■ 其の九 第二十話 『舞い上がっている。』 ■


いよいよお馴染みの揃いの羽織を誇らしげに身に纏い、大阪へ向かう隊士達。
。。。勿論探すのは斎藤の姿。。。が、見つからないうちに場面転換。  こりゃもしや、またハイビジョン映像の恩恵をあやかってない我が家のテレビ故?!  などとひんやりした気分になりつつも、なおも探す探す。。。とにかく探す。  誰かに被ってないかしらん。障子の裏かしらん。それともその荷物入れの中かしらん。。。 ていうか、アホには見えないのかしら。。 とガックリしておりましたら、いましたよ〜。
京都お留守番組に! 姿見えないはずです。
平助、沖田、そして斎藤。 年の若い子たちはお留守番ってコトすかね?  斎藤。。。ああ見えて沖田より年下ですからな。。。。  因みに多分この時、沖田が21、平助と斎藤が19。。
  じゅうくっ!!!??
や、年齢ってものは人生の波にもまれた分だけ、こう皺のように深く刻み込まれるものですからなあ。  色々あったですからねえ、ええ。。。 で、山南さんは30歳、子守り担当、、ではなくて、  ”芹沢の居ぬ間に近藤派隊士集めちゃえ大作戦 produced by 土方” を実行すべく、残ったのでございますな。
ついでに看板も堂々と取り替えておきましょう。

という事で、斎藤の姿を見つけて安心したわけですが、やっぱり彼は端っこにいますな。  用心棒等の数々の経験から、背中をとられないように端にいるのが癖になってるのかしらん?
ていうか余り端っこにいると別の意味で危険!  ウチのテレビ(非ハイビジョン)で見切れるギリギリですよ。  なるべく、もちっとこう、真中にお願いしますよ斎藤さん(汗)
平助と沖田と山南が受け付けしている横で、 ヒマそうに天然理心流のぶっとい木刀を手にとる斎藤。  シミジミ眺めてみたり、構えてみたり、と思ったら肩たたきにしてみたり。。。 って、あんたそれ近藤さんに見られたら怒られるよ(笑)

どうやら無謀にも50人もの隊士を集める気らしい。  八木邸では足りないとなれば、今度は向かいの前川邸を既に使う気満々皮算用の山南さん。。  もとい壬生浪士組。 前川さん〜〜逃げて逃げて〜!!

それにしても沖田くん。お梅さんに誘われて、「わたしですか、イヤ、デモ、」  なんていいつつ羽織脱いでるし。 言葉と行動が噛み合ってませんよ、行く気満々ですよ、分かりやすい子だなあ(笑)。  面白くない顔のひでちゃん、すっかり女の子の装いでカワイイっす。
「お梅さんは遊んでいるだけですから。」 と、むくれるひでちゃんを慰める山南さん。
「沖田さんは?」と更につっこまれ「沖田君は。。。」と言葉につまると
「舞い上がってる。」
って横から斎藤が口出したー! ああびっくり。 自分からこんな下世話な会話に入ってくるとは珍しい。
「純情な青年が性悪女に入れ込む。1番悪い形だ。」
ってアンタいくつデスカーーーーー?!
おっさんか。 その落ち着いたモノの言いようは一体?!
純情な青年って、まあ確かに沖田ってばチェリーボーイかよ! て位純情すぎる青臭い青年でございますが、
一応年はアナタよりお兄さんでございますよ。
。。。はっ。。。もしかして経験者は(以下略)てヤツ? 
斎藤は既に色々酸いも甘いも経験済みなんかなあ。。。貫禄つきすぎだもん。(笑)

と、そこにやっと待望の応募者がひとり。 勘定方河合くんの登場っすね。
しかし何とも頼りなさ気、いかにも弱そ〜〜な風貌。 モノ書くのに、目、近っ!!大丈夫でしょうか。
(そういえば、チラシ配りの場面っていうのも、本当は撮っていたらしい。 それは結局カットなのかな。。 斎藤も一緒に配ってたらしいので、見たかったなあ。。。 チラシ配りバイト斎藤(笑)

とりあえず、見かけはヘタレくさいけど、やってみなきゃ分からない。
て事で、立ち合いにて実力テスト。 お相手は平助が務めてさせていただきます。
つーか斎藤さん? 壁にもたれかかって、ものっすご、キザ立ちなんですけどっ?!
そこだけ、なんつーか、ファッショングラビアの香りがいたします。
   『爽やかな春の空気にも似た浅葱色の羽織に、覚悟を決めた武士の魂を込めて。
   袖を通さずにニヒルに羽織るのが、斎藤流。』

。。。そんなカンジのコピーでひとつ。
やや気だるそうな立ち姿、時代劇に無駄にフォトジェニック(笑)。 や、モッタイナイほど有難い事です。
余りに狙いすぎかと思えるポーズですが それがキマっちゃうからなあ、ちくしょーめ。 もう何頭身だよ、このモデル体型。 
ええ、いただきますとも。 ごちそうさまデス。

さて、そんなモデルな斎藤にばかり心を奪われてる場合じゃないですよ。大事な立ち合いを見なければ。。。
所が河合は平助の型を真似るばかり。。首をかしげて平助がおかしな型を取ってみればそれも真似ッコ。
 いっそ、竹刀をまたいでみるとか、鼻に突っ込むとか(無理)尻を掻いてみるとか(やりすぎ)。
どうにもオカシな立ち合い状態に、山南がチラリと斎藤に目配せすると、斎藤も片目細めて眉唾な顔。
うひゃあ、来ましたよ、ツボつきまくりの表情。   いいなあ、こういう顔。。ウットリ。。
んでやっぱり髭だね。  やっぱ髭あり斎藤いいなあ。髭バンザイ。
結局河合くん、隙だらけの脳天にぱかーんと一発喰らい、そして気絶。。。ま、そりゃそうだ。
それを見た斎藤、 「フッ」 と、、わ、笑ったー! 、 笑った笑った一ちゃんが笑ったー。
相撲大会で最高の笑顔を見れたものの、裏稼業等の暗い設定の数々に、
今後そう滅多に笑顔は拝めないのだろうなあ、と思っていただけに、喜びひとしお。
ま、「ダメダコリャ。。」な笑いではありますが、可愛さには変わりありません。  しかもちょいと色っぽいしネv。
こんな、間抜けだけども平和なひと時に身を置いて、笑う余裕が出てきたようで、 実は何よりもそれが嬉しいんだなー。



さて。期待はずれの結果にがっくりしてる所に、2人目の応募者が。  松原忠司、柔術の使い手だそうだ。  こんどこそはイイ感じかも?!と期待に山南と目配せした平助が 竹刀を取ろうとすると、その竹刀をはっしと掴んで、
「俺が行こう」
と、斎藤自ら名乗り出たー。 おっしゃー、来ましたよー、見せ場ですヨ! 斎藤先生!
そうです。考えてみたら、江戸の頃のヘタレな部分しか(テレビ的には)まだ皆さんにはご披露してないわけで。
先日も、久坂に先回りして刀を抜き、江戸にいた頃の俺とはひと味もふた味も違うんだぜ、な所を 見せるチャンスだったのに、
シリツボミだったしね。  なんたって、先週の殺陣ですよ。 裏ではコッソリあんなに鋭い切れ味の良い立ち回りをしちゃう斎藤ですからな。  ここらで山南さん初めとした皆さんにもその腕前を見せびらかしておきたいところでございますよ。
ええ、もう余裕です。。。。余裕。。。。。    の、 はず、 だったんだけど なあ。。。

柔術という事で竹刀を断り、えいやぁぁあああ!!と気合一発、素手で構えて向かい合う松原に、
「やりずらいな。。。」
と、ボヤく一ちゃん、おや、早くも雲行き怪しい雰囲気。。 いや、頑張れ一ちゃん。 期待してますともっ。
ジッと相手を見据え、一度踏み込むフリをして様子をみてみる一ちゃん。 中々素早い動き。 ヨシヨシ。
上段の構えでジリジリと間合いをとり。。。緊張高まる一同。。。
斎藤、踏み込んだ〜〜!振り下ろした〜〜!腕とられた〜〜!!
羽交い絞めいただきまーーーーーーーーーす!!!!

って、えええええ??!!
こ、これは前にも見たような。。。それも一度でなく二度、、これは、デジャブ??
。。。(遠い目)
。。。。あっという間の勝負でございました。
羽交い絞めにされ腕を後ろにねじられ、苦悶の表情、なーもできなかったですたい。
「それまでっ!!!」
山南の一声で、締めた腕から開放されヨロヨロとその腕から抜け出した一ちゃん。。。
頭ん中真っ白、目を泳がせ、、言葉もなく(そりゃ何も言えないわな)、 背中(とシッポ?)を丸め、
顔を伏せて目を合わせないようにコソコソ撤収。。。。
さ、寂しい。。。切ない。。ていうかもーう、恥ずかしい。。。なんでこうなるのさ。
そんな斎藤の気持ちなんぞ気にとめるワケもなく、 「是非我らと共に働いてくださいッ!」「ひとりでも決まってよかったですネッ!!」 と俄然盛りあがる山南と平助。
一方、縁側のすみっちょにぽつんと座り、 非常にバツが悪そーに、頭ポリポリ、思いっきり頭を下げて、
せいぜい自嘲するしかない一ちゃん。。。  まあそうだよなあ、わざわざ相手を買って出て、このテイタラク。
あんたって。。。あんたって。。めちゃくちゃ愛しいです。。。
ああ、またイイトコ見せられず。 いや、見てる方は、もう、かわいすぎてオイシすぎて、ニヤけちゃうわけですが。
ま、斎藤の腕を認めているからこそ、一発で勝負が決まってコリャ凄いヤツが来た、といえるわけだしネ。
。。。とフォローしてみたり。
しか裏だとあんなにカッコエエのになあ、強いのになあ。
きっと竹刀なんかじゃ本領発揮できないタイプなんだよね?
刀を抜くとがらりと人が変わって、殺人剣をご披露の斎藤一なのさ。 間違いない。
それもまた、オイシイじゃん!!! 
まあ、そう凹むな一ちゃん。(笑)

と、一ちゃんが庭の隅でいじけている間に算術が得意な上に、しかもお金持ちであるという事で、河合クン、採用!
「6畳と8畳が4部屋ずつあってそこに50人いれるとなると一人頭何畳になりますか」
「56畳に50人、ひとり1畳とほんの少しですね」「採用です!」キラーン、はやっ!なテンポに激受け。
ほんっと、それぞれがいいキャラクター立ってますなあ。

今回は斎藤ヘタレ再び、て事で、斎藤の場面は終了〜〜。ありゃま。
ま、登場時間は短く、せっかくの見せ場すらも、一瞬の出来事でありましたが(泣笑)
やはり美味しさ濃厚な場面だったので大満足でございます。  今回はヘタレラブリーテイスト
ありとあらゆる方向から、可愛さ・格好よさ・色っぽさ、と見せ付けられてる感じです。
もうオダギリ斎藤の魅力をかけらも残らず吸い尽す勢いですなあ(笑)、三谷さん? 心から、感謝感謝。


そして今回はねえ、鴨のことも少し。
芹沢鴨暗殺Xデーが近付き、芹沢もやりたい放題はじめつつも、 憎まれ役極める所か、やけに人間味がにじみでてきちゃってびっくりです。。  先日久坂をまんまと言い負かしたのに調子に乗って、今度は桂に直接論議対決挑むものの、見事に玉砕。  あの芹沢が論破され、言葉につまるとは流石、桂小五郎。  この人は頭がいいだけでなく、人の弱いところを瞬時に見抜いてそこを容赦なく責めるんですなあ。。 レクター教授@羊たちの沈黙 みたいだネ。(笑)
「その羽織、なんとかした方が。。」と着ているモノにケチつけられるのも相当屈辱。
ま、でも、確かに、佐藤鴨には妙に似合っておりません。。
何故か一人しっくりこない色。 着せられてる感がバリバリ。。 近藤は似合ってるんだけどなあ。
更に芹沢の片腕の新見すら、芹沢の限界を見切ったように肩をすくめ、ぼやき。  頭の良い新見には何もかも見えちゃったのかもしれない。 それでも芹沢についていくのが 何だか滅びの美学ってカンジで、新見さん、ステキだ。。。
酒の席で酔った芹沢が近藤に酒をぶっかけると、いっせいに反応する近藤の仲間達に対して、 「なんとかしろよ」と土方に目配せされても、諦め顔で、芹沢を止めようともせず無視を決め込む新見。。  結局芹沢にくっついている連中も、時に暴走する芹沢に萎縮してしまってる様子。。。
すっかりしらけちゃた酒の席だったけど、近藤の一声で、再び『多摩の踊り』で盛り上げちゃう、 江戸からの息の合った近藤一派、いや仲間達。  (しかし土方@山本くん、メッチャ歌上手い!聞き惚れたっす。本当に器用な人だねぇ。)
と、そんなツーカーな友情を見せ付けられて、鴨が鳴いてるーーっ、じゃない、泣いてる?!まぢで?!!  鴨の目にも涙。。 もうびっくらです。   三谷さんの芹沢への思い入れここに極まれりですなあ。 こんな芹沢見たことないっす。
「誰も信じネェし、誰にも信じてもらえネェ」
って芹沢さん、こっちが相手を信じないと、相手も信じてくれないのにな。  それもきっと、分かっているんだろうけど、芹沢。   誰かが手を差し伸べても拒否する、生涯ひとりぼっちのタイプだろうね。 せつないナァ。。。
近藤を認めようとしつつ反発するのは、対等にぶつかり合ってくれる手ごたえのある相手が欲しいんだろうなあ。
死に場所を常に探していたのかもしれない、といわれる芹沢鴨がだんだん浮き彫りになって来て、
いやはや、あっぱれ三谷新選組、佐藤芹沢でございます。

で、来週。力士斬り事件だけど、例の斎藤のエピソードはあるんでしょうか。
あると、、、いいなあ(笑)。

                                            二〇〇四年 五月二十三日放送 
                                           


■ 其の十 第二十一話 『俺のせいだ。』 ■

いきなり宜しいですか。大阪でも不貞浪士取締りに精出す『壬生浪士組』ですが
そ、その     ル な鉢がね は一体??!!
。。。もしやあなた方は、 壬生レンジャー?
思わず鉢がね占いしちゃうよ、みたいな?!
良かった。そこにあの人がいなくて。本当によかった。。。
とか言いつつ、レンジャーものなら、斎藤はやっぱり青かなあ。 いや、黒か? とか考えてしまったり。
表では派手な衣装で正義の味方『壬生浪士組』を華々しく派手に演出アピールして 裏で暴れるのは『誠忠浪士組』。
それも土方の作戦でしょうか。 けど、やっぱりその鉢がねは微妙でございます。。。


みんみん蝉が鳴く中待ちぼうけの芹沢一派。 。。このクソ暑い大阪で一体芹沢先生を待たせているのはどこのどいつだ!?

。。。 壬生浪士組
斎藤一でした 。。。

つか、腹痛斎藤やるんですかマジでっ。
 『クソ暑い6月、涼み舟で淀川下りを楽しんでいたら斎藤が腹痛をおこし、 舟を降りて歩いていたら、かち合った力士と乱闘に』 
て史実らしいのですが、 ニヒル斎藤に腹痛事件は無理だろうなあ、と思っていた、斎藤発表当初。
んが、三谷斎藤@オダギリってば、ニヒルに決めようとしても案外ヘタレでカワイイヤツなんで、 こりゃ腹痛オッケじゃん、大体三谷さんがこの人間くさいおいしいエピソードを逃すわけあるまい。  と期待していただけにニヤケてしまいます。


「まだ痛みますか」
「俺のことはいいから、先にいってくれ」
お腹に手を当て何とも中途半端な板間?でウンウン”苦しそう”にしてる斎藤。  顔歪めて青筋立てて。 顔真っ赤にして。。。
ちょっと色っぽいカモ。 でも、お腹痛いのなら、板間は余計冷えるよ。
「何か変なものでも食べたんじゃないんですか」  「当った時は食ったモン思い返して、最初に頭に浮かんだモンがそうだっていうよ。」  「きいたことないな」 「おれはそう教わったモン」 。。。等と、悶える斎藤を前に心配そうにしつつ、暢気なオシャベリの沖田、島田魁。
「芹沢先生がお待ちですよ」 といよいよ呼び出しも来ましたさ。
「俺のことは、ホンットーにいいから、飲みに行ってくれっ」
かなり切実に訴える斎藤。 傍で見守られても、治るわけもないし、ハズカシーし。
いっそ厠に飛び込んで、篭城した方がよかったんじゃ、、斎藤(笑)  。。。厠から声だけの斎藤出演。。。いやかも。
「斎藤さん置いてくわけにはいかないですよー」  「なあ、当ったときはさ、(以下略)」
てか魁のアドバイス、意味ないし。  しかし仮にも腹痛に苦しんでいる男に、この優しさは鬼ですな。無邪鬼な沖田。  腹痛真っ最中の男を飲みに連れて行くと。。。?
「しばらく、、暫く寝ていたら直る。。」
寝ていて直るんだ? 生理痛? そいやあ、オダギリ重いって言ってたしな。。(違)
唇かみ締めたり足落ち着かなくぱたつかせたり痛さアピールする斎藤。。 けどそんな斎藤を冷静に見つめる永倉と山南。
「とりあえず、行きますか」 「ああ」 と、訳知り風な視線で出て行く二人、その後を追いかける沖田、島田。
「元気になったら後追いかけてきてくださいね!」
「すぐにっ。。」
・・・・・・・・
そろーり、と様子を伺う一ちゃん。。。
けっ。。仮病かよっ!! って画面に向かって呟いた方、挙手プリーズ。
そう持ってきたかい、三谷さん。
。。。いや、良かった。(笑) いや、それならば正直に申しますと、 チョッピリ微妙な腹痛芝居だったからさぁ。
そうか。”斎藤さんの”腹痛芝居でしたか。 胸なでおろし。
それでも途中まで一緒に騙されたのがチョット悔しいぞ、三谷さん&オダギリよ。
そう思うと懸命に腹痛の演技をしていた斎藤が可笑しい。 ちょっと大袈裟すぎな演技(笑)
仮病ネタついでに、皆がいなくなって、イタタ演技ぴたりとやめた所に、 沖田が忘れ物ッとか言いつつ戻ってきたりして、 慌てて再びイテテテテなんてベタノリも見てみたかったぞ、って、 それは流石にやりすぎデスネ。。
しかし仮病って。 しかもお腹イタイって。 小学生じゃないんだから。 
そんなんでやり過ごそうとした斎藤、あんたって。。。愛しすぎ(笑)

皆がいなくなった頃を見計らって、しれーっと歩いていく斎藤に
「もう痛みは治まったのか」 と、後ろからの声。
信じられない、てな顔の斎藤。あの程度の演技で騙し通せると思ったのかしらん。 カワイイヤツめっ。
。。。それよか、長時間のダイ●ンちっくな熱演を冷静な視線で観察されていたのかと思うと、 イヤン、ちょっぴり、、ハジカシイ。
「表に待っている男は誰だ」  「壬生の屯所でも何度か見かけたことがあります」
と問い詰める山南と永倉。
しかしこの特に壬生浪士組でも冷静な山南、永倉の二人の前とはいえ、飲み会キャンセルに仮病使うという、 素朴な浅知恵の斎藤が、妙に子供っぽく、 また二人が高いところから見下すもんだから余計に 「ああもうバッカだなあ」 と、苦笑いしつつも、 可愛くて仕方ございません。
そんな斎藤、どうしたもんかと目を泳がせ、
「。。。昔の仲間だ。。俺が京の町をふらふらしている時に拾ってくれた。。。
小六と言って、あの界隈ではちょっとは聞こえた博打打ちの頭だ。」

「何故付きまとう」
「。。出入の助っ人を何度か引き受けた。。」
「何故引き受ける」
「恩がある」
「大阪へは何しに」 。。。矢次ぎ早な質問、ていうよりコリャ尋問ですなあ。。
「こっちにも縄張りを広げようっていう魂胆らしい。 地元のやくざと一悶着ありそうなんで、 加勢して欲しいと言われている」
「それでこれから行くんですか」
「あんたらには迷惑はかけない」
とカッコよく言い放ち、出て行こうと背を向ける斎藤。。
。。。。つか、、、斎藤さん? べらべら正直に全て語りすぎ。
「奴等とは手を切ってもらえませんか」
「そうはいかん」
「お前はもう壬生浪士組の一員だっ。」  そうだっ。 相撲だってしたじゃんっ。
「手を切ってもらえねば困るのです。 何かあった時に、近藤さんに迷惑がかかる」
さすが山南さん、伝家の宝刀、近藤さんの名前を出してきましたヨ! ところが斎藤たら、
「小六がいなければ、俺は野垂れ死んでいた」 ってあれれ?
「近藤さんがいなければ、あなたは江戸で捕まっていましたよ」
と言われて、やっと痛い所突かれた複雑な表情で振り向く斎藤ですが、、 そう言われたらそうだった。 て、言われて気付いた風でもございます。 をいをい、斎藤さん。
何よりも近藤さんへの恩が斎藤の中で大きいのかと思っておりましたのに。
新しい恩を感じると、恩が上書きされてしまうのかい?
何かにつけて恩は感じ捲くるものの、実は "恩のキャパ" の容量が少ない為に、 最後の恩が1番上に来ちゃうのか、斎藤?
一ちゃん。そこがアナタの 『新選組!』 での”土台”ですので、どうぞお忘れなきよう。
「くだらないやくざの諍いで、もうこれ以上その剣を汚すな!」
ぐっと来る永倉のセリフじゃございませんか。 いいひとだー。
結局永倉が、小六を説得までしてくれたけど、その場に斎藤は来ないのね。
  。。。確かに顔合わせると、また「恩」思い出しちゃったりして面倒だから連れてこないのが正解かもしれん。
っていうか今度は永倉に「恩」感じそうだし? 恩の節操がない斎藤(笑)
けど、あんな説得で、本当に小六が手を引いたのか疑問。 まだもう一悶着あるのかな。

と、そんなスッタモンダ越えてやっとこさ、ちょいとバツ悪そうな顔して二人に連れられて出てきた斎藤。
「斎藤さん、大丈夫なんですか」 信じきってる沖田に、答えに詰まる斎藤の背中を押すように
「治まったようだ。な!」 という、力強い永倉の言葉。
小六に対する責任や胸の支えが、仮病と共に(笑)すっきり過ぎ去った笑顔で、頷く斎藤。
そうそう、ひとりで悩みは抱え込まずに先輩達にもっと頼って助けてもらいなされよ。 一応1番年下なんだからさ。
永倉さんは、結構長く斎藤と共に生きていく関係だしね。 今後とも斎藤一を宜しくオネガイシマス。
。。。とは言え。
そんな先輩達のズバリ確信をつく尋問ではあったけども、 やけにあっさりと裏稼業の事を正直に全て吐き出しちゃって。。。
こんなんで、後の密偵が勤まるのかしらん、斎藤。。。
演技も結局バレバレでございましたからなあ。。。こんなんで密偵が(以下略)

 ◇一方壬生の八木邸では、増殖する隊士。 「また増えた」。。30人くらい。 一匹見たらその30倍は、、ってゴキか。
そういえば、看板も何気に仲良く並んで二枚看板。 先日ちゃっかり看板入れ替えたのに、 また基本の場所は『誠忠浪士組』に取られて、脇の柱に渋々打ちつけてる『壬生浪士組』看板。  看板の場所は譲ったけども、誠の旗作ったり、隊士集めたり、ステキな鉢がねデザインしたり(これはどうか)  着々とその『壬生浪士組』プロデュースの手腕を見せていく土方。 
いつも冷静に見ている新見も、流石に今回はちょっと声を荒げて対抗意識に火がついてましたな。
  。。。が、入ったばかりの新人さんは戸惑うってもんです。 『壬生』 なのか 『誠忠』 なのか。
「壬生だ」 「誠忠だ」 「近藤先生だ」 「芹沢先生だ」って、もう、 「どっちでもいいの」
。。。まるで某人材派遣スタッフサービスのCMですなあ。。(地域限定CMだったらゴメンナサイ)

 ◇で、土方のお肌がつるつるキメが細かく真っ白絹豆腐状態で羨ましすぎ、とか、  平助ってばありゃ女の子に全然警戒されずに恋の相談うけちゃって恋愛しそこねるタイプだなあ、  とか、 近藤先生、着実に浮気してますなあ、 とか、左之助何時の間にかマサちゃんとちょっとイイ感じ? とか 。。色々大変面白すぎるんですが、そこは置いておいて、斎藤さんオッカケカメラに戻します。

斎藤仮病事件でごたつく一同を置いて先に北新地へ向かっていた芹沢先生がまた一悶着やってくれてます。
橋でばったり、力士軍団と鉢合わせ。 どちらも道を譲らない。。
相撲取りが動かなきゃこりゃあ横をとおる隙間もありませんなあ。 みっちり橋に相撲取り。 。。暑ッ!!
蒸し暑い大阪の夜に、これまた暑苦しいったらありません。 そりゃあ芹沢もイラつくってもんですよ。。。
でも、まんまる関取、腕組できずに胸の前に手をばってんにしてるだけなのが妙に可愛いんですけど。
顔をポリポリしてるドラヘモンの様な手がやけにキュート(笑)
が、芹沢先生、そのプクプク関取にズバッと一太刀。 強いお相撲さんも、斬られた痛みはたまりません。。
その場は怯んで道をあけてしまった力士達も、関取が斬られてそのまま黙ってるわけがなく、 芹沢達が飲んでいる店に見張りをつけて、どうやら仕返しの機会を伺っている模様。。。。
山南達が力士の動きを気にして様子を見ていると、
「相撲取りが一人腕斬られたくれぇでガタガタ騒ぐんじゃねえよー。酒がまずくなるじゃねえか」
と、事の張本人の芹沢は一向に気にしちゃおりません。 ま、芹沢ですから。
ところが、思いも寄らない所から、すっごーい気にしてるお人がおりますよ。
「俺のせいだ。 俺が皆を引きとめてなけりゃ、相撲取りと出くわす事もなかった。。」
はい、壬生浪士組は斎藤一さん。。。 いや、関係ないから。自意識過剰だから。
ったく、ソコで責任感じますか?斎藤よ。。。 タラレバで物事考えていたらキリないっすよ。
まあ確かにあのヘタな小芝居タイムは、結局時間の無駄だったかもしれないヨ。。。   でも、ホラ、お陰で小六との腐れ縁を仮止めかもしれないけど断ち切って貰えたじゃないすか!  ね、何事も、もっとポジティブに考えて行こうぜー、一ちゃん。。。

内山彦次郎がコレは浪士組をこらしめるチャンス、とばかりに力士を煽りまくり。
せっかく筋を通そうとした親方の言葉を無視し、六角棒を手にして押し寄せてきた力士達。
「20人もいるのかよぉ」 と、相変わらず平山はびびっていい味出してます(笑)
腰抜け、といわれて顔色変わる芹沢。 結局煽られやすいんだな。
まずは芹沢が飛び出し有無を言わさず、熊次郎@舞の海を斬り下ろし。  スペシャルゲスト舞の海、哀れあっさりご臨終。。。
それを皮切りに、乱闘開始。 様子を見ていた芹沢派の平山、野口、 何時の間にか芹沢の腰ぎんちゃく状態でワッルイ顔になっちゃった又三郎が飛び出し加勢。
まあ、そういうのは芹沢派にさせておいて、我慢しなきゃね、近藤組は。。。
ところが、バシッと床を叩いて、立ち上がる斎藤。
「斎藤さんっ」制止しようとする山南だけど
「俺のせいだ」
と呟く斎藤の目、既に思いつめすぎてイッチャッテます〜。 あーあ。  だから違うって。。。責任感じるところが違うって。。
なるほど、この無駄に強すぎる責任感のせいで、あちこちに思い込み激しい恩が出来、 身動きできない状態に陥る、
そんな人生なんだな、斎藤一。  転がった棒の切れ端にも、道を横切るネコにすら、責任やら恩を感じそうな勢い。
もちょっと、こう、気楽に生きてください。

。。などと思っている間にも唖然とする一同に目もくれず、斎藤はがしがし歩いて出て行っちゃうし。
結果、近藤派も参戦するハメに。 その責任はどうなんだ、斎藤。。。
責任感じても、仲裁に入るとか、そういう方向には絶対働かない斎藤脳。
永倉達が出てくると既に斎藤は抜刀済み。 
その横に現れた永倉が  「殺すな!」 と一言かけると、頷いて、二人並んでチャキッと刃を逆に。
や、この二人の動きとカットが、かなりカッコイイっす。 いいねえ、ナイス2ショ。
こういう殺陣の見栄というか、魅せる動きというのがちゃんと分かってるのか、 キュッと痺れさせてくれますなあ、オダギリ斎藤。
逆刃の刀で一太刀受け、振り下ろされた角棒の下を潜り抜ける身軽な体のこなし。
ばさばさと揺れるポニーテールがまた、絵的にかなり、ツボに来ます。
いいなあー。。ポニーテール総髪でよかったなあーv  とシミジミ思う一瞬でございます。

とりあえず、大騒ぎにはなったけど、死者は結局最初に斬られた熊次郎だけなんだねえ。
抜刀した芹沢がもっと斬り殺しまくるのかと思ったけど、ちょいと意外。
逆に、初めて人を斬った沖田は妙にワクワクしちゃってますよ。あいたた。
「あの。。わたし、、初めてだったんですヨ」
唐突に話し始めた沖田の言葉に、俯いて何か思案顔だった斎藤がふい、と顔を上げ
「なにが」 と聞くと、
「人を斬ったの。。」 と、モジモジ嬉しそう。。
「そうは見えなかった。」
修羅場を何度も見てきた斎藤だから、剣の腕前もわかるんだろうけど、 まさか人斬り童貞とは思っていなかったようで、
ちょっと複雑な不思議そうな表情。
「結構、血って、出ないものなんですネ。」
「急所を外せば、血はでない。 だから達人程、返り血を浴びない。」
いつもの癖で髭を触りつつ、呟く斎藤。
一瞬、チャンバラ素人の私は混乱したけども。。急所を狙うのが、 達人ってわけじゃあないんだねえ。 斬る=殺すって事ではないんだなあ、と妙に目から鱗状態です。  相手の戦意を消失させるのが先決なんかなあ。 命奪ってナンボじゃないんだね。 へえ〜〜。
。。。けど、実は脂肪が邪魔して血が出なかったんじゃ。。。
達人かも、なんて誉められて、エヘヘなんて笑ってるよ沖田。 うーん、困ったもんだ。
「総司っ!武士は人を斬って喜ぶもんじゃないっ」
と永倉さんが一喝してくれたけども。。。多分、斬りたくなくても斬って生きてきた斎藤は尚の事、 かなり複雑な思いがする総司の浮かれっぷりだったんじゃないかしらん。。。

。。。。で。
「お前たちは何をやってるんだッッ!!」
。。。おこらりました。。。。そりゃそうだ。
後から来た近藤、思いも寄らない状況に、激怒。 怒りに震える拳を握り締め喝っ。  山南、永倉、魁、そして斎藤。。 並んで正座して、先生に怒られてる生徒状態でございます。
いつも自信なさげで、頼りない感が否めない近藤でしたが、今回のこの怒りの近藤は中々の迫力。
しかし結局斎藤、責任感じた結果がこれだもんなあ。 今日は厄日だ。 何をやってもうまくいかない。。 ウソはばれる、自分の責任で乱闘にはなる、あげく怒られる。。。トホホです。

奉行所へ一緒に行く行かない、とでまたもめる近藤と芹沢。
結局手回し良く山南が用意しておいた届け出を、山南を引き連れ届けることにした近藤、
「あとは頼みます、源さん。」
と一言残し、相変わらず 「反省」 状態の斎藤達を一瞥。 が、言葉はなく。 怒りがびりびり伝わってきます。  それを見送る正座中の斎藤の背中が、寂しそうというか、所在無さげでございますよ。。。
それはもう、 「反省」 「後悔」 「責任」 「恩」 「ばかばか俺のバカ」、、、 等が渦巻く斎藤の心中でありましょう。
先ほど少し気になった沖田に関しても、 芹沢に慰められてやけに懐いていようと、相変わらず人を斬った事に浮かれていようと、 もはや斎藤の知った事ではございません。  ひたすら心は内側に内側に。 ただただ、己の愚かさに反省するのみでございます。。。
何気に源さんの後ろにピント外れてずっと俯いてしょんぼり凹んでいる斎藤がかわいすぎです。
怒られた沖田に人斬り祝い?の杯を渡す芹沢。「近藤の言う事は気にするな」
「気にはしてないですけど」て、少しは気にしろよ沖田っ! 近藤が怒っていたのは人を斬ったことじゃなくて、人を斬って嬉しそうにする事だろうに。。。 まあ、近藤にはいつも子ども扱いだもんだから、いっぱしの大人として扱ってくれそうな芹沢に懐くのも、 思春期なら仕方ないことか。。っていつの思春期だよ!
そんな沖田に不安と怒りの混ざった視線を向ける源さん。。。
源三郎は悲しゅうございますっ! と源さんの気持を代弁してみたいっ。
   試衛館時代、無邪気に一緒に遊んでいた沖田はどこへ。。。
なんて、ちょっぴり切なさ漂う場面ですが、源さんの後ろにまたボヤけて入った斎藤を発見。 。。いや、ほんっとにかけらなんですよ。 カケラなんですが、 何故か妙にキレイなお顔してたりして、見とれてみたり。。 見とれるヒマもないカケラですがの。。  (いや、本当〜〜にカケラ。 コマ送りでも一瞬です。)
凹んだ斎藤てホントカワイイよねぇ。 ぽわわん。

ヘタな策など練らずに、ストレートに謝る近藤、 勿論その実直さが相手の心を打ち、今回の事件が手打ちにて解決になったわけですが、 どっちかっていうと、「大したお人」 は親方の方だよねえ。 器が大きいよ、親方。 
私なら親方について行きます。。 て相撲部屋に入るのかよ! 、とか言わないようにプリーズ。
山南の報告も、背筋ちゃきっと伸ばして 「猛反省」 な神妙な顔つきで聞く斎藤。
とりあえず、解決してホッとしたでしょうか。 これでまた、近藤に「恩」上書きで丁度イイか。

つか、ずっと芹沢の近くに陣取る沖田、お前はすっかり芹沢派か。
誰か沖田をなんとかしてください。。。 いい子だったのになあ。

今回は斎藤の 「恩」 「責任」 に関する思考回路が垣間見えるお話でした。
わりと単純でした(笑) まじめすぎるんだよなあ、一ちゃん。。。

                                            二〇〇四年 五月三十日放送 


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