■ 其の十三 第二十四話 『この話には深入りしたくない』 ■

。。。貴重な数分、、いや数秒?(寂笑)


もー我慢ならんっ! いいかげん、芹沢をナントカシロ!!(怒怒怒)
…と前回に引き続き、 今回も会津藩広沢様からのお小言から始まる新撰組!。  さすがにもう放っておくわけにもいかなくなった近藤派一同、 こっそり集まり、密談でございます。

芹沢を排除すべしの流れに渋る永倉も、芹沢一派の会津藩の名前を使っての悪行三昧と、 再三会津藩直々に芹沢の処置を迫られている事を聞くと目を丸くしてひとこと、
「知らなかった。。」
よっしゃ、ここぞとばかり、
「芹沢がいると、壬生浪士組そのものが危ない。」 とズバリ言い放つ土方。
で、肝心の近藤さんは、黙って目を閉じるだけ。。いつものことです。

事が事だけに、一応正座して (左之助だけはあぐら。ま、あのキャラだし)  神妙な顔つきの一同。。。 んが、斎藤さん。 
皆の輪からちょっと離れ、つか、ひとりだけ部屋の敷居またいで向こう側。  犬だから? 犬はあっち??(笑)
。。。いや、部屋が狭いからだ、そうに違いない。
 それにしても斎藤、襖に背中をもたせて片膝立てて、皆の方を見ることもせず、 視線は手遊び中の自分の指先、 こりゃ全く
話し合いに乗り気ナッシングな意思表示ばりばりの態度でございます。 
ようやっと、口を開けば、ややウンザリした口調で、
「で、あんたらはどうしたい」
ざっと一同の視線は斎藤に。
「芹沢さんに浪士組を離れていただくよう、説得します。 あの人には、あの人を慕う人々がいる。
 その場合、ひょっとすると、浪士組は二つに分かれるかもしれません。。。 芹沢組と、近藤組。。。」
そんな山南のちょいと気の重い発言にも、何故か嬉しそうな左之助。。 は放っておくとして。。(笑)
深刻な表情になる、一同、そして斎藤。
「。。。。説得に応じなかった時は?」
「斬っちゃえばいーじゃねーか」
「左之助さん!」
と源さんにたしなめられちゃう左之助が、1番正直だよねぇ。  裸の王様をはだかだよーん。と笑って指差す正直者。
「だって、ゆーこと聞かないんだったら、斬っちゃうしかネェだろォ?」
そんなやりとりを横に、黙って立ち上がる斎藤。
「この話は深入りしたくない。」
と、いちぬけ宣言。 けど、土方はそれを許しませんです。
「壬生浪士組の行く末がかかった大事な話だぞ。  近藤さんには、がある筈だ。
おっと、痛い所突いてまいりました。 光り輝く 『近藤さんの恩』。
土方、斎藤がココにいる理由はあくまで近藤への恩と忠義心で、 しかも相当義理堅いという事はしっかり掴んでおるんですな。  新選組もとい近藤の為に、すでに手持ちの駒は恐らく全て把握しているであろう土方。 さすがです。
今後も何かにつけて 「恩があるはず」 って言われちゃうのかな?
それとも 「恩」 と言う餌なしに、黙って新選組の為に自ら進んでイヤァな仕事も請け負えるようになるのかな。
その辺りの今後の人間関係と展開も気になるところですが、 とりあえず話を戻しまして。

『近藤の恩』 をストレートに突きつけてきた土方に対して、山南さんは、
「あなたを江戸から逃がす手筈をつけたのは、確かに芹沢さんだが、アノ人は金で動いただけだ。  あの人に、義理立てすることはない。」
と、優しく(笑)斎藤がどっちにも積極的に動けないもうひとつの理由の方に気を回してみたり。
この近藤の右脳と左脳とも言える二人、中々のコンビネーションなんだけどなァ。
ていうか、斎藤の立場って、すっかりバッチリ皆にバレバレでござんすな。
口数少なくても分かりやすい男、斎藤一。。
が、そんな説得?に、一瞬戸惑いの色も目に浮かんだものの、
「決まったことには従う。」
とだけ言い、結局部屋から出て行ってしまいました、斎藤。。
 何も出て行かなくても、、斎藤さんてば。
  や、せめて会議を聞くだけでも。。。。斎藤さぁん。
   聞きたくなければ脳内音楽に集中していただければいいのに斎藤さぁぁん。
    貴方の姿がないと寂しいんだってば、斎藤さぁぁぁぁん。。。。


そして。
局中法度完成! 「オマエシヌデー」とオウム。  まんまと新見嵌められる。 新見、法度に背き壮絶切腹死。  沖田お梅を寝取って芹沢にボコボコ。 次は俺だと怯える芹沢。  近藤さんは相変わらずうじうじ、美雪太夫に愚痴愚痴。
さて、来週の「新選組!」は?ンガング!(若干違。)
って、終りかよ!! 。。。斎藤さぁーーーーん。

てなわけで今週は一の、いや 『初めの5分』 でカタが付きそな斎藤レポ。 とか言いつつ続きます。。

ヤクザだ組だの対立いざこざはもう嫌ッちゅう程見て、人を斬って、 先日小六との腐れ縁も、(一応)切って貰って、 やっとココでは落ち着いて御忠義の為、もとい近藤さんの為 に堅気に生きていける と思っていたのに、 結局ここでも内部抗争とあっちゃあ、そりゃガッカリウンザリでございましょう。
一見、民主的に(笑)会議の形を装っておりますが、どうせ土方の腹の中は既に最終決定済み。。 なんて事に、斎藤は気付いておるのかもしれんです。
で、最小限の言葉と、行動で、少しだけ 『そのやり方』 に反抗、そして退場。

まあどちらにしても、今回はここで斎藤の出番は終了。 お疲れさまでした斎藤さん。
そうとは知らずに最期まで、画面の隅々まで目をこらした斎藤ウォッチャーの皆さんも 、お疲れ様でございます。
しかし長い大河ですから、そんな時もございます。 オダギリも、忙しいことですし。(笑)
これもまた、斎藤らしくて宜しいんじゃないでしょか。 ま、負け惜しみじゃないよっ。
梅雨の中休みのごとく、少しまったりと今後の為に、力温存しておきましょう。
ドキドキワクワクキュンキュンするのも、体力使いますからなっ。(負け惜しみ)
それに今回はさらば新見錦スペシャルて事で。
斎藤の出番は少なくても、濃〜〜〜〜くて、面白かったからヨシでございます。

いやーもう、新見の最期、あっぱれカッコよかったですナァ〜〜〜。
嵌められた時のひきつり青醒める顔といい、最後に見せる不敵な笑みといい。 よいわぁぁ。
芹沢派から浮いてきていた新見の心のスキを逃さず、ちゃっちゃと罠に嵌めてしまう土方と山南の本性。
平和主義のほほーんな近藤派が、 まさか自分を罠にはめて抹殺しようだなんて思いも寄らなかったろうねえ。 油断したなあ、新見。  裏から裏から、手を回し、仮にも”同士”だった相手を完璧に陥れる土方山南の悪知恵働く頭脳プレーからすると、 芹沢達のストレートな悪事って、ある意味カワイイもんだわね。。。  まんまと罠にかけた上に、目の前でベタベタの棒読み猿芝居をかます 二人の妙な余裕、さぞや新見も恐ろしかったのではなかろーか。。。
ええ。「新選組」の正体がチラリチラリと見えて参りましたよ。

しかし、あそこでその場ですぐ切腹させちゃうとはなぁ。  どうせ新見が切腹拒絶して暴れたところで、控えていた島田達も加わって、 バッサリ殺っちゃうつもりだったのだろうけど、要領よすぎ。
  主人(近藤)が帰って来る前に、ちゃっちゃと終わらせとかなくっちゃねv、って 家事じゃないんだから。
。。。ところで、介錯はしてくれたんだろか(汗)? 
どうも、新見が腹に刀を突き立てた時も、あの二人、 離れたところにどっしり座ってみているんだよネェ〜〜。。 
事切れるまで、じっと見ていたのだとしたら、コワすぎ。。。まさに修羅場だわ。

で、介錯ナシの切腹なんて、簡単に死ねなさそ〜。。思いつつ、 チョット 調べてみたところ、、、
以下、ちょっとだけグロいネタなので、色落としときますネ。
。。一人で介錯なしの切腹するときは、 裂いた腹から自らの内臓を引っ張り出して朽ち果てるのだそうな。 ぎゃー。。。  痛いなんてもんじゃないよ。 それだって、すぐ死ねそうにないじゃん。。 苦しそうだよなあ。。ていうか、グロっ。。。 
更に切腹は横一文字でなく、最期に上のほうにググッと切り上げたり、一旦刀を抜いて 今度は上から縦に下ろして十字に切ったり、 ひー。。。。 横一文字だと、傷が閉じてしまうからかしらん。。。 色々読んでいたら、段々気が遠くなりましたデス。 昔の人ってスゴイね。。。(汗)

部屋から出てきて、ちょっと鬱な顔してた山南さん、新見を罠にかけたことへの後悔じゃなくて
目の当たりにした惨状で気分悪くなっちゃったんじゃ。。。(苦笑)

いやしかし。 相島新見錦、よかったです。 私の中の新見は、あれで決定。 合掌
              
で、来週は斎藤の出番増えるかな。。。って、来週は芹沢スペシャル?!!

                                              二〇〇四年 六月二十日放送 


                                           


■ 其の十四 第二十五話 『俺は芹沢さんを守る』 ■
  ※はじめの注意 無駄に長いっす。すんません。大汗小汗。※

新見を切腹に追い込んだ事を後で知らされ、当然激怒する近藤。
騙したことは士道に背いた事にならないのか、お前は切腹しなくていいのかと 土方を責めるものの、
「お前が切腹しろと言うなら切る」 って開き直られちゃぁね。
そこまで覚悟の上なんだろうけども、 近藤がそういう事できないから怒っているのを逆手にとって言う土方、ずりぃなぁ〜〜。
もはや近藤にはどうすることもできませんな。
こうやって近藤のため、組のため、、、と、段々おかしくなって行くんだなあ。
新選組、らしくなってまいりました。。。

ほいで! 前回、芹沢暗殺計画にひとり小さな反旗を翻して退場したばかりに 殆どチラ出だった斎藤、果たして今回は?
お梅のお酌で酒を飲む芹沢の向こう、入り口付近にポツンと座る猫背な後姿発見。
つかなんでそこにいるの? 神出鬼没それが斎藤。
「なんで斎藤さん連れてきたん?」 と不思議がるお梅に、芹沢、
「用心棒代わりだ。」
用心棒ときたか!!
 。。プチ反旗どころか、芹沢の用心棒請け負っちゃいましたか斎藤。  ある意味、分かりやすい(笑)。
「柄にもなく長生きしたくなったかな」
刹那的振る舞いでまるで早く誰かに殺してくれと言わんばかりだった芹沢も、 ガキの集まりのようだった近藤一派がいよいよ本気で 邪魔者排除に動き出したのを見て若干怖くなったのでしょうか。
  で、沖田の次は斎藤?  近藤側の人間を傍に置いておくことで身を守っているのかしらん。
けどべったり近くにいた沖田と違って斎藤は、 用心棒と言われたら用心棒の仕事を全うするのみ。
二人のお邪魔するなんて無粋な事はいたしません。 (まして寝取るなんざ。笑)
距離を置いて、出入り口で目を光らるのがお仕事と言われたらそれをするまででございます。
こっちへおいで、とお梅に言われた斎藤、やっとちらと横顔を拝見。
カメラ前にカモン斎藤。 もっとお顔拝見したいナリ〜と願うわけですが
「ここで結構」
。。。やっぱり。。。(諦)
「あの人苦手や。 暗いし。  何考えてるかわからへん」 暗いとか言われてるし(笑)! まあ否定はしないし!!
それを聞いて小さく笑って芹沢は一言、
「腕は立つ。」
おお、芹沢のお墨頂戴しましたよ! とは言え、一体どこでその腕前を芹沢に認めてもらったか、斎藤。
裏も表も知ってる芹沢の耳には斎藤の裏稼業の噂もはいっていたのかしらん。
けど芹沢は案外、斎藤のこのちょっと他の連中と違う変わり者的雰囲気、 嫌いじゃないのかもネ。

死んだ時に入るお墓がない、と言うお梅に、自分の墓に入れと言う芹沢。
一瞬驚いた後に、とっても嬉しそうに、幸せそうに
「約束やで。 よかったぁ。 これで安心して死ねる。」 と呟くお梅。
そんな切ないやりとりを、斎藤は横でじっと聞いてるんだよねぇ。

その頃。 近藤一派は、芹沢暗殺計画をねっております。  が、そこに永倉、沖田、平助の姿はないのですな。
”永倉は融通が利かないから異を唱えられると面倒。”
”沖田平助は、まだ若すぎる。”
”斎藤は義理堅く芹沢に恩を感じているようなので、省きました。”
ハブかれてるよ!! ていうか、斎藤は更に若いハズだけど。
まあ年齢より経験の時代でございますからな。 うーん若年寄斎藤。
しかし近藤は迷ったままで、話はどんどん進んでいくのです。  このままだと飾りお御輿状態の局長。

で、暗殺すべき本人を前に、その準備と言える宴へのお誘いをしてる一同、コワイっすね。  敵を騙すには、仲間から、ってんで永倉にも本当の目的は隠したまま、別の用事を頼んでみたり、 笑顔で着々と暗殺計画を進める土方達。 彼らにすっかり愛着もわいてるし、 このドラマではただの殺人集団には描かないであろうとは思いつつも、 やっぱりこれこそ 『新選組』 なんだろうなあ、と寒気もいたしてまいります。
陰謀の空気を察しつつも、聞いてる芹沢。 横に、あの甲高い声の頭の良いアノ人がいないのが、 すごく寂しいっす。。。
  この時に新見がいたら、何て言ったろう。  やはり最初に新見を削除したのは、効果アリだなぁ、土方。

虎視眈々と自分の命を取ろうとしている近藤一派を横目に、 お梅を連れて嵐山の紅葉狩りへと出かける芹沢。
沖田とすれ違うけど、お互いに無視でございます。。。
ところで、一緒にいると巻き込まれて危険だから、芹沢からは 離れていろと言われた沖田ですが、(結局刺客の一員になってたけど) そんな沖田と入れ替わって、 誰かさんが鴨傍に付いておりましたが、、誰も知らない?
皆さん今は暗殺計画で頭イッパイで、そんないつも単独行動ばかりの 野良のことは、忘れてるのかしらん。。(汗)


で、嵐山ですよ。 いや美しいです。 秋の嵐山、一度は観てみたいもんです。  まるで観光案内番組のように美しい映像、勿論ハイビジョンでごらんください。 そんな感じ。  しかしこの美しい滝を前にした場面、これ、スタジオなんだそうだよね。  すごいやぁ。 誰かさんが口滑らしてたけど、本当、NHKお金あるなあ(笑)

のんびり、まったり、”ふたりだけ”の時間を楽しむ、芹沢とお梅。  京を離れてどこかの田舎で、 子供たち集めて寺子屋でも始めて、剣術教えたりして、二人でのんびり暮らしたい、と 夢見るように話すお梅に、
「俺らしくねえなあ」
「ううん。ものすごぉ、あんさんらしいとおもう。」
意外そうな顔をしてお梅を見る芹沢。 。。。もしかしたら、この時に、あの連中に命を託す決意が固まったのかも、、なんて 思ったりするですよ。
いやそれにしても、本当このお梅と芹沢の2ショは、大人の世界でよろしいなあ。  引きの絵になっても、スタジオとは思えない美しいもみじで。。。って
もみじの下にナンカいる?!
殆ど庭園の石等と保護色状態になって動かないけど、なんかいるよーーって
斎藤っ!!
いたんかい! そこにずっといたんかい!!
けど、さっきお梅と鴨が出かけていく場面にはいなかったような。。 まさかココでもハイビジョンマジックじゃあるまいね?! 二人に気を使って相当離れて付いていったのかしら、斎藤さんてば。。。  しかし上には上がらせてもらえず下で待機してるのが、 何とも。。こう。。ペットっぽ。。。(笑)  お店の中に入れてもらえなくて外で待ってるワンコとか。。。
いやしかし仮にも用心棒だよね? 上で何か起きたら、よじ登って行くのかしらと余計な心配と 想像をして…ぷっ。。(何想像したんだか)
そんな腕を組んで、ぼーっともみじを見つめる斎藤に、お梅さんがお声をかけてくれましたよ。
そっとお皿を差し出し
「なあ。どうぞ。」
。。。。餌付けかよ!!
いいな! いいな! 私も餌付けたい!。。。。(自主規制)
上から(ここ大事)差し出されたお皿に盛られたおこぼれ、、いや、おすそ分け。  それを見上げる後姿もかわいいですが、お皿差し出されて、 ついフッとまずお皿に目が行くのが、動物ぽくて妙〜〜にかわいい(笑)。  お皿のエサ確認したのち、ちらりとお梅さんを上目遣いで見やり、 ペコリと頭を下げて、その後 ”両手” を差し出し、お皿を受け取る一ちゃん。  そろえた指が美しい手も見所ですが、 両手でキチンと受け取るお行儀の良さに釘付け。 いい子だ。 ナニ考えてるかわからなくても、野良のようでも、意外と上品な子ですよ。 ええ。  いいなあいいなあ私も餌付け(以下略) 。。と、細かくキュンキュンしてますが、例のごとく一瞬の場面ですからあしからず。  お馴染み必殺コマ送りでさあレッツ一ちゃんウォッチング。
お皿を受け取った後、視線はお梅に戻らずさっさと紅葉へ。 食い物には釣られたけど 、女にはツレナイ男。   箸は既に右手にスタンバイ。  お腹すいてるのか、一ちゃん。
「ここへは来たことあるん?」
何だかすごく嬉しそうに話すお梅。
餌付けしてみると案外かわいいでしょう、一ちゃんも。
「初めてだ」。。。口数は少ない男だけどもね。
「キレイどっしゃろ?」
「ああ。 まるで血の色だ。」。。 雰囲気ぶち壊す男ですけどもね!!
ごめんねお梅さん。 こういう男なんです。  ロマンチックな話はできない男なんです。 正直な男なんです。  何度も人を斬って血をあびてきた男なんです。  赤は血の色なんです。
。。。でも、綺麗を肯定して血の色って事は、血が綺麗だと思うのかぁ、斎藤。。
それもまた、殺人剣の使い手斎藤という解釈にはピッタリでございますが、
さてオダギリ斎藤もやがてそういう人斬りウズウズ斎藤に変貌していくのでしょうか。
。。。とりあえず、これから起こる悲劇を予告する不吉さを残す斎藤の一言でございます。。

さて芹沢暗殺のステップ1、の宴がいよいよ始まりました。。。
恐らく罠だと気付いていながら堂々と出席、芹沢ってやっぱり凄い男。  確かに、この男、乗り越えるには大きすぎる壁。
  乗越えるより、倒して進むしかないって感じです。
何もかももう動き出しているのに、まだ迷っている近藤が、 芹沢に暗殺計画を告げて助けようとしても、芹沢は既に覚悟済み。
「鬼になれよ近藤。 鬼になって、俺を食っちまえよ」
てセリフが格好良くて、名セリフに残りそうな感じですが、容保様から頂いた新しい組の名前を再度じっくり眺めて
「悪かねぇなあ。 明日からこの名前でいけよ」
という一言がすごく良いのねん。。 新選組の名前と共に、近藤に引導を渡したみたいな。
嵐山でのお梅との平和なひとときを過ごした時、 平凡な幸せを望み、自分にもそれが似合ってる、と女に言われた芹沢は、
今まで水戸天狗党や精忠浪士組を経てギリギリの生き方をしてきた自分が、 自分らしく命を終わらせるのは、やはりこの世界しかない、と、 逆に気付いてしまったのかもしれないなぁ。

ところでこの宴会座席。
先日まで、芹沢にべったりだった沖田が近藤エリアに復活、座っております。
で、 おかげで斎藤はみ出て芹沢ゾーンに。。。(笑)
や、用心棒請け負っておるからでしょうが、分かりやすいことです。 尤も斎藤にとっては誰側とか誰派とか、どうでも良いことでございましょう。
ただ、気の毒なのは隣の平山。(笑) 最初に席についたときに、恐らく平山、
『なななな何でさささ斎藤がこっちにいるんだよ、しかも、ととと、隣だよ!! なんだよ、つつついてないなぁ。。。』
て思ったね。 間違いない。
大丈夫、近藤さんを侮辱しなければ噛み付きませんし、 今は芹沢さんを守らなきゃって使命で気持ちイッパイの斎藤ですから。

宴会は進み、芹沢の酔い具合に目を光らせつつ、 明らかに他の隊士と違う張り詰めた空気を漂わせている近藤一派。
この怪しい空気に誰かが気付きそうなものだけど、そこは久々の豪華な宴会、 皆さん気持ちよく酔っ払っております。
うまくかんがえたモンです。
「帰る!」 と唐突に立ち上がったものの泥酔して千鳥足の芹沢に、大丈夫ですか、 と駆け寄り一緒に帰ろうとする鴨派の平間や平山。。。。  当然 ”用心棒” の斎藤も立ち上がろうとすると
「お前はもういい。」
。。と イキナリ解雇、お役目御免宣言。
一瞬固まり、ちょっぴり悲しい目をして(思い込みすか?)  渋々とまた席に腰を下ろすものの、納得いかない表情の斎藤。
芹沢との接点が殆どなくて、でもずっと恩は感じていた斎藤にとって やっと恩返しできるチャンスだったのに。
もはや覚悟の出来た芹沢には用心棒は不要だし、何より一緒にいると 斎藤まで巻き添えを食わすことになるからね。。 
これは芹沢の優しさ。。かな。
斎藤の剣の腕を誰よりはっきり評価してくれてたのが、芹沢だもんなぁ。
  芹沢もちょっと変わり者の斎藤を気に入ってくれてたのかもしれないすネ。

芹沢が席を立ったのを合図に、激しく動き出す暗殺計画。
が、この場にいながらも、話を聞いてない近藤派は斎藤と平助のみ。  平助は後で話を聞くことになるけど、斎藤だけは最後まで暗殺計画の蚊帳の外。  けどそういう匂いには敏感であろう斎藤、鋭い目で辺りの様子を何気なく伺っております。
幹部の席は、がらがら。苦渋の表情の近藤さん、左之助と一緒に つれションに行くと言う割にその顔は緊張いっぱいの沖田、も、絶対おかしいわけで。
そんな様子を見て、斎藤、口につまみをぽいと放り込み、 さて、と、と言う風にだるそうに腰を上げ、ふらりと席を立つ。
この動作の流れがヒジョーにステキです。 渋いです。 余裕のしぐさが、こういう場面は手馴れてる風で、実にカッコよいのですな。  いいねえ、斎藤、組織というものからいつも外れて行動してる様が、 実にお似合いで、ツボツボ。
(パクッと口に放ったモノ何だろう。やっぱドッグフード。。。(違))

そして誰もいなくなった。。。
話を聞いた平助が泣きそうな顔で飛び込んでくる。  源さんの顔見て、近藤の顔見て、動揺を隠せない様子がかわいそうです。  近藤派と芹沢派がもっと仲良く出来るように相撲大会開いて成功したし、 野口くんとは仲良しだったのに。。  野口君と平助のコンビっていつも楽しそうで結構癒しだったから、余計切ないっすよ。
(後で芹沢暗殺の報告を聞かされた野口君に激しく同情。野口くん無邪気でよかったのになぁ)
で、ずっとだまって目を閉じていた近藤がついに立ち上がる。 
「俺は。。鬼になった。」
えっ。 何時の間に?! なったんかい? 過去形かい。。。  とか、いい場面で突っ込むのは控えておきたいものです。
。。。ここで近藤が土方達を追いかけたのは、 斎藤と土方達が衝突するであろう事を予測したからだと考えると、 斎藤の存在がなければ、 近藤はもしかしたらずっと目を閉じてぐるぐる悩み続け、 土方達が勝手に行動する結果をただ待って、 自分の周りで起きる事態をただ見守るだけの存在だったかもしれんなあ、 なんて思ったりね。。。
そう思うと、斎藤、やはりキーパーソンかも?  (。。トラブルメーカーとは言わないように!)


で。やはりというか当然というか、衝突しましたとも。
芹沢を暗殺に走る土方、山南、左之助、沖田、、、の前に、 すっと物陰から姿を現し行く手を遮る斎藤。
「ここを通すわけにはいかん」
「一刻の猶予もないのです」
「俺は芹沢さんを守る」
守ると言い切った斎藤の忠犬っぷり、最高。 斎藤はこうでなければネ。
「いいから退け!」
「退かん。」
。。頑として動かず。
こいつは厄介なことになった、と顔を見合わせる土方と山南。
「わかってくれ。お前とは争いたくねぇんだ」
とか言われても、しっかり相手を見据えたまま動揺する気配も見せない。  どころか、何の躊躇もなく、すらりと刀を抜く斎藤。
「どうするの」 思わぬ番犬の登場に戸惑う沖田。
「しょうがねぇなあ」
と、こういうときには左之助です。 全く迷いがございません。 ずいっと前に出、 槍先を斎藤に向け睨みつける。  お互い実戦系ですから、 今にも斬り合いそうな空気が張り詰めます。
♪喧嘩を止めて〜ふたりを止めて〜♪
左之助の槍VS斎藤の剣。 猿VS犬?(笑)。  まさか殺し合いまでにはならないまでも、ここで二人の異種格闘な殺陣が見れのか、、と ちょいと期待が膨らんでいたその時。
「そこまでだ!」
局長の登場でスペシャル対決に水。 。。。うーむ残念。。 そして近藤は一言、
「斎藤くん、通してやれ。」
つまり芹沢暗殺に局長直々のGOサインが出たって事です。
彼らを通す事は、芹沢を見殺しにする事で、斎藤には身を切るような一言。
  とたん思いつめた表情にかわり、恨めしそうに近藤を見つめる斎藤。
「君が芹沢さんに恩を感じているのはよくわかった。 しかしもう充分だ。 既に芹沢さんは覚悟を決めている。  今ココで誰かが命を落としても、それは無駄死にだ。  もう仲間内での争いは沢山だ。 その刀をこれからは、御公儀の為だけに抜いてくれ」
もう1人の、つか1番の恩人である近藤に言われ、 何より、芹沢がこの事は既に承知で覚悟までしていると聞かされては、
もう斎藤にはどうする事もできないのでございますなぁ。
もうねぇ、ここの、斎藤の涙こぼれそうなウルウル目や、 ぽよぽよ唇とか含めた切ない表情が、もうたまらんッス。
心の動揺がそのまま現れて、泳ぐ目線。  ここで刀を収めることは、芹沢暗殺に自分も加担したことになるわけで。
ずっとずっと恩を返したいって思っていて、やっと芹沢直々に用心棒って役割を貰って、 張り切ってたのにね、斎藤。(涙)
刀を納めた斎藤を見て、ソレデヨシ、と左之助は笑って頷いていたけど、 この時の斎藤の気持ちって、 目的の為にがむしゃらに盲目的に突っ走っている今の彼らには、分からないかもなぁ。。
たった数日、もしかしたら数時間だったかもしれないけど、芹沢の傍にいて、 皆が知らない芹沢の顔、見ちゃったんだもんね。  用心棒を傍に置いて迄、生に執着した芹沢の弱い部分とか、 ふたりでどこかでのんびり暮らしたいと夢見ていたお梅の言葉とか。

個人的な恨みでは無く、「俺たちの組織のため」という目的の為にで、 芹沢を暗殺する事を厭わない土方達に対し、
やはり斎藤は、 あくまで個人の感情で動く、孤高の一匹狼。
そんな斎藤は芹沢やお梅にも、 実は自分と同じ匂いを感じていたんじゃないかしらん。
大勢の中にいても、どこか溶け込むことは出来なくて、いつもヒトリの人種、、みたいな。
義理や恩も関係なく、斎藤はそんな芹沢を本気で守りたいって思ったんじゃないかナァ。。
だけど、芹沢は既に死ぬ覚悟だと聞いて、それはもう、切なかったろうと思うですよ。
あの斎藤の思いつめた今にも泣きそうな表情は、大きな流れの前で、 結局何も出来なかった悔しさとか、
芹沢の想いを知った切なさとか、 でも近藤も同じように苦しい思いを乗越えての決断だという事が痛いほど分かってしまった上での、 顔なんだろうなぁ、、、。
何せもう、観ているだけでこっちも泣きそうになるような、非常に素晴らしい表情だったなぁ、と シミジミ思うのでございます。
って、メチャクチャ長くぐだぐだ語りすぎっ。(汗) すんません、まだもう少し続きますよ(汗汗)

いよいよ時間の猶予がない。  うなだれたままの斎藤を横に、勇ましく走っていく、刺客の4人。
もちろん彼らも、それぞれの深い思いを胸に抱えての剣だろうけど。
 、、、あ、左之助は、、特になさそー。。。(笑)

自ら刀を抜いて斬る事で芹沢を越えていく沖田と、 刀を納める事で芹沢への義理を断ち切る斎藤。
二人の対比が、やはり面白いデス。
何となく、この二人は最後まで、一定の 距離を置いたままのような気がするなぁ。

芹沢暗殺の場面は、言うまでもなく、素晴らしかったす。
最後までかっこよすぎだよ、芹沢っ。 と思っていたら、 最後は自分が投げ捨てた瓢箪に躓いて、
ああ、そんなばかな、ってオチが、むしろあっけなく切なくてよかったな。
  もしあの瓢箪がなかったら、彼ら4人誰も損失なしに、芹沢を倒せなかったんじゃないかと 思いつつも、
が、そんな偶然も、実は浪士組が生まれ変わるための必然だったようにすら思えますデス。 
息絶えた芹沢の表情、秀逸でございました。。。  半目開いた状態の動かなくなった鴨、悲しかったなあ。
豪快だった人が、動かなくなるのって結構ずきんと来ますな。。  まさに、魂抜けて、モノになっちまったなぁ、て感じで、
「命が止まった」重みがひしひしと。
駆け寄ったお梅の沖田に見せた絶望の表情が恐ろしく妖艶で、これまた圧倒。
芹沢を刺した沖田の刀を自分の胸に刺して、自害するお梅。 
いつも美しいお梅だったけど、今までで1番、息を呑む美しさでございました。。
今迄私が見た新撰組の漫画や映画や小説での芹沢暗殺って、 アッパレ勇ましい見せ場ばかりで、
こんな切なくて格好良くて悲しいのは初めてかもです。  佐藤鴨さん、京香お梅さん、素晴らしゅうございました。

ところでお梅は芹沢と同じ墓に入れてもらえたのかしらん。
あの口約束を聞いていたのは、斎藤だけなんだよね。。。
こっそりそのことを誰かに告げて、お梅の小さい願いを叶えてあげてくれてるといいなぁ。


さて、2本柱だった浪士組も、 いよいよ近藤を頂点に置いたピラミッド型組織になって参ります。
名前もついに壬生浪士組から『新撰組』に。
斎藤も、ご主人が一人になって、今は辛いかもしれんけど、 その分の御忠義は上様に。。
ではなく、ひたすら近藤さんへ。。。行きそうな(笑)
どっちについていいのやら、と身を裂かれる想いだったのが少しは楽になるでしょうか。
とか思っていたら、予告っ。。、来週実際に身を裂かれ。。。????? っていうかソレは一体なんだよゴホゴホ。。。。こわいよ!来週観るのが、こわいよ!!!!!!
いや見ちゃうけどね!! うわははははどうしようこわいよー ( こ ん ら ん ち ゅ う )

                                              二〇〇四年 六月二十七日放送 




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