間に漂います。。
もう、斎藤ってば膝の辺りに置いた手で落ち着きなく袴をニギニギ、体ソワソワ、 この空気にいつまで耐えられるか
、、って程居心地悪そう。  、、、な訳で10秒と経たずに横に置いた刀を握り立ち上がる斎藤。
はやっ。。。
まあ下手に話して空気まずくするよりは、、、、と、思ったら話し掛けてきた総司。
「。。斎藤さんは、何で見舞いに来てくれるんですか。。」
。。。来たら。。駄目っすかっ?
総司の素朴な疑問がつきつけられ、また潤み目→目を伏せ、のコンボでもって 何だか傍から見るとまたテンション下がったような斎藤に、慌てた総司のフォロー。
「い、いや、あの、う、嬉しいんですよ、う、れしいんですけど、 なんか、斎藤さんらしくないから。。」
フォローになってない気がする! つか、ものごっつ気使わせてる気がする!
が、正直で純粋すぎる総司の素直な言葉ゆえに、余計にこう、ずしっと来ますよ。  やはり総司にとっても 『斎藤像』 って、 やっぱり冷酷で人の生死なんてものには心は動かされない、そういうイメージなんだろか。  只今人斬りに悩み真っ最中だけに、ちょっと辛い一言にちらっと動揺の色を見せつつも、 しかし言葉は最小限に留める斎藤、
「。。。また来る。」
とだけ呟き、立ち上がり出て行こうと障子を開けた斎藤の背中に、総司の意外な言葉。
「私は斎藤さんのようになりたかった。」
思わぬ告白に訝しげな顔して振り向き総司を見下ろす斎藤。
「ずっと思ってました。 私は斎藤さんを尊敬しています。  決して奢らず、無駄口は叩かず、仕事はきっちりこなす。  私は。。。 貴方のような剣士になりたかった。」
それはもう、憧れと尊敬の篭った、、キラキラとした眼差しで見上げる総司。
奢らず黙って仕事する、それは確かに正しいけど、見舞いがらしくない、などと思われる、 総司のあこがれる 『斎藤像』 は、斎藤が望んでなったものではないはずだからなー。
斎藤は自嘲するかのような苦笑いをチラと浮かべて、
「やめとけ。 俺のようにはなるな。。。」
そこで龍馬に言われた「以蔵ににてる」という言葉が頭を過ぎったかもしれんですな。。
「だから俺は、お前を気にかけてる。」
そう言って尚も自分に注がれる総司の純粋な眼差しから逃げるように部屋を出て行く斎藤。。。
総司が斎藤へこんな想いを持っていたとはなあ。
すると以前浅野を逃がした斎藤に、 「殺気がない」 と怒ったように言った総司、 自分のあこがれる姿から変わって行く斎藤が嫌だったのかしらん、とも思えたりするわけですが。
斎藤に告白する総司の顔に、徐々に強いライトが当って、 とても眩しく光るんだけど、それは斎藤から見た総司のような気もいたします。  逆に、逆光の中、影になる斎藤の姿。  総司と斎藤はまさに光と影という相対する存在として描いているなあとは思っていたけど、 反発する対象ではなかったのだね。
光は闇に憧れて、闇は光を求める。 みたいな。 
斎藤もまた、光である総司をずっと眩しく思い、多分、密かに あこがれていたんじゃないかと思うっす。
そんな総司が、 まるで自分と同じ道をたどろうとするように、人を斬って行く姿は、 斎藤にしてみれば勘違いの憧れで、出来れば自分だって避けたかった世界に何故自ら足を踏み入れるのか 、そんな総司に憤りと疑問があって斎藤なりに気にかけていたのかな。。
人を斬りすぎて、龍馬が言っていた ”人斬りの宿命” を自分はきっと 背負ってしまっただろうけど、
総司はまだまだ間に合う、純粋な光であってほしいんじゃないかしらん。
とは言え、何人人を斬って血で汚れていても、斎藤の近藤に出会ってからの ひたむきな純粋な気持ちは汚れてないと思うんだけどね。

さて。 一応これでも総司より年下、、のハズの斎藤さん。
やはり人の年齢は生きた年月の長さではなく、その濃さで図るもんでありますな。 シミジミ。
とか思いつつも、容赦ない人参ツッコミに、ひとつとして返す事が出来なかった ボケっぱなしな斎藤、
もう可愛くて、そのときばかりは確かに年相応、総司より下に見えたりするんだなー。
刀を抜いた時の鋭い目つきと一変、こういう時に見せるキラウルした 黒目くりっくりの犬系瞳、戸惑うばかりで気の利いた言葉が出てこない、への字の口元に 胸きゅんきゅんでございましたともさー。。
この総司とのボケツッコミ、いや、ツッコミようがない斎藤のボケ具合
暖簾に肘押しボケ。 ぬかに釘ボケ。 馬に念仏ボケ、、、なんか違うな、まあ兎に角。
そんな天然ボケの斎藤さんに無理矢理突っ込んでも、 恐らく 「。。。。」 と戸惑いの表情見せるだけな気がするし。  あれだ。 関西人がツッコミ入れたときの関東人の返しの間の悪さだ、、ってそれも違うか。  ツッコミっぱなしってのも、コンビとしてどうかと思うし、、って何のコンビだよ。
けども、兎に角そんな妙にかみ合わない、総司との 『間』 が、何だか良かったりしてね。
もっと総司と斎藤のショットが沢山見たかったなあ。
藤原総司、今更だけど結構好きになってきております。  ずっと拗ねてる感じに、朗らか爽やか沖田のイメージが強かった自分は違和感を感じてたんだけど、 藤原君の繊細な部分が、病気になってイイ感じに滲み出てきていて、 人を斬っても斬っても、真っ白なままの沖田、、ってのが、 多分藤原君ならではの沖田なんだろうなあーと、凄いなあ、、と思うのでございますよ。

さて出て行ってしまったところで出番が終わりかと思ったらまだ続きがあって、ちょいと嬉。
刀を腰に刺しつつ廊下を歩く斎藤、角を曲がってふと見ると、この雪も散らつく 寒い冬に、 (って何時の間にか雪やんでるけども)  障子全開!! って。
その向こうには、 もはもはと焼き餅ほお張る元気一杯なお考ちゃんですよ。  もうそれは美味しそうに一心不乱に餅くう乙女。  その姿の向こうで、一瞬呆れたように立ち止まり、ずいっと乙女の横にしゃがむ斎藤。
近っ!! 斎藤さん、また近ッ! て事でお考さんウラヤマっ! 
てゆうか、 ユウカ何気にオダギリとの絡みが多いような。。 羨。
突然横に現れた斎藤に目まんまる、喉に餅つまらせるお考ちゃん。
そんな”おドジな乙女”に一瞥くれるだけで気にとめず、淡々と話し始める斎藤。
でもそんな一瞥であっても、横数十センチのところで頂けるならば、 餅でもダンゴでも喉に詰まらせますよ、ええいくらでも。
「新選組は方々から狙われている。 戸締りを忘れるな。  それから。 いざと言う時の逃げ道を作っておくように。」
それだけ告げて立つ斎藤、餅をお茶でやっとこさ流し込み、
「戸締りしたら逃げ道ないやないですか!」
と突っ込みいれて振り向くと、そこにはもうすっかり姿がないですよ。
まあ本当に、いきなり現れていきなり消えるのが得意な斎藤さん。  足音もなく消えた斎藤さん。 
はっ。。。。。どうしよう、縁側の向こうに落ちてたら。。。(笑)

にしても流石危ない道も渡ってきた斎藤、こういう事に関する細やかな 勘と指図は抜け目ございません。
そしてさっきのぎこちなさは何処へやら、妙に生き生きしてません?
余計な気回しのお見舞いよりも、こういう事してる方が肩の力が抜けてるってのも 悲しいかな、斎藤らしい。

ところでユウカちゃん、お幸の時よりもはるかにお考の方が似合ってるというか、 可愛いっすねえ。  断然お考ちゃんのがイイなあ。 お考やる為に無理矢理お幸をやったんじゃないか とさえ思える感じでございます。  いや、綺麗だったけど、可愛い狸顔(これも誉めてるですよ)のユウカちゃんには、 血色良くてすっぴん系の役のが似合うです。


さて慶喜様に直々に申し付けられて勇んで向かった二条城の警備、ところが そこには水戸藩が。
おいおい、ダブルブッキングかい。
元新選組がいると軍の士気にかかわる、等々と、顔に唾吐く勢いで、 近藤が黙って聞いているもんだから調子に乗ってわめき散らす 水戸藩家老の大場。 それをじっと耐えて聞いていた近藤局長、
「言いたい事はそれだけですか。」
「そうじゃ! 分かったらさっさと立ち去れ!」
自分では言い負かせたと思って近藤の前を通り過ぎた大場の前を立ち塞ぐ 副長と源さん。  行く手を阻まれ、更に庭の方に目をやると、ずらり並んだ ダンダラ羽織の新選組の勇姿、これがもう壮観でございます。  戦装備に身を包んで、もう湯気が出そうな位の高ぶる士気200%な一同、 ずいっと半身突き出し、水戸藩のオッサン(失礼)を思いっきり威嚇ですよ。  数々の修羅場を乗越えてきた気鋭の集団から、一斉にガンツケでございますよ。 や、もうカッコイイっすね。
漢と書いて男と読む! そんな勢い。
そしてそんな団結の集団のトップの近藤勇の反撃、これがお見事。
ぎっと大場を睨みつけ、
「我等は常に先陣に立ち、徳川様の為に命を張ってきた。  確かに何人の浪士を斬ったか知れない。  しかしその分、我等の仲間も死んだ!!  わが隊の規律を守る為に自ら手をかけた事もあった。  それもこれもご公儀の為!!  おわかりか。 貴方はそうやって死んでいった全ての者達を今愚弄した!!  ならば伺おう! 我等が命がけで戦ったこの5年、 お手前方は一体何をした!?  ご公儀のために一度でも命を賭けた事がおありかーーーっ!!??」
うおおおお、局長ーーーっ!! ワタクシ、泣きましたとも、鳥肌立ちましたともさ。
この近藤さんの言葉に、天を仰ぎ、巨人の星ばりの男の涙を流さずにおれましょうか。 
や、男じゃないけど、来ましたとも、もうぐぐーっとね。  もうね。 多分、この『新選組!』をどっぷり漬かって見ている人は皆そうだと思うけど、 既に新選組の一員として見てるわけですよ。 
気分はもう、画面に映らない新選組の1隊士なわけですよ。 
だからこそ、この近藤局長の言葉がもう、もうたまんないワケですよ。  今までの5年間の、過去の色んな人達の顔が、、浮かんでしまい、 香取くんの腹から出した迫力のある声と相まって、もう、
局長〜〜! やっぱり局長に付いて来てよかった!  などと、男泣き。 ええ、男じゃないけど。
『下の下』 だろうと、信じるものを疑わず、 何かに突っ走って行く男達は誰が何と言おうと、美しいっす。 
にしても香取くん、、いいね。  ホント、ここに来て、近藤にしか見えないもん。 本当スゴイっす。
そして迫力の局長の後に、今度は副長、、
「お望みなら、命のやり取りの仕方、お教えしますよ。」
って、、、キザ!!キザ過ぎるよう!!
だけどそれがまたイイんだなっ。
法度取締りの役目がなくなって、最近ちょっと影薄かった副長、やっぱりキメておかないと。
もうこの近藤土方見てるだけで、なんて濃いキャラクターの集団なんだ新選組、と改めて 思うデスヨ。 ファンが多いスターの集団ってのも頷けるってもんです。  実在の人物を見たことがない以上、小説なんかのイメージで作られた像になるのは、 やむを得ないというか当然の事、そしてまたこの大河でファンが増えたよね。  少なくとも今まで近藤土方沖田しか知らなかった人に、 こんなにも魅力的な人達がいた、、と知らしめたわけだから、いや、本当、 三谷さんの人選と役者さんの力にありがとうと、、しつこいほどに言っておきたい。

それにしても、このダブルブッキングは酷いなあ。  「その場の勢い」 で決めるなよ、慶喜@カマキリ将軍様。。。
結局二条城は諦め、伏見に行く事になり、それを隊士に告げる局長。
士気上がる新撰組、夕日に染まる誠の旗。
まさに勇ましい瞬間ですが、今までで一番大きな戦の伏見、、その先を思うと切ない。

ところで、人斬り鍬次郎。
公式のインタビューで知ったんだけど、 三谷さんは鍬次郎は斎藤にあこがれてるって設定にしたんだね。
それでか。 総髪にポニーテールの鍬次郎。 長さはまだまだだけどなー。
それでか。 こういう装備も、鉢金なんかも何気に斎藤と似てるような。
心なしかポーズなんかも。。。刀に腕をひっかけた立ち方だの似てるような。
それでか。 スタパ見学の際に何度も斎藤と見間違えさせた鍬次郎。 。。それは違うか?
。。。兎に角、そう思うと、ちょっと可愛いぞ、鍬次郎。
”ナンチャッテ斎藤”じゃなくて、”プチ斎藤”と心の中で呼び変えてあげたい。
まさか人斬りに躊躇しないのも、間違った憧れの末だったりしてなあ。。。 それは切ない。

■ 慶応3年 (1867)12月18日 京 ■

。。。ぞくぞくと 総司に集まる 朝鮮人参。。。。(笑)
見舞いに来た土方も朝鮮人参を持ってきてるよ。  しかしそれは、誰かさんと違って、こう、いかにも高そうな紫色の絹なんか敷かれた桐の箱に うやうやしく入ってて、恐らく高級品なんでしょうな。
「ありがたくいただきますけど、、、斎藤さんから貰ったのがまだ残ってるんですよ」
と誰かさんの持って来た剥き出しの朝鮮人参チャンをピロンとつまんで見せる総司。
で、更には近藤からも差し入れ。 流石の局長、籠にどっさり。。
同じ事考えて同じ朝鮮人参を持って来た3人だけど、そんな同じ朝鮮人参の 渡し方やら量から、それぞれの キャラクタがにじみ出てたりしてオモロイなあ。
いやしかし実際、この人参達、どうすんだ。 折角高級品持って来たんだから、全部食えよ、、総司。

で、斎藤の言いつけを守ってちゃんと ”逃げ道” 作って、 回りの不穏な雰囲気漂わせる男達に感づいたお考、総司の代わりに 布団の中に身を潜め、、沖田暗殺はどうにか未遂に終り、 勇敢な行動にはアッパレ感謝ではございますが、 これ、普通だったら勢いで布団の外からブッスリっといきますわなあ。
ある意味冷静な方達で助かりましたなぁ。

と、沖田暗殺は免れたけど、伏見街道で局長が撃たれたーーーーっ!
て所で”待て次週!”って、タイトルの中身が最後の数分とは。
今までにない大ピンチな状況、ハラハラドキドキな事件ではございますが、、 んでも、ちょっとこの血はどうなん。。。(汗)  血っていうより、、ゼリー状のまるでSF”ブロブ@『人食いアメーバの恐怖』”。
肉ばっか食ってたか、近藤さん。 そういえば、お寺間借りしてた時に新選組は 獣肉食いまくってたなんて話もありますが、いやそれにしてもドロドロ血液は 健康に悪いっすよ近藤さん。  スタパ撮影を見た時は、撃たれた所から まるで水芸のごとく血がぴゅーって勢い良く弧を描いて飛び出したりして、 思わず笑ってしまったから、まあ、それよりはいいかなあ。
この局長襲撃は、肩口撃ち抜かれつつも、暴れる馬を操って追撃を免れたという話もあって、 そんな勇ましい姿もちょっと期待してみたんだけど、 そうなるとロデオ張りの技術を香取君に求める事になっちゃうわけで、いくら香取くんが 多才とは言っても さすがにそれは、、危険だし、無理っすね。 とは言いつつちと残念。

今週は局長危機一髪ではあったけど、愛しき友が命を落とす場面もなく、 平助が散った後に一息つけて良かったす。。
来週きつそうだもんなあ。 近藤が狙撃された事への斎藤や土方の反応も気になりつつも、
何せ来週はタイトルからもう泣けと言わんばかりですもん。
今から泣いちゃうよ。うわーん。



                                                  二〇〇四年 十一月七日放送 



■ 其の三十三 第四十五話 『久しぶりに焦った!』 ■
ついにこの日が来てしまいました。。
これまでも沢山愛着の湧いた仲間達が逝ってしまって、その都度辛く悲しい気持ちで一杯になったけど、
密かに源さん大好きな私、かなりの覚悟で挑みましたともよ、ええ。
そもそも誰かが死ぬっていうのは、どうしたって悲しいもんです。  それが愛すべきキャラであればあるほど。
ので、死ぬこと=泣けるイイハナシ、っていう公式は嫌いなんですが、 脚本がしっかりしてれば、そんな安直な公式も越えた物語になるもんです。  脚本は素晴らしかった、、けど、、演出が、、むむむ? 
などと、 今回はちょっと愚痴なんかもいれつつ(汗)、、45話。

もうタイトルが 『源さん、死す』 ですから。  いつそのシーンがくるのかと、ドキドキ心臓によくないです。 
源さんが出る度に、祈る気持ちだったヨ。。 結果は変わらないのにね。
そうそう、トークショーで、 『将軍死す』 とタイトルがリンクしてて、 とても有難い事だと、小林源さんが言ってたっけ。。。  小林源さんはしつこくシツコク、今回は源さんの死よりも、 局長が撃たれた事が重要で大変でショッキングなのだと言ってたけど、 けどやっぱり、、源さんがいなくなるのは、嫌だよぅ。

浅葱色の羽織を血に染めて局長が何とか帰還。。。
篠原達ってば、撃ったあとすたこらさっさと逃げちゃってんのね(笑)。
  お陰で局長が撃たれただけで、他の隊士に犠牲はなかったようですが。。。

さすがに 近藤さんが撃たれた!  となると、会議にも珍しくあの方の姿がございます
何気にこんな狭い部屋でも、いる場所は柱っぽい?所だったり。 うんうんソコが落ち着くんだね。
「撃ったのはスノハラです。 あと一歩のところで逃げられますた」
。。。いや、好きだから! 島田のこの訛りが好きなので、そのまま書いてみたヨ(笑)
時を同じくして総司を襲ったのも、同じ御陵残党だろう、との報告も、 じっと下を向いて聞いているけど、、多分 怒りで震えていたであろう、土方。  突然ガッ、と刀を握って立ち上がり、同時に同じ気持ちの一同、 当然斎藤も弾けるように立ち上がり、もう殺気漂う特攻状態。
「どちらに?!」
源さんの問いに普段は冷静な永倉も鼻息荒く、
「決まっている! 局長の仇を討つ!」
  、、所でこのセリフの直前に、多分、 『許さん!』 って言ってるんだろうけど、 それが 『ぐっさん!』 て聞こえてしまうのはワタクシだけ?  立ち上がるぐっさんを誰かが戒めるセリフかと思い、、が、ふと、 ぐっさんちゃうやん!! 
。。。まあそれは置いといて。
「お待ち下さい! 今は伏見奉行所を守るのが、我等の勤め!」
必死にひとり、抑えようとする源さん。。。
「新選組の役目は局長の仇を討つ事だ!」
って死んでないし。
もう、何だかちょっと前の新選組に逆戻りしたような。
確かに今まで怪我なぞした事のなかった局長が、大事な親友が、かっちゃんが、 こんな目にあっては副長としてはキレるのも分かります、だがしかし、 局長が責任をもって頂いた仕事をないがしろにしてはいけないです。
土方は当然として、永倉までキレたこの状況に、忠犬斎藤が黙ってるわけございません。
いや、口は黙ってるんだけど黙ってない、、、ってややこしーな!、兎に角。
全く持って同意! てな表情で、キッと一瞥投げかけ、 くるりと背を向け、だれよりも早く部屋を出て行こうとする斎藤。
ええ、口が動かない分行動が早いですとも! 。。。が、
「斎藤早まるな!」
珍しく激しい源さんの声に、思わず立ち止まる斎藤。
そういえば、斎藤の源さんとの出会いは、羽交い絞めでしたなあ(遠い目)
「我等は上様の命でここに来ているのです!」
回りを見上げ、懸命に諭そうとする源さんだけど、
「それとこれとは別だ! 行くぞ。」
と左之助も聞く耳持っちゃくれない。 や、左之助はいつもこんな?
すっかり 『幕府召抱え新選組』 から、 『壬生浪士組』 に戻ったみたいですわ。
まあこの熱さが、新選組の原点でイイ所でもあるんだけども。
「勝手に持ち場を離れてはいかん!」
「源さん。。」
珍しく激しく叱咤する源さんに驚き、ちょいと戸惑い気味の土方。
「私とて許せぬ気持ちは同じだ。 しかし今は動くべきではない!  そんな事して局長がお喜びになると思うのか!」
普段温厚な人が怒ると効果抜群。  局長の気持ちを代弁するような源さんに、やっと少し頭が冷えて、渋々と腰をおろす永倉達、 が、鉄砲玉斎藤は出口ギリギリのところで立ち止まったまま、 まだ納得できない顔。 理屈じゃ納得できない気持ちが燻っておりますよ。。
ココで何故か、遠くから馬の嘶きがヒヒヒーン。。。?
まるで今すぐ飛び出して行きたい斎藤の気持ちを表してるようでございます。 
で、まだ動かない斎藤、、、源さんから出た 『待て』 の、 次の命令を待つ犬状態なのか、斎藤ワンコ?!
「斎藤。」
と、 『モドッテコイ』 の命令で永倉に即された斎藤、 口をへの字にして、とりあえずはドカドカ歩きで戻ってきてますが、 思い切り音させて乱暴に刀を置いて 『納得できねぇ』 アピール、 そして柱前定位置にムクレ面で着席。
怒りを押さえつけようとしてか、いつもの猫背が更に丸まり、 いつもより余計に小さく見えますヨ。。
だがしかし、 小さく見えても中身は恐らく大沸騰中でございましょう。。。
とりあえずは源さんが必死にこの場を押さえたものの、 局長の容態が 『命にはかかわらないが刀が二度と持てなくなるかもしれない』 と言う  山崎@本日は新選組お抱え医師 の一言に、土方の顔色はさっと変わり、 づかづかと真直ぐ山崎に詰め寄るその目、すでに理性飛んでます。 怖いです。
そんなキレた土方に襟首捕まれユサユサ揺すられ、怒鳴られても、されるがままで 真直ぐ土方を見つめる山崎って、結構なツワモノでありますなあ。
「ばかやろぉ、そんな事になってみろ!! てめえ切腹だぞーーっ!!
出たよ切腹!! そんな理不尽な!
とセリフだけ見たら笑っちゃいそうだけど、 法度は廃止とした土方が、何の罪も無い、、どころか 必死によくやってくれてる山崎にこんなセリフをかましてしまう辺り、 土方の狼狽と焦りが伝わってきて、痛々しいっすねえ。。。
「土方! 落ち着け!」
と、すっかりパニくる土方を呼び捨てで叱る源さん。
局長がいない今、頭より感情で動く連中を諌めるのは源さんだけが頼り。
近藤が中心にどっしり収まっていない時の新選組って、こんなに不安定だったとは。
気がつけば近藤局長って本当に大きく頼りがいのあるお父さん的存在になってたのだなあ、 と思うのでございます。

そして怪我をしつつも伏見へ行くと言う局長を説得する土方達。
痛々しい怪我をした局長を前に、斎藤は。。。
って、いねえよ、斎藤!! 
怪我した局長を前にした斎藤の顔が観たかったような、観たくなかったような。  。。。観たかったナァ。
「周平の事をくれぐれも頼む」
そう局長に言われた源さん。
そして廊下で周平を連れてきて、挨拶をさせる源さん。
「暫くお会いできないんだ。 ご挨拶を。」
。。。。うわーん。。。源さんは暫くどころか。。。 そういう先を見越して切なくなるのは嫌いだけど、今回は無理。
きっちりと、凛々しく挨拶をする周平を、 『近藤周平』 と呼んでやる局長、 それを静かに微笑みながら満足そうに見つめる源さん。
。。。。うわーん。。。源さん。。。
そしてタイトル。。。。ってこれからかよ! ウタマエ(@ほぼ日)ながっ!! 濃っ!
すっかりもう45話に入り込んでいたからなあ。  つかもう、タイトル前で胸一杯でくたくたなんですけど。。。

あれだけ近藤が、薩摩には手を出すな。。。と伏見へ行く土方等に言ってたのに、 江戸でついに薩摩のいやがらせに反応してしまった徳川幕府。  ついに戦争ですよ。  新選組、初のフル参加ですよ。
いつぞやの八・十八ではオハナバタケ警護のみ、禁門の変では気がついたら戦争終了、 と、まあ大きな戦は思えばしてなかった新選組。 しかも局長不在なんだよなあ。

■ 慶応四年 (1868) 1月2日 伏見 ■

戦フル参加は初めてでも、それなりに実戦を乗越えてやってきた、実戦に強い新選組が 提案する作戦。
けど ”こっちは数が多いからだいじょび!” なんて昔のイクサ世代ってば 聞く耳全く持たず。。。  幕府は一万五千vs薩長四千足らずとタカを括っておりますが、 刀で数歩近寄るまでに1人の銃が何発撃てる事でございましょう。。。
「新選組は血の気が多くて困るわ」  って、アンタら幕府の為に戦ってるのにムカツク一言まで頂きましたよ。 
平和ボケのすっかり弛んだ幕府軍。。
。。。にしても、重そうな立派な鎧軍団の中に混じる、浅葱色のだんだら羽織、 これがワクワクするカッコよさ。。。
幕府の古臭い鎧が公務員的武装に対して、実戦装備の軽やかさがそう見せるのもありますが、 羽織なんてモノは着ない方がむしろより身軽かと思いつつ、 それが団結カラーと言うか、まあ、暴走族やらチーマーの揃いの隊服だの特攻服だのって 感じで、そういうものにカッコよさを感じてしまうもんなんだよなあ。

刀より銃の時代の戦争、 しかし一番効果を発揮した ”武器” は、鉄砲より大砲より、菊の御紋の ”象徴”。
葵の御紋の時代が終わり、時代は菊の御紋!!ということで作った、  ”菊の御紋グッズ”。。。
まあ色んなものに菊の御紋をつけたもんです。
この勢いじゃあ、菊の御紋フンドシやら菊の御紋ペア茶碗とかありそうです。
もう、菊、散りばめまくり。 菊、咲きまくり。 菊満開ですよ。
そして最終兵器が 『錦の御旗』。 布一枚って。  部屋に飾ろうと思って作った、タペストリーって。
「これ使お。」
こんな布一枚で、こん〜〜なお気楽な一言で使った御旗でもって、 勝ち負け決まっちゃうんだからなあ。。
頭と布は使いようでございますなぁ。。。

■ 慶応四年 (1868)1月3日 伏見 ■

ガッシャンガッシャン鎧に身を包んだ会津の林権助。 
一歩ごとに埃が舞い上がりそうで、なーんかもう、蔵の奥から引っ張り出してきた五月人形かと。 
「いつの時代からやってきたんだよ」
と土方と一緒につっこみしつつも、 まあそんな新選組ですら、既に時代遅れなのが辛い。。。

暗闇に大砲の爆音が響き渡り、いよいよ始まっちゃった戦争。  ここまでバンバン撃ち込まれる銃弾の中にいる新選組、初だよね。。。  土嚢の影から銃弾の合間にぬうっと顔を出した組一同、 顔、すでにもう泥まみれ埃まみれ、 軽い色だとか馬鹿にされた浅葱色すら、いい具合に(涙)土色に染まっちゃって、 なんかもうエライ事になってますわ。。。

で、今回の斎藤、もうスペシャルでございましたよ。
『喜怒哀楽』 全てを観たような気がしますです。
順番の違いはありますが、そんな4つの斎藤を追いつつ、、 源さんとの別れを綴りたいと思う次第でございますよ。。

雨のように上方から降り注ぐ銃弾に会津は逃げ惑うだけ。。  そんなヘッピリ姿に呆れつつ、
「我等の好きにさせていただく!」
どさくさに紛れて主導権をもぎとった土方、 ここはもう捨てて退却しようと思ったら、、そこは ”血の気の多い新選組”  大人しく待ってることなんて出来るワケございませんヨ。
「ちょっくら暴れてくるからよ!」
「新選組の底力、見せてやる!」
もう間にも飛び出しそうな勢いで、様子を伺う左之助、永倉ら。
「いいかげんにしないか!」
と怒鳴る源さん。 なんかもう、今回本当に声荒げさせてばかりでスイマセン源さん。。
が、もうねコイツラ血の気多くて、溢れんばかりですので、少し怪我でもして 減らして来させた方がいいのかもです(笑)
そして永倉達より手前、妙に中途半端な位置に斎藤。  どっちなんだ。 行くのか。 行かないのか。
。。。行きたいんだろう。
「斎藤、力貸せ」
永倉に声かけてもらって、チョット嬉しそうに、がニヒル度も保ちつつ笑い頷く斎藤、 つかココで声かけてもらって了解って事は、まだ誘って貰ってなかったのでぃすね?  。。。そいでその微妙な位置だったのか。
誘ってくれてないけど、何気についていく。。。  やっぱりアンタは犬ですよ、犬コロですよ。 
で、水を得た魚の如く盛り上がり、飛び出していく新選組ヤンチャ隊、 コッソリ見つからないように静かに近寄るなんて事はいたしませぬぞ!  堂々と! ええ、堂々と、めっさ目立つ真っ赤な『誠』の旗を高々と掲げて!
。。。。なんておまえら無鉄砲。  いやでもカッコイイぞ。
うおぉぉ、と声張り上げて駆け抜けていく後姿、オープニングタイトルを思いだして鳥肌たったさ。
イクサは気合だ!!!!
。。。さっき武力がどうのと言ったがとりあえず撤回!
そんな新選組魂な連中を信じてる土方は、 余裕で見送りつつも、真顔で一言、ぼそりと呟くのですな。。
「源さん、この戦は俺達の負けだ。。 もう刀の時代は終ったのかもしれねえな。」
「寂しい事言わんで下さい!」
天然理心流の免許皆伝で近藤周助の兄弟子で、勇をよろしくと頼まれていた源さんとしては、 認めたくなかったろうけど、がっつり否定できない悲しさ。  土方は近藤が肩を撃たれ、刀をもてなくなるかも、そう聞いたときに、 薄々感じていた 『刀の時代の終焉』 を実感したんじゃないかしらん。。。  勿論土方の事だから、 刀の時代が終った事で感傷に浸る間もなく、次の新しい鉄砲の時代へ向けての 新選組の構想なんかも、既に考えていそうだけどもネ。
と、土方と源さんがたったこれだけの会話を交わしただけで、早くも特攻隊が引き返してきましたさ。
  飛び出すのも早いが戻るのもハヤっ!
「はやいな!」
と軽やかなツッコミも忘れない土方。
「うわーーーーこあいよおおおお」
叫びつつ戻って来た左之助ら、めちゃハイテンション。 
いわゆる、あれですな、なんとかハイ。 特攻ハイとでもいいましょうか。  緊張と興奮で、脳内麻薬でまくり、ナチュラルにぶっとんでおりますよ。
「花火みたいだったぜ〜〜!」 「いなかの夜祭を思い出すぜ〜〜あっはっはっはー!!」
。。楽しそうだな!
負け戦の空気は左之助らも多分、充分感じているんだろうけども、 だからこそ余計にはしゃいでいるのかもしれないね。  ただ負けてスゴスゴ帰るなんて、新選組らしくないっすもん。  おまつり、おまつり。 お祭っしょ。
で、格好の目印の尾関@旗持ち と一緒に、斎藤も無事御生還!
たたたと走って、土嚢の前の踏み台?を踏んで ホップステップジャンプ、とリズミカルに土嚢の山をひらりと飛び越える、 相変わらずの身軽さにホレボレ。。 義経役もいけそうです(笑)  。。。ていうかっ!
ジャンプした時に袴が翻ってチラリと見える膝小僧が、 めっちゃかわいいんですけどーー!!
広げた両腕も、跳ねるしっぽも、つかそのジャンプポーズがなんつーか可愛い。


で、ここらが斎藤的 
 from 喜怒哀楽』 (@SDP)
「お前大丈夫だったぁ?」
左之助に聞かれた斎藤、
「いやぁ〜〜!!! 久しぶりに焦った!!」
と誇らしげに羽織の袖を広げて見せると、そこにポッカリ二つの穴が。 あぶなっ!!  しかも右腕じゃござんせんか。 そんな所は局長に続かぬ様に!  けどメチャメチャ楽しそうな斎藤見てると何だか嬉しくなります。
「うはぁあああ! やるねえ!!」
ウケまくって穴に指を突っ込む左之助。  斎藤もニコニコ満足気。
「俺は3人ぶっ刺してやったよ。 お前は?」
それは聞きたい。 斎藤の戦果を是非聞きたい!  と、そこで薩摩の旗に気をとられてしまい、ここでの報告は聞けずに残念。
それにしても、久々に観た斎藤の笑顔。  でもって、あの斎藤がハイテンション!  こんな斎藤が見れるとは思わなかったナァ。
  今までもずっと、死ぬか生きるかのエッジを歩いてきたんだろうけど、 それらは全部1人で全てを背負い込んできたであろう斎藤、 こうやって 「仲間 」 と同じ方向を見て、局長のために 同じ羽織をまとって、同じ敵と戦う一体感が、 どんなに危険でも無謀でも、嬉しくてしょうがないんじゃないかしらん。。。  良かったねぇ、、斎藤。。
つか所で斎藤さん、 ”久々に焦った” 言いましたか? 
先日の沖田の人参ツッコミには、焦らなかったとでもっ? 
クールを装っていても、貴方の気持ち、いつもスケスケですからー! 残念!
。。。ホンット可愛い奴でございます。

いつもは冷静な永倉も薩摩の旗を奪って来て子供みたいにはしゃいじゃって なんつーか、オトコノコですな、、、皆。
で、永倉を島田が引き上げるエピソードがちゃんとある!! これはちょいと嬉しかったさ。
あのぐっさん永倉を片手でひょいと。 首、絞まりそうになってますけど(笑)
この力だと小さい斎藤なんかぴょぴょいですな。  ぴょぴょいは、、、ないか。 でも 病気でやせ細った総司なんか、肩に乗せちゃいそう。
引き上げた勢いでひっくり返った永倉島田、左之助、 「いってえええ」 とか言いながらもホンット楽しそう。
永倉の太もも全開でさり気にセクシーアピール?でございますが、 これがアノ人だったらなあ、、とか思わなかったり思ったり思ったり思ったりって思いすぎだスイマセン。

ここで 『』 の斎藤。
  もうね、スッゴイ笑ってるんですよ。 
こんな笑顔の斎藤は初めて見る感じでございますよ。
源さんと一緒に、永倉島田左之助のベタベタなズッコケシーン(笑)を見て、 大きく口あけて、めっちゃ笑ってる斎藤。
一瞬だけど、何度も何度もコマ送り推奨。
も、ホンットに最初の笑顔が最強。 すっごいイイ顔してるのですさ。
相撲の時はテレ笑いだったし、その後もたまに小さく微笑むことはタマにあっても、 こんなに心から楽しそうに笑う顔なかったもんなあ。  それが負け戦の奇妙なハイテンションの奇妙な一体感によるものだとしても、 源さんに身を少し寄せつつ笑ってる斎藤に、よかったねえ、、とホンワカするのでありますよ。
斎藤だけじゃなく、源さんも含め、他の周りの皆もね、本当にいい笑顔なんだあ。
切り取って飾りたい程、可愛くて愛しい場面でございます。
。。。こんな和みの風景も、、ここまでなんだけどね。。


■ 慶応四年 (1868) 1月5日 ■

伏見を出た後、淀城に入れてもらえず、千両松に陣を張る新撰組と会津藩兵士。  本来味方になるはずの藩が裏切りまくってるんですなあ。  あの部屋を飾っていたであろう、タペストリーな布キレで。。

様子を観て待機中の土方斎藤等に、源さんから握り飯の差し入れ!
源さん印のにぎりめし。。。いつ観ても美味しそう。  特に左之助が食べると、もうおいしん坊バンザイ状態!!
そんな旨そうな握り飯、他の人はすかさず手を出しゲットしてるのに、 斎藤ってば、全く興味示さず。
斎藤の野生の勘が、犬の嗅覚が、何かおかしい事に気付いたか、 じっとその視線は前方を見据えたまま。
だめだよ。 腹が減っては戦はできぬってね。
「斎藤さんも」
と源さんに即されて、やっと握り飯の包みを手にするけども、やっぱり気もそぞろっぽい。
他の皆も妙な空気に前方が気になっているみたいで、包みを受け取ったまま 前方を見つめてますが、左之助は気がつけばもう両手に握り飯、顔にオベント状態。。 。。。左之助の握り飯の包みを開ける速さは特筆モノですな。
「。。。随分、静かだなあ。。」
「。。。静かだ。。」
「怖いぐらいだ。」
「。。。奴らは何かを待っている」
「。。何を。。」
土方の言葉にちょっと不安げに反応する斎藤。  けど答えはなく、また不気味な静けさがあたりを覆うのでありますな。

一方、先の戦いで腕を怪我したとはいえ、水筒のふたも開けられない周平。  以前だったらそんな周平を罵倒していじめていた鍬次郎、水筒をとりあげ またイジメか! と思ったら蓋を開けて渡してくれたりして、周平&鍬次郎、 すっかり仲良しコンビになってますなあ。
その鍬次郎、ちょっと面白い声してるネ(笑)。  プチ斎藤くん、その声はまだまだ子供っぽくて全然色気がないなあ、精進なさい。。 て色気が大事なのかよ、ええ大事ですとも。

そこに握り飯を持って来た源さん、戦争の合間の和みのひと時。
いつも一人称が「私」の源さんが、「俺」って言うのはちょっと新鮮だったなあ。
周平を前にした時の源さんって、 お父さんみたいな大きさと暖かさがあるんだよね。
沖田の文字通り決死のスパルタ指導で、剣術の腕は上がったものの、 戦本番での勇気ってのは、実戦積まないとつかないものだもん、ましてや 必要以上の勇気持ち過ぎで無鉄砲な軍団(笑)の中にいるもんだから、 余計なプレッシャーやらコンプレックスがどうしても湧いてしまう周平クン。
「やはり私には戦は向いてない」
またちょっと凹み気味な周平を優しく励ます源さんが、とってもいいんだなあ。。
「それを言うなら俺だってこんな所にいる男じゃないよ。  俺はな、周平。 自分の人生がおかしくてしょうがないんだ。
試衛館の門人として一生を終えると、ずっと思ってた。  江戸の片隅で、平穏な人生を全うするって。
それが今じゃ新選組の六番組長。  こうして戦場で、薩摩と向かい合ってる。
自分の人生こうあるべきだなんて思わないほうがいい。  まずは飛び込んでみる事だ。
。。。いい言葉だなあ。 特に最後の言葉。  心に染み入るよ、源さん。 
自分は周平と近いものがあるんで(笑)、自分に言って貰っている気分でしたさ。
人生のメモ帳にしるしておきたい。
。。。。でも、、、ドラマで人生を語ると、死のフラグが立つもんなんだよなあ。。。

そこに静寂を破って太鼓の音。。 錦の御旗を掲げた薩長兵士の大行進。
なんだコレ、何だかバカにしてるようにすら思えちゃうわけですが大マジメ。。
「あの旗に向けて攻撃すれば、、我等は賊軍ということになる。」
「俺達が賊軍なわけねえだろう。 今までずっと御所を守ってきたんだぞ」
だよねえ。 新選組は馬鹿がつくくらい正直に真直に、ただひたすら ご公儀の為に尽くしてきて、何も変わってないのに。  尤も、変われないからこそ、時代からはみ出してしまうわけでありますが。。
しかしなんて便利なんだ御旗。 なんてやっかいなんだ御旗。
戦場に旗と太鼓だもんなあ。。。
薩摩の陰謀にしろ何にしろ、、、今までも天地がひっくりかえる事はあったけど、 ひっくり返される側に、ついに新選組も回ってしまったのですな。

そしていきなり一斉射撃ですよ。。 挨拶もナシかい! 。。挨拶はしないか。。
ちりちりばらばらに逃げて行く会津兵士、新撰組平隊士達。  情けない奴っと思いつつ、まあ逃げるのは至極当然の反応でございますなぁ。。  あの近さで、一本道で、真正面から幾重にも並んで、一斉射撃されたら、 流石に剛剣揃いの新選組であろうと、突っ込んだら蜂の巣必至。  旗があろうとなかろうと、、どう戦えと。
手も足も出ず、とりあえずほこらまで撤退。。。 ところが腰を抜かしちゃったのか、 1人逃げ送れ取り残される周平。
もう怯える小動物。 そんな小動物に向かって容赦なく発砲するなんて鬼だ鬼。
こんな時こそ、先日の無鉄砲さを発揮して欲しいところなのに、 一同ちょいと固まってしまってます。 そんなところがまだ若いのか。。
そして周平を救うべく、ひとり飛び出した、源さん。。。

うわーん、源さーん。。。

息を詰めて画面を見つめ、その源さんの最後の勇姿を見届けようと 息を詰めて画面を見つめていたさー。 
が、ちょっとちょっと? えええええええぇぇえ?
何故マトリックス?!!
って、泣き顔にならんとしている視聴者にツッコミさせないでくださいよううううう。。
突っ込む私が悪いのか。 突っ込ませる演出が悪いのか。
何故、なぜに今そのCGでございますか、NHK様。。。。
その瞬間物語に入りきって、組の一員として見守っていたのが、突如テレビの前に放り出されたような。。。
(以下ちょっと愚痴っちゃうヨ。
 池田屋で沖田が吐血した際の花びらも最初なじめなかったけども、 アレはあの時だけだったし、儚さと幻想的な演出は、まだ受け入れられたものの、  今回のは、ちょっと好きじゃないなあ。 放送後、公式HPにて、演出家さんの記事を読んで、 その気持ちと狙いは充分納得したよ、、、。  でもそれでも、個人的には、結果はちょっと興ざめしちゃう過剰演出に感じちゃったのは 残念ながら事実なんだなあ。 むむむ。  カキーン! が無くてもネ、あの温厚な源さんが、ひとりで飛び出し刀を抜き、 銃弾の中を走って行く、それだけでも充分、カッコよくて意外性もあって、感動的なんだけどナァ。。。  何度か録画を見直して、最初の「ええええっ?」って気持ちがなくなって、 少し冷静に見られる様になると、まあ大分気にならなくなったんだけど、 それでもやっぱり、それまでの流れからしても、普通に飛び出して撃たれた方が切ないし、カッコイイ、、 と、私はそう思っちゃったなあ。  最後にもうひとつスーパー演出があるだけに、ちょっとくどかった気がしますだ。。  勿論個人的な好みの問題なんだけどネ。)

とかちょっと思いもよらない演出に一瞬戸惑いつつも、 全身に銃弾をあび乍らも周平を庇って仁王立ちする源さん、その向こうの枯れ大木に ボッと炎が上がった時に、胸がギュウ。。
あの火のついた古い大木は、源さんの象徴なのかな。。
最後に火がつき勢いよく燃える大木。
刀を抜く源さん、仁王立ちで庇う源さん、火のつく大木、その炎をバックに 静かに倒れる源さん。。涙。

倒れた源さんを助ける為に飛び出す一同。
槍を投げつける左之助。  でかい流木を投げつける島田。
。。。その力と機転がほんの数秒前にあったら。。。 いや、、言うまいっ。。

で、、、でございます。。
源さんを抱きしめる土方、島田、涙で見守る隊士達。
うっすら目を開け、周平の無事を見て安心したように微笑み、 「近藤先生に、」 と言葉半ばで力尽きてしまった源さん。
源さんがいない新選組なんて想像できないよう。
魂が抜けないように強く抱きしめてあげてくれ、と号泣する島田。
「そんなんじゃ駄目だ!」
と力いっぱい覆い被さるように源さんを抱きしめて、 力のある島田がそんなにギュウッと抱きしめたら、 源さんの体から逆に魂絞り出しちゃうよ、、 とか泣きつつも心の中で突っ込んでしまった自分がイヤすぎ。。。 島田っていいよねえ。。。
そんな涙にくれる隊士達が膝を落として泣く 輪から外れたところで、立ち尽くしている斎藤。
まっすぐに睨むように見つめ、涙が零れ落ちる前に激しい慟哭。
何かがぶちっと切れたですよ。。
今までも仲間の死や様々な辛い事に遭遇しても、 それでもじっと悲しみを心の中で押さえつけてきたんだろうね。
けど、今回は、悲しい事だけど、それをぶつける相手がいるのは、、まだ良かったのかもしれないです。。
憎むべき相手が、、怒りと憎しみをぶつける相手がそこにいるわけだから。。
何十人といる薩長兵の前に単身飛び出し、 火を噴く銃弾にも全く怯む事なく、 叫び、
狂った様に斬って斬って、切り捲る斎藤。

銃構えて撃つだけの太鼓軍団は、 もう恐怖で一気にパニックですわ。
手前数人あっというまに斬り倒し、髪を振り乱して鬼のような形相で 突進してくる男にびびり、慌てふためいた前列が銃を構える余裕もなく、 ただひたすら逃げようと後退するもんだから、詰まった列はとたんに崩れちゃうわけですよ。
統制も作戦もぶっとんじゃってますさ。 大事な御旗を踏みつけて逃げ惑ってますさ。
死も恐れない、狂気と殺気の固まりのたった一人の特攻に、 誰1人と冷静に銃を構えるなんて出来ず、もうただオタオタ逃げるだけ。  だってこの斎藤、撃たれても撃たれても、 そのまま斬り進みそうな勢いだもの。。  そら、逃げますわな。 撃つ余裕なんてありませんわな。。
人を斬る事に戸惑い始めて、殺気が薄れかけていたのに、ついに爆発した斎藤。
押さえていたモノを全て吐き出すように雄叫びを上げつつ。
この叫び声がまた、、胸えぐられるような声なんだよなぁ。。。
悲しみと怒りでボーン!というのは良くある展開とはいえ、 今回は前半に和んだだけに辛すぎるです。
一気に、、
刀を抜いた時にこれほど感情を剥き出しに暴れる斎藤は見たことがないなあ。。  もう鳥肌ですわ。
それにしても斎藤凄すぎる。
戦は気合とは言え、無敵最強。
最初からその気迫で突き進めばよかったのか。。。
いやでも、御旗に刀を向ける事は出来なかったわけで、、って、御旗に刀、向けちゃったよ。 
刀向けたのは源さんのが先だけど、実際に戦いおっぱじめちゃったのは斎藤。。ってか(汗)
や、、源さんの仇だ。 誰も斎藤を責められまい。

しかし奥の奥まで、逃げ惑う薩長軍を追いかけて行ってしまった斎藤のその後が気になります。。。。
帰って来いよーーー。。



ああそれなのに、それなのに。
こんな風に命を張って戦ったのに、、、 心の底から幕府を思い、上様に近藤は提言したのに。。。
うむうむ、と頷き、さもゴモットモな顔して聞いていたカマキリ将軍慶喜様のご決定。
「江戸に帰る」
帰るのかよ!!!!!
まあ、したたかでございます。 その柔軟で人を食ったような考え方は実に今風なのかもしれんねえ。。。

まさか自分達を置いて上様が逃げてしまったとも知らずにいる近藤。
揺らぐ蝋燭の炎に、ふと顔を上げると、そこに源さんが。。。!
今度はスターウォーズ的大いなるフォースの力?! と身構える私。
じゃなくて、ま、、幽霊なんだけども。
これが小林さんが言っていた、最後にあっと驚く仕掛けだったのね。
鳥羽伏見で命を落としてしまう、地味な男、井上源三郎が、 いかにこの 『新選組!』 では皆に愛されていたか、、シミジミ思うこの展開。
最初は確かに 「またこんなファンタジーな演出?」 と正直戸惑いもございました。
が、、、もう、源さんの言葉のひとつひとつに。。。
最初はまさか幽霊と思わず軽く受け返していた近藤が、 ふと気付いて見つめる目に。。
もう本当に、涙腺全開。 うわーん。
多分、、死んだ源さんに、神様が時間を与えてくださったんでしょうな。 。。。って時代劇に神様というのもアレですが。
限られた時間で、懸命に近藤の体と、心を心配する源さん。
源さんらしい優しさと厳しさを伴った言葉のひとつひとつが、もうなんつーか 愛しくて悲しいのでございます。。。
ぽろぽろ涙をこぼし、慌てて手で拭う ”幽霊” 源さん。
「ばか。 死んだやつが泣いてどうする。」
と、小さく微笑みながら近藤に言われ、思わず恥ずかしそうに、ぺろっと舌を出した 源さんの顔が凄く好きだなあ。。
そんなときの表情が好きな三谷さんが、その顔を見せたくて入れたシーンだとか聞いたっけ。
そしてゆっくりと、深く頭をさげ、その姿のまま消えていく源さんが、 本当に源さんらしくて、切なくて、寂しかったよう。
観る度に自然とぽろぽろ涙が出てしまうんだよね。。
もう、CGも許す!
CGなんて越える小林源さんの、暖かさ溢れる最後の場面でありました。

。。。いつもそうなのだけど、誰かが亡くなる回ってのは勿論悲しくてしょうがないけど、
その次の回以降に姿がないのが、、何より堪える。。。
ましてや、最初からずうっと、傍にいた源さんが、 もうどこにもいないなんて、想像が出来ないよ。
やはり、もう新選組も、『新選組!』も、終わりに近づいているのだなあ。。。
淋しすぎるよう。。

斎藤の喜怒哀楽に一喜一憂しつつ、源さんとの別れに涙しつつ、 濃い、、濃すぎる45話でしたさ。。

それにしても、この鳥羽伏見のセットは見事でありました。
実際にスタパでガラス窓の向こうに大自然、、って言うと大袈裟かもしれないけど、 いや本当に、まるで外に繋がっているような木々や山や川を見たときには、びっくりしたもんです。
鳥羽伏見は絶対ロケだよねえ、 スタジオに林作って馬連れてきてドンパチしたりして? ってナイナイ! 、、なーんて、友達と冗談で言ってたのに、冗談じゃなくなってるし。
この美術スタッフの気合には本当に脱帽。 素晴らしいです。

最期に ◇今週の病床◇ (ってなんてイヤンなコーナーだよ)
今回もずっと床に臥せてばかりの総司の、 布団から出た足の裏、指に感動(笑)。
や、だってめちゃめちゃかわいいんですもん。 なんだろう、あの少年のような足の裏。
その足の動かし方なんかも、実に少年ポイけど、それも演技計算かしらん。 藤原くん恐るべし。

源さんの死で、もうなんか力尽きそうでございますが、 まだまだ。
最後の最後まで、ギッチリ見届けますとも。。
源さんも最後まで空から見守っていてください、と、手を合わせつつ。

                                         二〇〇四年 十一月十四日放送

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