■ 其の十八 第三十話 『とりあえず俺はヤツラに付いて行く。』 ■

いやー、2週間ぶりですよ。 セリフどころじゃなくて本人の姿がありませんでしたからねぇ。
ホンットに先週はどうしちゃったんでしょう。  あの場に全く欠片もいなかった斎藤一。 ナゾキャラにも程があります。
今回は予告に姿を確認したから大丈夫、なんて安心出来ないっすよ、 この世の中には 『ウソ予告』 なんてのがございますからナァ。。。  オープニングでしっかりカタカナを確認してとりあえず安心。  だがしかし今回の斎藤。。。 ここで一句。
◇ ナゾキャラに拍車をかける、三十話。。◇ 。。。オソマツ。

池田屋、そして禁門の変、と表舞台で大活躍した新撰組にご公儀から恩賞金。  山に積まれた金の大判の山!! 
これは 『マンガの骨付き肉』 と並んで一度は見てみたいものです(笑)
なのに、折角の大金前にして断る近藤さん。 いや、あの、貰っときなさいって。  お世話になった八木邸の人達なんかにもお返しできるじゃないですか。 つか、しなさい。
と言うより、もう貴方の肩に何人もの隊士の生活がかかっている事をお忘れなく。
その点土方は抜かりない。 ありがたく頂きますとも。

さて、、、。今回から急に顕著になる土方による、 山南ハブンチョ。。。
池田屋の時から、いや、最初からヒソかにソレは始まっていたと言えるんだけども、 それにしても突然あからさまなハブっぷりが、気になります。  これは一体どういう事。。
ご褒美を前に、試衛館生え抜きの近藤、土方、沖田、源さんでお祝い晩酌、 そこで源さんの一言。
「山南さんも、来たがってました」
。。。来たがってた。。。さ、山南さん。。  呼ばれなかった山南さんの、寂しげな笑顔が目に浮かぶ。。って、 来たし!!
凄く堂々と来たし!! こっそり乾杯している所にあまりにイイ、、 いや、気まずいタイミングで推し量ったように山南さん登場ですよ。  こう言うのはたまたま、偶然通りかかって見つかっちゃった、てのは良くある展開ですが 明らかに山南さん、急ぎ足で、いかにもアチコチ探しましたって感じですよ。  ヒョコリン、と登場した気まずい顔が最高です堺さん。
が、山南さんが、ここまで気まずい思いをしてまで、 お呼びでない宴会に顔を出したのは他でもない、 恩賞金の使い道が気になったからですな。  人はリアルにゲンナマを前にすると、その思想の対立まで具体化してくるもんです。  考えだけでは曖昧だった違いが、ここにくっきりと。。。。金は魔物です。
今後の隊の備えのために取っておこうという、アリンコ式な山南思考に対し
今だからこそ、隊を盛り上げ、近藤をピラミッドの頂点に置き、 組織を鉄壁のものにする為に、
どかんと貰ったものはドカンと使おうと言うキリギリス式土方思考。
にしても、、どっちの考えが正しいは別として、とりあえずハッキリ意見しない近藤さんは良くないッ。
「俺だけ貰いすぎじゃないか」
なら貰えない隊士に分けてあげれ!  つか、その不公平さを気にするなら恩賞金ナシの隊士の為にも、 もっと強く土方に言ってやってくださいよ、局長。  「〜〜じゃないか?」 とモニョモニョ言っても、土方にガツンと返されると口篭もる局長。。
ヨメのシリにひかれてボーナスの使い道に口出しできない、駄目婿みたいですよ。。
ってーと、土方は"修羅の道を行く"正に鬼嫁?! 
じゃあ山南は鬼嫁に苛められる気弱な姑。。  ってベタな昼ドラかい。 
とにかく、もちっとシッカリ、近藤局長。。

けどこれ、自分がそんな組織の社員だったらやってられんね。 次はガンバロウって気になる?  たまたま成績のよいセクションにいた駄目社員がボーナス沢山出てさ、 自分がいくら頑張っても上司が駄目なセクションだと もらえなかったりって、多いけどさ、そんな会社。 つかそんな会社を思い出し、 ちょっと憂鬱な気分よ。
浅野薫が、池田屋で震えて隠れていただけの浅野薫が、 1番沢山貰ってるなんて、理不尽な。  しかもそれで偉そうにされた日にゃ、アナタ。  いつ長州が襲ってくるか知れない屯所を守っていたのに、出陣してないからって一文もナシだなんて。 それだって立派な仕事だよねぇ。 つか好きで屯所にいたわけじゃないやい、と文句も言うさね。  お茶啜って遠い目するだけじゃあ気が治まらないっすよ。。。

その様子を見ていた永倉、怪訝そうな顔に。  なるほどこういう流れかぁ。。 うまいね。
ずっと近藤を信じて来た永倉達が建白書を出す流れ、 一体どう流れを変えるのかと思ったけど、池田屋からストトトトンと来ましたな。  今まで深い思想もなかった天然原田を永倉につかせて建白書に連名するのも 、おまさちゃんを旨く絡めてるのね、、うむむ流石と唸ってみたり。。。
確かにあの時、おまさちゃんのお店を無視したのはどうよ、局長。  いくら御所と京都の一大事だとは言ってもさ。。  だって、あそこはただの行き着けの甘味屋じゃないよ。  もはや、屯所別館だったワケですよ。 
あんだけお世話になってるんだから、世の一大事とは言え、隊士のひとりやふたり、 派遣してやっても良かったんじゃないかね。  。。。確か一人、腕の立つ京都に詳しい某が、 手すきだと思ったけど。。。??(笑)

さて、先程はモノゴトすぱっと思い通りに動かす冷酷さも垣間見せた土方ですが、 ガラっと変わって三味線なぞたしなんでおります。 本当に何でも出来るなあ、、山耕土方。
で、いよいよ出ましたね。  満を期して、いよいよ登場! 土方の(へたれ)俳句!!(笑)
そしてこの 『土方沖田の俳句コント』。 最高です。 もう、ずっとやっててください。
ボケて! ボケて! ボケたおし、土方! まじめ沖田の天然ツッコミ! うーん、ナイスコンビ。
。。。つか、土方。 そのノートは 『なんでも帳』 ですかー?  そんなヘタレ俳句と、命をかけた『新選組』の新しい構想を一緒に書き留めてございますか。  他にもどーでもいい落書きやクダラナイ事も書いてありそうですなぁ。。。 
。。。  是非見てみたいもんです。
。。と、歳&総司のコントでおもいきり笑かせておいて、 その後シンミリ沖田の病気の告白に繋げるところも憎いです。。。  病気の事をおひでちゃんにもナイショにして欲しいとお願いする総司。  死を目の前にして、やっと人の気持ちを考えられるようになって来たようです。

で、突然のコーナー、■今週の山崎丞。■ じいさんにヘンシン(はぁと)ですよ。 つか、変装気合入りすぎ! 
わざわざ、沖田に向かって 「ああぁ?」 なんて近寄る辺りに、山崎の変装の自信が伺えますなっ。
今後も山崎七変化に期待。 その内、舞妓なんかも是非。。(笑)

さていよいよ、タイトルの 『永倉反乱』 でございますよ。  土方が新しく作った『指揮系統案』を見てついに不満爆発の永倉。
近藤土方の下に自分たちが置かれている事は勿論、 山南がその指揮系統から抜けている事も気に入らない。  それを指摘された土方、
「山南さんにはこれまでどおり、みんなの相談役として。。」
”みんなのそうだんやく”  。。。そんなナマヌルイ立場ですか山南さん。。
黙って目を閉じている山南さん、、、あ、確かに相談しやすそうな、、いやそうじゃなくて。
「自分たちのいいなりになるワケのわからぬ連中を傍に置いて、 意見の異なる者を遠ざける、そういう魂胆ではないのかッ?!」
尚も怒り続ける永倉に、
「わけのわからぬ連中とは、、我々のコトですカーっ!!」
と怒鳴る観柳斎&谷コンビですが、うん、見るからにワケワカラナイから、アナタ達。
あと3 番隊ね。 3番隊の人も相当わけわかんないです。
ワケワカンナイどころか大事な時にいないし、そんな人の下に平隊士70人も置いて、、 いいんですか、大丈夫なんですか、その方が私は気になるですよ。。。
皆、隊長に続けー。 で、昼寝? 目開けて寝る訓練? 駒回しに、彫刻の時間?  。。あ、なんかチョットいいかも、3番隊。。。

と、大反発食らった上に1番認めてもらいたい近藤にも 「ちょい駄目だし」 されて、土方ブチキレ、 勢い口が滑って芹沢暗殺までネタばらし。。。 あちゃー、やっちゃいました。
「お茶でも、、」 なんて源さん十八番、”癒しのお茶技”で文字通りお茶濁そうとしても、 一度外に出た言葉は戻りません。。
ちょいと前に、さしで話して鴨暗殺を否定した近藤の言葉を信じた永倉には、 土方のやり方以前に近藤がウソをついていた事がよりショックに違いない。。  零れ落ちそうな程目をむいて、 「辞めさせてもらう!」 と捨て台詞、 脱隊は切腹だと言われても、とりあえずはその場を出て行く永倉と、後を追って行く島田。
で、こんなゴタゴタがあった時に、なだめすかし尻拭いに奔走するのは、結局 山南さんなんだけどね。。。流石相談役。。
けど黙って相談受けるだけの山南じゃないっすよ。  建白書を容保公に提出する為に、隊の中で同意するものを集めてくれと 永倉に入れ知恵、、いや、提案するのでございます。


さてと〜〜。。。 やぁっと斎藤登場。 いやー2週間ぶりvv。
大きな戦に顔出さず、池田屋恩賞金も 貰った筈だけども、まるで自分と関係なかったかのごとく、 のんびりノホホーンと、
為三郎おぼっちゃんとお庭でまったり、、 アンタ本当に自由すぎだよ、斎藤一。
で、久々に例のアレ、 『ナゾの彫り物』 が登場。  うーん、やっぱり相変わらず目を凝らしても、コマ送りしても、その物体の正体は不明、  ただ、どうも人形くさいような、 そして前回の続きと言うより新しく彫っているような気もするし、 じゃあ前のは完成したのか、それとも失敗したのか、  いずれにしてもナゾっつーか、一体いつまで引っ張るんだろう三谷さん、 よもや最終回まで?!  。。。まあ気長に見届けるとするです。
  そんな斎藤に、すっかり懐いてるお坊ちゃん。  おにいちゃん〜と懐くと言うより、 「なんやオモロイやつ」 と思われていそうです。  まぁ、他の隊士は忙しそうだし、毎日が自由時間な斎藤、お坊ちゃんのいいオモチャかしらん。
そんな二人、言葉は交わさなくても、何だかとても和む空気が流れてます。。ほわわん。
彫ったものをきわめて真剣な目つきでチェックしてみる斎藤、 興味津々の目で嬉しそうに見つめるお坊ちゃん。
そんな 『ぼくとワンコの楽しい夏休み』 的空間に、大人の事情の邪魔が入ります。。
「斎藤さん。 ちょっと話があるんだ。」
島田に呼ばれ、怪訝そうな顔して立ち上がる斎藤。  おぼっちゃんはちょっと心配そうな顔してます。
コマ回しで散々けなしつつも、やっぱりこのオニイチャンが気に入ってるんだネ。

で、島田に呼ばれた斎藤、勿論次は永倉とのシーンかと思いきや。。。

 「永倉が?!」  。。。て何で土方? 何で皆さんいらっしゃるの? 
つか斎藤、チクってるし!?? えええええええ? わが目を疑う瞬間です。
「今同士を集めている。 俺も声をかけられた。」
うわぁ、斎藤あんたって子は。 永倉に話を聞いてるとき一体どんな顔で聞いてたんでしょか。  当然 「局長にはナイショだよ」 て前提で話してるハズ。 。。。聞いたら早速報告ですか。  ほうほうと聞きつつ、 ”こりゃ近藤さんに御知らせしなくっちゃ” と
忠犬の血が騒いだか斎藤一。 
永倉、迂闊であったな。 。。。って誰にも分かんない男だからなぁ、斎藤。。
 「バカなヤツラめ!」 「ナニ考えてるんだろう。」  「しかし会津藩がまともに取り合ってくれるとは思えんが。。」
と、動揺する一同を前に淡々と
「建白書を差し出すと言っている。」
。。。なんもかんも、チクりまくりですね、斎藤さん。。。
思いもよらない『建白書』という展開に、さらに広がる動揺。   「誰の入れ知恵だ?」  「大体の見当はついている。」  「山南総長だ、間違いないッ、クソッ  (って、長井秀和ですか、ヤッシー。)」
 「斎藤、お前に頼みがある。」
頼みもしないのにこんな情報をチクった斎藤、すっかり土方の信用をモノにしてます。
が、コクリと頷きつつも、 チラリと近藤の顔を見てみたりする辺りが、カワイイっす。
基本的には、近藤の為ですからな、気になるのは近藤さんの反応。  誉めて欲しいよねぇ、近藤さんに。
  が、その肝心の近藤さんは相変わらず目を閉じて、じっとしておるだけでございます。。。

で、そのまま何食わぬ顔して、『建白書』同盟に加わる斎藤なわけですよ。
ものごっつ、シレーっと、そこにいるわけですよ。 
が、結局集まったのは、そんなプチ密偵な斎藤、無理矢理連れてこられた尾関@旗持ちと、 ただ文書を書くのを手伝っただけの筈だった葛山も入れて、たったの6人。。。  そりゃ、切腹覚悟してまで、賛同できないよなぁ。。。 近藤土方、恐れられてるもんなァ。
そんな様子を斎藤は、数段高い階段の上からチェックですよ。
様子を冷静に伺う目線が、流し目風で色っぽいんですけど、 って、また無駄に色気振りまいてます。
一同と同じ高さではない場所にいるのも、表情を見られずに自分は全員の様子を見ることが出来る、 と一石二鳥、野生の知恵でしょうか。  しかも斎藤のキャラですから、そんな場所にいても、誰も疑いもしないんですな。  まさに密偵向き。

 「斎藤君が来てくれるとは思わなかった」 と、永倉。 やっぱり怪しまれてるっ?!と ドキリとしたものの
「俺を江戸から逃がしてくれたのは芹沢さんだ。 芹沢さんを斬った奴を、許すわけにはいかない。」
冷静に応える斎藤に、心配無用だと安心してみたり(て安心していい所なのかしらん)。 
ウソには真実を混ぜるのが1番、とは言え、 それで納得してくれる永倉はイイ人すぎて申し訳ない気分ッス。。。
確かにあの時、”芹沢を守る為”に暗殺しようとした一同の前に立ちはだかった。。。 が、こうなってくると、それすらもポーズだったのでは、なんて疑ってしまうほどの、 今回の斎藤さん。。。。
で、更にチラと左之助を見たような、斎藤。  鴨暗殺に加担してたもんね左之助、しかも嬉々として。 
視線に気付いてポロリと口から食いかけのオシンコ落として、コリャマズイ、て顔する左之助。 
尤も斎藤もさ、暗殺に反対したとは言っても、最終的には道を空けて左之助らを通した段階で 暗殺許容したって事だから、同じ穴の狢なワケだけども。  それも含めての、釘刺し目線でしょうか。
 「近藤さんは会津藩に認められ、いささか調子に乗ってしまった。  新選組を都合のいいように動かし、意見の異なる者を次々と除いていく。  そのやり方に私は不満を持った!  この度のことは、近藤さんに目を覚ましてもらう事が目的だ!」
「。。。さめなかった時は?」
熱く語る永倉に、やけに温度の低い声で問い、何気に探りを入れる事を忘れない斎藤。
 「隊を離れ、江戸に帰る!」
問題はそこで法度があるって事なんだけど、この時はまだ、 あの法度にはまだ力がそんなに無かった感じがしますな。
その法度に本当の力を与えるのが、後の山南の。。。なのかも(遠い目)。
で、ココでさっきクギ差し目線くらった左之助が不安に我慢できなくなって、 自分も鴨暗殺に加担していたと告り。
まあでも、左之助のキャラクターが、「しょうがない」って気持ちにさせる辺りが、ウマイです。
でもって、左之助は左之助で、気に入らないのは、近藤がおまさちゃん救出を無視した事、 とまあ、これもかなり個人的な不満なワケで、結局建白書に連名したところで、 政治的な部分に興味はさしてナイ左之助。 いいよねぇ。
 「いいのかなぁ、俺、これ、仲間に入ってて。 ナンカ心配になってきちゃった。。」
と、純粋に不安がる左之助をチェックしてる斎藤さん、貴方の方が もっとキケンな身の置き状態だっつのに、全く迷いや不安が見て取れません。 冷静かつ冷酷な表情。。。  いやはやなんツーか、斎藤、あんたって。。。
まあこの際は人数が多いほうがいいし、オッケー!て事で お許し貰って無邪気に喜ぶ左之助見てるとさ、、イイヨネぇ、 素直に生きるのが1番ってシミジミ思いますなぁ。 
いよいよ建白書が完成し、早速これから会津公に届けに行くと鼻息荒い永倉。

で、早速、チクリ ご報告にあがる斎藤ですよ。 けど、そんなに広くないよね、この屯所。。
怪しまれないのか、バレないのか、心配しちゃいますが、 そこはやはり、 「変わった男」 認定されてる斎藤だからこそ、 出来ることなんでしょか。  そう思うと密偵は斎藤にぴったりなお仕事かもしれんですナ。
 「つまるところ、集まったのは誰と誰だ。」
「永倉、原田、島田、尾関、、」
でんと座って報告する斎藤。 冷静だよなぁ。 髭そった綺麗な顔だから、余計冷たく感じるですよ。
「尾関? 折角旗持ちにしてやったのに。。。」
せっかくって(笑)。 力はあっても気は弱い尾関さん。。。気の毒に。
「。。無理に連れ込まれたようだ。。  それから、、、、葛山武八郎。  それも本人が望んだことではない。。。
(と、一応巻き込まれた二人ををフォローしてみたりしつつ)  それに俺を加えての、6人。」
「。。案外少なかったな。」
ちょっと安心した様子の土方を見て斎藤、小さく頷き、
「とりあえず俺は奴等に着いていく。」
「ヨロシク頼む。」
すっかり土方には絶大な信用を得たよなあ、斎藤。
基本は近藤への恩返し、忠義の想いが全てなんだろうけどネ。  芹沢と近藤と、どっち付かずの恩返しの気持ちが芹沢が死んだら一気に近藤に傾いたのだろうが、 そんなにまでして、斎藤。  もはや近藤の為なら迷うことなく汚れもします、そんな覚悟でしょうか、斎藤。。
それはイイけどさ、いつだったか、小六がしつこく付き纏っていた時に、 永倉が追い払って助けてくれたなんて事もあったよネ?
そんな小さな恩は忘れたですか、斎藤さん。。
こんなチクリが、下手をすれば切腹沙汰にも繋がりかねないことは承知の上で、 永倉の反乱を逐一報告してるんだよね?
こりゃもう、確実近藤の犬ですな、斎藤一。 ワンワン。

ところで、この時の後姿、ポニー尻尾が偉い長く感じます。そしてさらさら。 是非触ってみたいような、やわらかそーな尻尾なんだなぁ。。。。 うーん、しみじみいいよねえ、総髪ロングポニーって。 なんか幸せ〜。

さて、会津公の御前に正装(?)して頭下げてますが、このワンワン、ちょっと頭が高いような(笑)。。 いや、きっとオダギリの体が硬いのでございましょう。。。それはドウデモいい事で。
必死に殿に想いを伝える永倉。 その気持ちは本当に、近藤を思っての事なんだよネェ。  そんな新選組のほんの数人の話を、真剣にお聞き下さる殿も何てイイヒトなんだー。  で、結果斎藤は、 永倉どころか、そんなステキ殿すらも欺いているワケだよ。。 うーむ痛い。
「腹を割って話してみよ」
永倉達の思いを全て聞いてあげた後、殿がそう仰ると、、開いた障子の向こうに現れる局長の姿。
って 『ドッキリ仕掛け』 ですか。 ドッキリドキドキ(古すぎ)
「この度の件、誠に申し訳なかった。このとおりです。」
思いっきり頭を下げて、ひたすら懺悔する局長を見て、 驚愕の永倉、何だか既に涙目になってる感動屋の島田、オロオロ動揺してる左之助、 んで、たまたま巻き込まれたからかボーとしてる葛山、 奥でナンカすごいもの見ちゃったついでに感動してるような尾関、、 そんな中で斎藤さん、表情冷静すぎますわ〜。  このクールさ、鴨暗殺の時に、高ぶる感情を押さえたウルウル涙目の表情を見せた あの斎藤と同じ人なのかしらと疑ってしまうほどでございます。
色んな感情が交錯する中、ひとり違う場所から見ているような斎藤。  何もかも知ってるからとは言え、局長とご対面までは予想外だったハズ。。  今日の斎藤は超クールです。 今まで出し惜しみしてたクールさ一気に大放出ってカンジ?
けどそんな冷たい表情もまた、めちゃカッコイイんだよねぇ。  1人漂う『特別感』と言うか。 まあ普通は『やな奴』で片付けられちゃうんだろうけど、、 そこはひたすら、犬の野生の行動って事でひとつ。
頭を深々と下げる近藤局長に思い余って、殿の御前でありながらも駆け寄る一同ですが、 かなり出遅れて駆け寄る斎藤さんは、1番後ろに。。  最後まで目立たぬように観察してるとしか思えぬ、温度の違う斎藤さんでございます。

しかし永倉っていい人すぎるよ。 真面目すぎるよ。 人を信じすぎるよ。  ココでとりあえず近藤さんに免じて建白書を無かった事にするのは仕方ないけども。
 「俺はこのとおりの男です。 きっとこれからも至らぬことがあると思うが、 そのときは又、遠慮なく戒めて欲しい。」
そんな近藤の懺悔は承知。 それもイイ。 でもねー
 「土方のことを分かってほしい。 あいつの胸中には新撰組のことしかないのだ。  理不尽な事も言うだろうが、それは決して己の欲の為では無いっ!」
に、 「承知!」 なんて即返事しちゃったら永倉、それは微妙ですよ。
土方の気持ちもわかるけど、そんな暴走する土方を戒める事が出来るのは近藤さん、 あんたしかいないのです。  理不尽なことを言うのは、土方個人の欲の為じゃないだろうけど、、 アナタをテッペンに持ち上げる為なんすよ。 土方を許してやってくれ、 だけでいいのか局長。 一言、自分も土方を諭すとか、ないんかー。  そしてそれを速攻承知しちゃった、永倉。 今後が不安です。
「皆も頼む。」
改めて一同(っても6人だけど)を見回す近藤。  何気について来ただけの葛山すらも、ちょいと感動して大きく頷いたりしてるけど、 相変わらず若干距離を置いたところにいる斎藤だけは、小さく目を伏せるのみ。。。。 
もしかしたら、あまりにストレートに頭を下げた近藤の姿に、 チクリなんかしちゃった自分にちょっと後ろめたさを感じたかしらん、斎藤。。 さてどうだか。

しかし今回の斎藤。 いきなりの密偵キャラだもんなー。  そうなん? そういう立場で行くん? 
一緒に見ていた同居人も、「斎藤よくわかんねー!!」 と一言。
うん、ナゾキャラだから、それでイイのじゃろう。。。 史実としても斎藤ってナゾばかりだしね。
他が分かりやすい連中ばかりだし、わかんない奴が1人くらいいてもいいじゃないかって事で。  。。。いいのか。。?
まずは、密偵としての素質は充分。 プチ密偵試験合格。
って、頼まれなくても自分からチクってたしなー。。 油断もすきも無いナァ。
やがて密偵として甲子太郎の所にもぐりこむ斎藤、さぞや辛い使命になるだろうと思っていたけど、
うん、コリャ大丈夫だな(笑) ヨユーだな、どんと来い、間者仕事。
とにかく分かったのは、この斎藤には新撰組も友情も仲間も会津も関係ないって事です。
ただひたすら、近藤と土方に尽くす存在である、と。。。。
それだけは、間〜違いない。
と言うワケで、ちょっとだけ斎藤観の変わった、三十話でございました。

所で。 永倉のあとをおって局長が出て行った後、土方が拷問部屋に行く場面。。。
やけにオドロオドロしい拷問器具がこれみよがしに並んでおりますが、 古高拷問って、もしや全部駆使したんでしょうかね。 こ、コワッ。。。  そんな物凄い拷問を(島田の手を借りてはいたものの、)やってのけて、 新選組出世の元になった池田屋情報をゲットした土方。  拷問部屋を見る度に、そのときの『鬼』の気持ちと 組を大きくしてやるという覚悟と野望を思い出すのでしょか。
何かあるごと、迷うごとに拷問部屋へ向かい自分を奮い立たせる、てナンカいやんですが(笑)
そして山南とすれ違う時の緊迫感。 しかもスローですよ。
今回の余りに突然に感じる土方・山南対立、つーかむしろ、山南ハブな展開に、 アレレと違和感だったわけですが、 土方の野望ってのが、 『オレの手で新選組、もとい近藤を日本一にする』 事であって、 ”皆が安心して老後も暮らせる稼げる安定した組織”を作ることではないのですな。
そしてあくまで 「かっちゃん」 「トシ」 の二人で、もしくは試衛館生え抜き4人で、 その男の野望を掴みたい、、みたいな。
その野望がいよいよ掴めそうな位置に入ってきた時に、 安定を求める山南が邪魔になってきちゃったのかなぁ。
今までも反発しつつも、その頭脳にも助けられたりして来たのだけど、 ここまで来たら
”俺の力だけで「かっちゃん」をテッペンに登らせてやりたい”  なんてて欲が出てきたのかもしれんですな。。  さて三谷さんの仕掛けはいかに。

そうそう、沖田を見てくれてる考庵先生がいいねえ。 すごくイイっ。
こういう先生が1番安心するですよ。
実は昔飼ってた犬を小さい時から見てもらっていた獣医さんが非常に似てるのだなあ。。。
口は悪いけど、説得力があって、自然に逆らわない治療をするんすよ。  1番信用できたなー、あの先生。

で。来週また予告に姿がないんですけど。
いるよね?いるよね、斎藤さん。。。(もはや自信なし)
                                                  二〇〇四年 八月一日放送 

                                           




■ 其の十九 第三十一話 『俺じゃない…』 ■

先週のチクリ斎藤大活躍(違)の、建白書事件が尾を引く三十一話。
あれからずーっと斎藤の行動を考えておりましたが、
頼まれなくてもチクっちゃったり、迷い無くスパイ行為をやってのけた斎藤の行動も、 今回で何故かスッキリ許容できるように。
お話自体は全くスッキリするどころか ドンヨリ滅入っちゃうわけですが。

鬼のいぬまにナントヤラ、、、つか、この場合は
”鬼とは形ばかりなり、のやさしい鬼”のいぬ間に ”本当の鬼”が大暴れ、ですな。。
久しぶりの江戸で、懐かしい面々と久しぶりにまったりゆったりした時間を過ごす近藤。
一方の京都では粛清の嵐の序奏が。。。。
土方も連れて行けばよかったんだよなあ、近藤さん。  京都は山南さんにまかせて。   尤も、一緒に来いといわれても、土方にしてみれば”裏切り者”である、 建白書に署名した連中と、それをそそのかした山南を置いて行くなんて出来ないか。

近藤さんが、「だってぇ、お金ないしぃ〜」 とだだこね、 やる気のない旗本にがっかり失望しつつ、 以前自分等を見下していた松平上総介殿がうってかわって尻尾をフリフリ、 ややカマちっくな笑顔を振り撒き 「新選組!(はぁと)」 などと、 高らかに「!」 「はぁと」付きで唾を飛ばしそうな勢いで叫んだ姿に 文字通りザーっと一同引いてみたり、そんな事をしている間にも。

火花が散り始めている、山南vs土方。
笑わない山南!  笑わないと一瞬だれかと思ってしまうほどに、定着しきったかまぼこ目の山南笑顔。  笑ってても怒ってても、余程でない限りは微笑みのかまぼこ目だったと言うに、 そんな微笑みが消えてしまう程にギリギリの所まで来ちゃったのね。。
両者の気持ちはどちらも新選組を思っての事なんだろうけど、 ただ余りにも、ふたりの目指す方向が違いすぎた。
土方にしてみりゃ、建白書の一件は、 近藤と土方の二人で身分差別を乗越え江戸から京都まで来て 成り上がり、やっと手に入れた会津藩との信頼関係を傷物にされた気分でございましょう。。  誰だって、お家の騒動は知られたくないもんです。
今後こんなことが起きないように変えていけばイイ、と言う山南の意見の根底にあるのって、 今回の事件の原因はあくまで近藤土方のやり方にある、と言う批判だしね。
けど、こんな 『どこの誰だかわからない有象無象の浪人集団』 をまとめてビッと引き締めて行くには 相当のパワーが必要で、ところが自分等なんて浪人どころか元百姓だもん、 舐められないように力を見せ付けて行くには、迷ってる隙を見せるわけにはいかないのですな。 と思うと、実は山南よりも現実的で、余裕がなく必死で焦っているのは土方の方かも。
高い山登るには、勢いつけてテッペンまで一気にがーっ!!と登る!!  走り出したら止まらない。 つか止まったら落ちる! そんな勢いで。

さて、今週の斎藤一ですよ。
先週は土方近藤にとっては大活躍の密偵仕事をやりとげたっちゅーのに、 むさくるしい男だらけの狭ーい部屋にぶち込まれて一緒に謹慎中。  近藤さんのためのお仕事でも、当然表向きは一緒に謹慎受けなくちゃならないとは、 密偵はつらいよ
ちんまり控えめに、隅っちょの障子によっかかって座ってる斎藤。。  大の字で寝転がってる島田の20%も場所使ってないよ。
まあ本当はお呼びでない立場ですからな。。。ココは控えめにしとくが吉。
謹慎しつつ、他の連中の様子を監視し続けてるのかも。  情報仕入れたら速攻ご主人に御知らせしたい! みたいな。
「畜生。。。狭いんだよ!! 島田! ど真ん中で寝てるんじゃないよ! (怒)」
「どこでねたっていいでしょ、別にここは原田さんの部屋じゃねえんだからさ」
「謹慎じゃオレの方が先輩なんだよーー!!」
と、情けない事で威張りつつ嘆く左之介、大の字で寝ている島田のでかい図体、 狭い場所でスクワット、汗臭さ爆発の尾関、
あんたら一絡げでむさ苦しいッス!!  ただひたすら、暑苦しいッス!!! こいつらは監視しても無駄っぽ!!
鼻に詰めた綿の隙間をぬって匂いが染み出てきそう。 ひでちゃん、すっかり鼻バカになってんじゃない?

そんな体育会系な暑苦しい3人の横で、静か〜〜な時を過ごす文科系(?)な二人。  今まで亡霊みたいな顔して、生きてるか死んでるのか分からなかった葛山が、 ニコニコ幸せそうに微笑んで本読んでます。 それを見つめている斎藤。
。。つか、見つめすぎ!  遠慮なく見つめすぎだよ斎藤さん!
斎藤の熱い視線を独り占めするなんて、羨ましいぞ、武八郎。 (違)
そんだけじーーっと見つめられたら落ち着いて本も読めませんよ。  視線に気付いた葛山、斎藤に一言。
「なんか、ついてます?」
。。。皆さんご一緒に
『つか斎藤の顎にナンカついてるし?!』
ベタベタでも、ここはツッコんでおかないと。
で、急に返されてチョット気まずそうに目をそらし、 一瞬考えて出た言葉は
「。。。。楽しそうだな」
恐らく素直にそう思ったんだろうけど、 謹慎喰らったのに何故?。。と思ったのか、 この後彼を待ち受ける逃れ様のない運命、を知っての一言なのか、果たしてどっちでしょ。
ソレに対してアハハ、と、今まで見たことないようなイイ笑顔をみせて葛山、
「私は、1日、本が読めてうれしいです。」
と、本当に幸せそうに。。。 あぁぁ、この後のこと考えるとつらい、この笑顔。
それを聞いてちょっとだけ目伏せた斎藤、けど深い感情がそこにあるのかないのか、、 何だか今回は読みにくいですわ。
と、葛山、ふと思い出したように、
「あそうや。いつか聞こうとおもってたんや」
そう言って斎藤にずず、と近づき、
「あの、会津公にお目どおりしたとき、 何で近藤局長がおったんか。 誰かが裏で通じてないと、 あんなに早う局長が来られる筈がない。。。。」
するどい!!ていうか、バレタ?! 若干顔色が変わる斎藤、目がすこーしだけ、泳ぎます。 
ま、本当は誰でも直ぐ気付くはずのことなんだけどさっ、 誰も気付かなかったのが不思議なくらい(笑)。
と思って回りを見てみたら、それもその筈、 体力バカばっかじゃん! (失礼) 
細やかな政治なんか気にとめないような、脳みそも筋肉みたいな、 無骨な男ばかりじゃん!! (再度失礼) 
言い出しっぺの永倉も情に弱い男だったようで、近藤に頭を下げられた事ですっかり感動してしまって、 襖の向こうに用意されてた 『局長とご対面!』 のセットにも、 これ、シコミ?! なんて疑問が湧き出る隙も無かったようだし。。。
  流れで巻き添え食らっただけの葛山は、本が好きな文科系、且つ、 お坊さんの息子だし、…坊さんは関係ない??…、 唯一、その違和感に気付ける繊細な男だったのね。。 はっ。 それも切腹候補に一歩近づける 要因だったのかも。。

で、葛山。 自分で話しつつ、そこで初めて、あ、と、気付いた 「誰か」 の心当たりに、 ゆっくりと、その視線を、斎藤に。。
見つめていた葛山から、今度は疑いの目線でじっと見つめられ返されちゃった、斎藤。
小さーくコクリと 唾を飲む辺りが、まだまだだなあ、とちょっと可愛いぞとか思いつつ、 さてどう返すのか、これは見ものですよ、 密偵としてのお手並み拝見、斎藤一。
と、ニヤリ、と口の端を上げ余裕の表情、 うんうん、さすが色んな世界で生きてきただけのことはあるナァ、斎藤!
と、大感心してる所で、斎藤が選んだ言葉は
「おれじゃない」
!!?? おれじゃない!! おれじゃない、って今言いました?? 空耳かしら?!
ていうかカツゼツも悪くて 「おれじゃにゃい」 になってるし!?
き、機転が利かなすぎ斎藤一!!
誰もあんたって言ってないよー、あんたカマにかかってるよー、 自分から墓穴掘ってるよー、まんまとひっかかってるよー!
そう思って見てみると、ニヤリの笑顔も若干引きつっているようにも思えるよー。
他に誤魔化し様はあるでしょうがっ、そういえばそうだな、一体誰だろう、とか そこは適当にボケとこうよ、斎藤?!
とにかく斎藤のこの素直すぎる、ある意味バレバレじゃん、な返答に、 あんぐり顎が外れる思いでございましたが、
それでも何とか余裕の表情を作ろうとしている斎藤が、 ミョ〜〜に可愛いといいますか愛しいといいますか。
まだまだ子供ねv。 などとお姉さんぽく言ってみたい! そんなカンジ。 (深い意味はナシ)
「。。。(この間がコワイ) うん、まあ、私には、どう、でも、いいことですけど??」
この段階では自分は本当に関わりないことだと気にとめてない葛山のおかげで、 そんなヘタレ返答に突っ込まれずにすんだわけですけども。。。  バレてるね、こりゃ。  。。。あっぶないなあ、斎藤。
近藤土方以外を裏切るような事も厭わず、自らスパイの役割を買って出た 度胸と忠犬っぷりは大合格!! だったのに、
このバレ方、、そしてこのゴマカシ方、、に関してはまだまだ ”努力を要す” 
。。何だか先が思いやられる気持ちでございます。  まだまだ密偵としては修行が足りん。 
大丈夫か、今後の大仕事の、アレ?!

とか心配しつつも、この時の斎藤のオメメ真っ黒なかわいさに釘付けだったり。
どうしちゃったんだと思う程、黒目、クリックリなんですが。
謹慎中の男ばかりの部屋にその可愛さは無駄だろう(笑)
(こんなにカワイイのにひでちゃんは眼中ないもんなあ。勿体無い。)
時々によって、オダギリは表情どころか、本来の顔つきまで変えてるように思える事がありますが、
この時の斎藤は本当に黒目がでかくて、まさに子犬フェイス。
  この後の介錯後の厳しい目つきの斎藤と同一人物とは思えない程です。
年齢すら違って見えちゃうってどなんでしょう。 この時はとっても幼く見えるヨ。
そんな無垢な真っ黒瞳で見つめるなんて罪でございます。。
   お肌もつるつるで、ほんっとこの斎藤カワエエ。。。

。。流石にいいかげん「かわいい」しか言えない女子高生か、とツッコミ喰らいそうなんで、この辺にしといて。、
気になるのは斎藤が何故葛山をじっと見詰めていたのか、そのココロでございます。
葛山が書いた建白書下書きを土方に渡した斎藤、物的証拠はそれだけなわけでございまして、
て事は 「責めを負うべきスケープゴート」 を探していた土方に 葛山を強力候補に近づけてしまったわけで、
果たして斎藤はそれを気にしてたのかどうかが気になったんだけどネ。 (くどい文章でかたじけない)
だっつのに、今回の斎藤、表情が、読めそうで、読めない。  いつもより増して気持ちを押さえているような。 
割と今までは、静かで無口でも、意外と感情は素直に表に出てたんだけどな。
が、今回、最後まで感情を出さずに冷酷だった姿を見せてくれたのが、却って良かったな。
内部スパイという役割を経験して、より一層、近藤土方の為に、 自分も 『修羅の道』 を行く覚悟が固まってきたんだろうと 思うのでございますよ。

さてさて。 そんな殺伐とした新選組にも、 ほんわか恋の息吹があちこちにございます。
おまさちゃんへの想いがエスカレートするばかりの左之介は、もう、ノンストップハイテンション。 
火事でこげた部分にツギハギして出来たニューバージョンのおたふくの暖簾から顔だして、
「いらっしゃいませぇ!!みたいなー?!」 。。みたいな、って(笑)
さらには暖簾にちゅっちゅとキスの嵐。
所でこの暖簾、チョーカワイクナーイ? などと女子高生ふうに言ってみたくなる程カワイイ出来。
  ピンク一色の最初より、デザインぽくなってて、 オシャレ&キュートっす。 
これさ、NHKのお土産として作ったら売れるんじゃないかなあ。 つか欲しいし。
そのおたふくへ訪れた総司と、山南さん。。 左之助ってばおまさちゃんにぞっこんラブだよね〜、 なんて、ホレタハレタの浮いたお話は軽く流して、ガチガチに、 ”新選組、 もとい土方の暴走するワンマン政治について” 総司に相談する山南さん。
、、、それはとても真剣で、今はあの福助のような頭の中は、その事で一杯な山南さん。。。
んがっ。 そこに現れた、おすずの天真爛漫な明るさと、お汁粉7杯平らげる生命力に(それは余計)、
突如ぽわわーん。。。。。 もしもし、山南さん?!
彼女を見送っても、まだ1人夢心地な顔。。。
あげく、 「何の話でしたっけ」
って、貴方が言い出しっぺなのに、山南さん。 案外簡単にスイッチ切り替わったなぁ。(笑) 
いまや福助頭はピンク色でございますよ。

が、やはり新選組の内部は、どろどろとした死の匂いが立ち込めようとしております。
じっと考え込んでいた土方が、目を開き、
「葛山!きみに決めた!!@ぽけもん」  。。。とは言わないけど、 ついに今回の事件を〆る生贄が葛山に決定。。。
源さんも、総司も、その土方の決定をそのまま受け取り、協力するんだね。 
やはり結局、 『試衛館生え抜き』 の結束だけが、この新選組の柱なんだなあ。 
源さんが止めないのが、ちょっと意外だったけど。 
で、一時期、どうしょもないなあ、と呆れつつ見守っていた総司も、 ここに来てイイカンジです。 
土方の気持ちを理解する、と言うより土方を心から信じてるんだよねぇ。
長くない命と自覚した時から、短くても大きく燃え尽きたい、という想いが強くなり、その想いが 土方と同調して来たのかも。

いよいよ、土方に呼ばれた葛山。。。 その葛山を救えるのは、今は貴方しかいないってのに ふらふら1人で歩く山南さん。
その頭の中、まだピンク色っぽい。。(笑)
今までまっすぐクソ真面目に新選組のことだけ考えてきた堅物な山南にとって、 一目ぼれの力は強烈でございましょうな。
そんな 「世の中にはこんなステキなこともあったのか、」 な、山南さんの前に現れたのが、
世の中楽しく生きなきゃいかんちよ〜〜! な、竜馬とおりょう、略して竜&龍。 (余り意味ない略ですな)
真昼間から往来で、春画を取り合いイチャイチャ..と、見事な  幕末の超バカップル でございますよ。
とか、一見軟派に見える竜馬だけども、想像以上の広い視野で、日本を、 世界を見つめているその思想を聞かされて、
ソレに対して自分達は狭い屯所でゴタゴタしてる、、その差を目の当たりにした山南さん、 そりゃショックだと思うですよ。
ただ近藤さんの人柄に惚れて、彼なら何か大きな事を成し遂げられるだろうと信じて 着いて来た筈だったのに、
今自分は一体何をやってるんだろう。。てね。 
その近藤さんを紹介してくれた竜馬は、実に身軽な身のこなしで、自由に飛び回り、 正しいと思った道は自信を持って進んで行ってるんだもんなぁ。
さらに、もはや自分たち ”新選組” には見切りをつけられてしまっているのも、 山南には辛い話だよね。
あげく、ヘッドハンディングされてるし。。  そりゃ戸惑うよなぁ、山南さん。。。

切腹を言い渡された葛山が食い下がる場面、今まで気の抜けた顔しかしてなかった彼の必死の形相が、 辛いっすね。
泣き崩れて懇願しても土方の気持ちは変わらないだろうけど 罵倒して大騒ぎしたことで、むしろ、
「その姿見て安心したよ。 何の覚悟も信念も無く、局長への謀反に加担するような者は、 生きるに価せん。」
。。。。と、 彼の気を楽にしちゃったってのも皮肉なことです。。。
ところで報告するだけでなく、建白書の下書きなんて証拠となりうるブツを、 何時の間にこっそり持ち帰ったのか、斎藤。 
コソコソ懐にしまう姿を想像してしまうですよ(笑)  どこまでも、やると決めた事には手を抜かない男ですとも。。

主人のいない屯所は大変なことになってるってのに、 葛山を救えるかもしれないのは、だから貴方しかいないってのに、
まーだ山南は帰って来ない。。。
今度は竜馬と話してカルチャーショックで凹んで、 その気持ちを紛らわす為に、おすずを求めて慣れない遊郭へ。。
いや〜〜、山南とおすず。 凄くいいよねぇ〜〜。
二人とも立場は非常に切ない状況だってのに、あっけらかんと明るいおすずと、 硬い山南の会話のかみ合わなさ(笑)
、、、すでに夫婦漫才ですか!?(笑)
ボケと突っ込みというよりも、おすずの1人ボケ&セルフ突っ込みではございますが、 山南の微妙な間や表情があってこそでございます。
そして出会ってまだ間もないのに、運命かと思わせるような二人の雰囲気に、やられたましたよ。。三谷さん。
彼女の名前 『明里』 を、山南が名づけるだなんて、、、やられました、三谷さん。。
今後のことが頭を過ぎるせいもあってか、この二人を見てると、 ほわわんとしつつ、胸が切なくきゅーんとしてしまうのだなぁ。。
しかし言われてみれば確かに、山南と飲むよな間柄の隊士って、いないね。
絶やさない微笑が寂しそうなのはそのせいもあるのかな。

と、いいなあ、可愛い二人だなあ、、、、と顔が緩んで見ていたところで場面切り替わったら、 葛山切腹シーンだもんなぁ〜。。。
緩急つけすぎっすよ、気持ちの切り替えがジェットコースターですよ、三谷さん。 着いて行くの、必死っす。

狭い部屋で、切腹を見届けるのは、土方、総司、源さん。 そして介錯は、、、斎藤です。。
池田屋でヒーローのごとく、救った命なのにナァ。  もっとも、あの嬉々とした刀捌きを思い出すと、葛山を助けたかったワケではなくて、 単に獲物を斬りたかったのかも、いや根本は ひたすら、 ”近藤さんの勝利の為” 、に尽きるんだろけどネ。
それでも自分が命を救った人間の首を、自分が介錯することになるとは、、皮肉な展開です。
刀に清めの水をかけ、ゆっくりと、葛山の隣に立つ斎藤。
「作法、、、知りません。。。」
切腹の為に紙を巻いた脇差を前に、お腹を晒してみたものの、、、こわいよね、、想像できない恐ろしさだよ。
「形だけでかまわん」
土方の冷酷な目だけでも怖いのに、微笑みの源さんや、いつもカラカラ明るい総司まで 、ピクリともせず、感情を押し殺した表情でじっと見つめてるこの状態。 悪夢のようです。  手を伸ばせばすぐ手の届くところにある死なんて、想像できないっす。
自分の命をかけた最期の行為を、 『形だけでいい』 なんて、悲しいね。。。 所詮、体裁を保つためだけの儀式でしかないんだな、 自分の命なんてその程度の価値なのか、、と思うと悔しいやら切ないやらだろうナァ。
たった数十センチの先にある脇差までの距離が、とても遠く感じそう。。  やっとの思いで、脇差を握り、腹にあてがうと、 すっ。。。と一歩近寄る介錯役の斎藤。
当然、葛山の怨みの矛先は、斎藤に。  が、ギリッと睨みつけても、葛山を見下ろした斎藤の表情は冷酷なまま張り付き、 お面の様に、ちらとも感情が揺れる事はないのですな。。
「下書きを、、、土方に渡したな?!」
ビンゴ。 けど、今更。 言われても、斎藤の表情は、変わらず。
前を見ても、3人の視線は冷たく縛り付け光線だすだけです。
「うらぎりもん!!」
と、最後に精一杯の怨みと怒りを込めて叫び、 腹に刀の切っ先を突き立てる葛山。
。。。。一呼吸おいて、振り下ろされる斎藤の刀。
。。が、思ったより一呼吸が長かったですよ、斎藤さん。

◇◇◇ 切腹にも色々と方法をお選びいただけますが、 「形だけでいい」 と言うなら、 恐らく1番楽な、『刀を腹に刺す前に、頭を切り落としてしまう方法』 がございますよ、お客さん。  痛みを感じる前に、さくっと逝け、且つ、形は切腹の形を見せる事が出来ます。  勿論、この際大事なのは、介錯人の選択でございます。  全ては介錯人の腕にかかっております。 ◇◇◇

が、それでもちゃんと腹に刀を刺した葛山は、武士である事には全く拘りはなかっただろうけども、
その切腹はまぁまぁ武士らしく出来たんじゃないでしょか。
。。。腹を刺したのをちゃんと確認して、更に一呼吸置いて 介錯したのも、武士らしい切腹をさせてやろうという、
斎藤の情けかもしれないナァ、、なんて、考えすぎかな。
まあ尤も、葛山にしてみりゃ、痛くない方が良かったのにぃぃぃぃぃ。。。 なーんて、怨み辛み言われそうですが。。。
で、 「うらぎりもん」 と罵倒されても、表情は微動だにせず冷酷な仮面だった斎藤。。
そらそうさ、ぶっちゃけ、裏切ってないも〜〜ん。  最初から、土方近藤にだけ、ついてってるんだも〜〜ん。  そうと知らずに誘ったそっちが悪いんだも〜〜ん。 (ひらきなおり)
寧ろ、 「土方(近藤)の犬め!」 とか言われた方が、チョットちくりと来るかな?  いや。。こないか。。。。
だって犬だも〜〜ん?

先週、突然当たり前のように仲間を売った斎藤に (っても仲間てのも斎藤にとっては違ったのかもしれないけど)
ワカラナイ奴!と戸惑ったもんですが、今回の斎藤を見て、 それでいいんだっ。と確信。
つか、やっぱり凄くワカリヤスイ男だったんだと再認識したですよ。
そもそも、”急にチクリ”行動を見せられて驚いちゃったけど、考えてみたらさ、
今まで近藤土方のやり方にあからさまに反発する人が居なかっただけで、
だから単に斎藤が行動を起こす必要がなかっただけで、
案外これまでもずっと、眠ってるようで起きつつ、起きているようで寝つつ(笑)、
局長に反抗するものがいないか、監視し続けてたのかもよ。。。
で、今回が初めての反乱だったって事なのかも。。。って、ハッ!!

思い出した。。。
  今回以前に、土方達に反抗したやつがいたわ。。。いたいた。 正に新選組の決定に反した行動!!
そうだ、鴨暗殺の時っすよ、、土方達の前に立ち塞がった奴!!!
。。って斎藤じゃん!!!
。。。。。えーと。
。。。。。。まあ、それはまだ恩義を感じるべき鴨が生きていて、
どっちに付いていいのか斎藤も迷って迷ってぐらぐらしていた頃のことですから。
むしろ、鴨暗殺を認めたことで、その鴨の分まで、近藤に傾いたわけですから。。。
。。。。ね。 。。いい! 私は許す! 私は全てを許す! 。。斎藤だからね。。
あんたはそれでいいんだ、一ちゃん!!
悩むことなく、突き進め一ちゃん。
近藤が 「全てはご公儀のため!」 ですませるなら
斎藤は 「全ては近藤さんのため」 でいいじゃん!! 筋通ってるよオッケエだよ。


それに、大事な介錯の努め、いくら剣に長けた斎藤とは言え、迷いのせいで介錯がブレたりしたら、 苦しいのは葛山本人ですからな。。。  ココロを無にして、一発で綺麗にサクッと斬ってやるのが、思いやりというもんです。
ところで以前ウェブで切腹を検索した時にどこかで見たんだけども、 介錯は、首の皮一枚残して、
首がふっとんでいかないように斬るのが最良らしいです。
。。。斎藤はずばっと威勢良く振り切ってましたが。。。
あの勢いだと首、見守る3人の処に吹っ飛んでいきそうですわ。。うへぇ。
。。まあそこは8時のお茶の間ですから。。。

見せしめの切腹だけに、気の毒にさらし者になっちゃってる、葛山の遺体。。ああ、辛い。
永倉さん、貴方の相方、こんなんなっちゃいましたよ(違)
唖然として見つめる山南の後ろから、土方の声。
「奴を殺したのはオレとお前だ」
反発しつつも、運命共同体な発言。 怖いなー、土方。。。。
8・18、土方が 「俺は修羅の道をいく」 と告げた時に、 それぞれの思いも胸に刻んだであろう山南と斎藤。
斎藤は、同じように、「近藤さんの為」には何でもする、と誓ったのかもしれない。
山南さんは、どうだったのだろう。。。
土方と斎藤は有言実行、目的も明快に分かりやすく本当に鬼になってございます。
だけど山南さんは? 近藤に着いてって、本当は何を望んでいたのか。 その辺りの曖昧さが、この事態を引き起こしたのかも、、デス

さあて、、いよいよですね、皆が泣いたと言う、32、33話。。。
何だかドキドキするなぁ。 斎藤がいるかどうかも、ドキドキするさー。。。
最期にナガイの一言。
いつも寝てばかりの斎藤が、妙にかいがいしく動き出す時、 何かが裏で動き始めている、間違いない、気をつけろ!!


                                                  二〇〇四年 八月八日放送 

                                           



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